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ー陸翔視点ー
「終わったね…」
「あぁ…」
「あれは仕方ない…よね…」
「…」
「陸翔…」
そう、今は春菜の葬式が終わったばっかだ。愛海はあの時警察官に連行されて今は少年刑務所に連れていかれた。愛海のお母さんはアル中で捕まり、お父さんは借金に追われて他界(たかい)してしまっている。だから、愛海もいい事悪いことの区別がつかなくなってしまったのだろうな。ずっとずっと辛いなかで生活してきたもんな。でも、それでも、春菜を殺したのは許せない…どう償っても償いきれない罪を背負ってしまって…今から楽しい時期なのにな。 それにしても二人とも…なんで…仕方ないで終わらせれるんだよ。
「俺も死ぬか…((ボソッ」
「陸翔?」
「ん…?」
「今、陸翔死ぬって言ったの?」
「あ、あぁ、」
バチン
香子が俺の頬を思いっきりビンタする。夕焼けの綺麗な静かなこの場所にはっきりと音が響き渡る。
「あのね!春菜は、陸翔の事を大好きだったんだよ?!それで陸翔と凉音を守る為に自分を殺してまで、助けたんだよ!それなのに…その助けられた命を軽々しく捨てるわけ?。」
「…」
その言葉に何も言い返せなくなった。春菜…俺は好きでいて本当に良かったんだろうか… そんなことばっか頭によぎっては消えてく。終わりの無い闇の中にでもいるみたいに…幸せだった記憶だけが頭に浮かんできて…もう涙の出なくなったはずなのにまた、ぽろり、と出てくる。
「陸翔…俺も辛いよ…」
「凉音…」
最近聞いた。凉音は春菜の幼なじみって事。春菜の事を沢山(たくさん)知っていたのはそういう事だったんだ…って分かった。凉音はあの時に、春菜に応急手当て(おうきゅうてあて)をしっかりとしてもらっていたから生きていた。本当に奇跡みたいなもんだな。春菜の居ない世界で俺はどうやれば幸せになれる?ずっとずっと辛いままか?
「あ、そうだ陸翔…」
「ん、」
「これ春菜の病室に置いてあったの…」
「え、」
「 『陸翔へ』って書いてあるから、渡そうと思ってて」
そう言って春菜からの手紙をもらった。懐かしい文字と共に長い長い文章が書かれていた。