⚠️少し下品なシーンあり(R-12)⚠️
私は孤児だ。だから今私は、売り物にされている。
まぁあらゆる人身売買というものの売り物になっているということ。
この人身売買というものが何故、世の中では認められているのだろうか?
私が今売られている町は、ネオンが絶えずに光る看板や、見て見ぬふりして通りすがる大勢の人達、そして私や隣のNo.645さんと、その隣のNo.……誰だっけ?
その売り物をじっと見る汗臭いおじさん達に囲まれながら私は作り笑顔で、誰でもいいから売れなきゃと必死に自分をアピールする。
「このNo.625ちゃんって何歳カナ?マスター」
「この子は14歳です。しかもまだ生娘ですよ?」
「14かよー手遅れじゃねぇかよ〜」
手遅れ?これじゃあ売れない……どうすれば…
「えっと、14でも私、子供の真似できます…!」
「子供の真似とかじゃなくて、全部子供がいいんだよ俺は。14なんて中途半端じゃねぇか!」
中途半端…?
「たしかに、こいつは顔可愛くねぇしな!w」
可愛くない…?
なんでそんな事言うんだろう、なんだか不思議な感じ。
「隣のヤツらも高ぇし、もう帰るわマスター。」
「俺達も帰るわ〜隣のヤツらが安くなったらまた買いに来るわw」
私は必要とされてないの?もっと努力しなきゃダメなのかな?
私は不思議で不思議で、どうしたらいいのかが知りたくて、ぼーっとしていた。
なんか、私すごい売れないな、何でだろう?
私的に努力はしてきてるはずなんだけどな。
しかも私の名前は、「No.625」みたいなヘンテコな名前じゃない…!
私の本当の名前は……
「おい、No.625」
マスターに後ろから声をかけられ、後ろを向くと、マスターはすごく怒っていた。
「服、脱げ。」
「え?どうゆう事…?」
何故服を脱げばいいのかが聞きたくてマスターに上目遣いをしながら問いかける。
「色気で売るぞ。」
「でも私下に何も着てないです…」
「それでいいんだよ!!お前は他より胸もケツもでけぇだろ???売れるぞ?売れたくねぇのか??」
私はこくりと頷く。
売れたいし、この空間から解放されたい。けど、全裸なんて見せ散らばしたくない…
「早く脱げよ!!今日もああなりたいのか?」
一瞬で全身が震える。昨日やられた痛い事、我慢できるけどなんだか泣いてしまう。
痛い事されるも、どっちも同じのように思えるし、どっちも耐えるのが難しい。
「No.625!!無視してんじゃねぇよ!!!早く脱げよ!!」
私はマスターの言葉を聞いて、思わず「ひぃ…」と弱音を吐いてしまった。マスターはいきなりニヤッとコワイ顔を浮かべる。
「あーそっか、脱げないのか〜そりゃそうかァ。じゃあ、お父さんが脱がしてあげまちゅよ〜」
わかんないけど、マスターの少し大きな首飾りに写っていた私は少し泣いていた。
でも泣いてるだけじゃ私は負け。対処法を小さな頭で考えたが、なにもいい案が思いつかない…
どうしよう、どうしよう…という言葉で埋まる私の体にマスターは手を触れ、薄い服の裾を掴む。もう私はこの時点でもう助からないと、わっと雨が突然降るように涙が湧いてくる。
もう、駄目だ…
「店主。」
私の後ろから誰かがマスターに問いかけた。
「なんだ?」
マスターは私の裾を掴む手は離さず、そこで止める。
「そいつ、ください。」
「…!?」
その言葉で私は振り返ってしまった。なんだか、そんな言葉をかけられたのが初めてでびっくりな気持ちと、なんだかほっとする気持ちが一気に溢れ出てきたからだ。
そんな言葉を言ってくれたお兄さんは、目線が合うようにしゃがみ、狼みたいな目に、身長が高くスラッとした体型、フードをしている黒髪のマッシュウルフのお兄さんは、すごく「穏やかな肉食動物」って感じがする。
そのお兄さんは財布からお金を出し、マスターから受け取るのを待つ。
マスターは私の服の裾から手を離し「お、おう…」と驚きながらお兄さんのお金を受け取る。
「お…お買い上げありがとな!お兄さん……」
「行くぞ、猫。」
猫……あ、思い出した。私の本当の名前は……
「猫葉メア……」
「何言ってんだ?早く後ろに乗れ。」
お兄さんは大きなバイクに跨りながら私に言う。
私は素早く立ち上がる。ずっと座っていたからか、足が痺れてよろけそうになったが、私はそれを我慢し、言われた通りお兄さんの後ろに跨った。
「そこにあるヘルメット付けとけ。」
「はいっ!」
ヘルメットホルダーにかけられてあったヘルメットを被る。
「しっかり捕まってろ」
私は、そろっとお兄さんの腰に手をやった。
すぐにエンジンをかけ、猛スピードで走りだしたから、私は「ひゃっ!?」と、驚いた。
バイク初めて乗るな、こんな迫力あるんだ…
「…猫、本名は?」
「猫葉 メアです…」
やっと思い出した、一番知りたかった事。
「お兄さんの名前は?」
「虎狼 雅空。」
苗字に「狼」がついてるんだ…名前と見た目が合ってる…
「えっと…虎狼さんはなぜ私を買ったのですか?」
私、可愛くも美人でもないのに。なんで買ったんだろうと不思議になっていた。
「……」
あ、言っちゃダメなことだったかな……!?
「…買いたかったから買っただけだ。」
買いたかった…?なんで買いたかったんだろう。でもそこまで聞いたら、気持ち悪く思われちゃうかも……
一旦この話は終わった。
バイクが急速に走る、この大きな橋から見る景色は、私の人生よりも綺麗だった。
à suivre🐾🤍
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