コメント
2件
やばすぎる おもしろい
ー陸翔視点ー
「春菜…どこだよ…」
ん?そこの部屋から生臭い匂いがするな。なんか変な感じの匂いだけど…?一体なんの匂い…?俺の予想と違うといいけど…
「春菜…?」
そこには愛海が春菜をぐちゃぐちゃになるまで刺して抜いてまた刺す、の繰り返しの光景があった。もう、春菜は跡形も無くなるぐらいにぐちゃぐちゃになっていた…
「あ、陸翔くんぅ!」
やばい、今は怖いと言う感覚より…憎い、悔しい、悲しい、怒りなどの感情がごちゃごちゃになっているのが分かった。自分の大好きな人が、元カノにぐちゃぐちゃになるまで滅多刺(めったざ)しにされる光景を見たら…もう、自分が代わりに殺してやりたくなった。
「これで、私だけを見てくれるよねぇ」
「…」
「ねぇ、陸翔君なんか言ってよぉ。私寂しいよぉ」
「俺はお前が大っ嫌いだ!」
今までで遥かに大きな声でそう叫んだ。静かな病室には大きな声が響いた。
「へぇ、そんなこと言っちゃうんだぁ」
「あぁ、」
「この「クソ女」のせいかぁ」
ぐちゃり。もう一発。もう一発、と続けて刺し続ける。もう、見てられねぇ、
「お前!」
そう言って後ろから押した。
「きゃっ!」
そう言って愛海はぐちゃぐちゃになった春菜のところに転がる。起き上がった時にはもう、血まみれで、、、
「何するの!?」
「お前、貸せ!!」
そう言って俺は愛海の持ってたナイフを取り上げた。
「え、陸翔君…?」
「お前、どんだけ春菜が苦しがってたか体験しろっ!」
「きゃっ!」
そう怒りの頂点に達した時、俺はナイフを振りかざした。
「凉音…?なんで、」
俺の振りかざすナイフを止めたのが凉音だった。凉音も愛海に刺されて、生きてるはずないのに… ん?これは、手当(てあて)した後…?もしかして春菜…
「駄目だ!今やったら陸翔が!」
「…」
俺はナイフを下ろした。そのまま膝から崩れ落ちた。もう、泣いてることすら分からなくなっていた。外ではパトカーの音などしていた。でも、俺はどうしようも無かった。目の前で大好きな人が殺されてた。それを何も助けれなかった。俺の頭を罪悪感がいっぱいになってもまだ、湧き続けた。
春菜…春菜…。神様に一度だけとお願いしたせいか?だから一度あって、殺された…
「はは、ははは…」
俺はもう精神的に壊れかけていた。何もしても無駄な気がしてきて…
「大丈夫だよ。」
近くで凉音が慰めてくれてる。凉音の方が痛い思いをしてるはずなのに…なんで、俺を慰めてくれるんだよ、、、俺はめっちゃ、めっちゃくちゃ、弱い生き物だよ。なんで凉音はそんなに強いんだよ…
「大丈夫ですか?!」
警察官の声が聞こえた。俺がその場をどくと隠れていた窓側が見えた。それを見て警察官はなんて言葉にしたんだろ。俺の彼女がもう、原形をとどめてない状態で、倒れてるんだから。人なのかすら分からない状態で。
「〜~~。」
「~~。」
何か凉音が向こうで話してた。事情を説明しているのだろう…俺は何も言うことも出来ずに、その場で泣き崩れた。