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「頼むよ、これ以上俺にこう言うことさせないでくれ。」
首枷、手枷に繋がれている女の太ももに吸っている煙草を押し付ける。もう何回めのことだろうか。女は眉をひそめ耐えるだけ。
「これはもう効かないか。」
首枷を引っ張り、強引に女を自分へ抱き寄せる。
「光は失ってないか…。意外と整った顔してるんだな、悪くない。」
顎を掴み顔を品定め、やがて目線を身体に向ける。羞恥心に耐えれず女は両手で力一杯菊田の胸を押す。
「なるほど、しめた。」
菊田は不敵に口角をあげ。
「ごめんな…。」
と女のみぞおちに拳を1発いれた。
「気付いたか。…俺の部屋だ。」
身なりが整えられていて、おまけにベッド寝かされていることへの警戒で攻撃態勢になろうとするが拷問続きで体力が消耗しきっており、力なく床にへたりこむ。
「今からされることの、予想はついてるな。」
菊田は酒と錠剤を口に含み、無理やり女に流し込む。
「俺と一緒に地獄へ落ちてくれ…。」
語気に哀しみが込められている。それにしてもなぜ、自分は生かされている??正体がバレた三流スパイは生かす価値もないが、たまたまこの男の上官が頭のキレる奴で、自分に二重スパイをさせるつもりなのだろうか。女は錠剤の効き目と肌に舌が這う感触に抗いながら、思考を巡らす。
「ごめんな…!!」
快感とは違う苦しそうな顔をして腰を動かす菊田の背後に、死神が今にも鎌を振り下ろしそうな姿で立っているのが見えた気がして、女は目を見開いた。それと同時に中に出された感触の熱が身体中をめぐり、思わず菊田に抱きつく。
「媚薬の力とはいえ、少しは素直になったか…??」
1回では足りないらしく、態勢を変えられまた女は陵辱される。何度か犯され、やっと終わったかと思うと。
「これで全て話す気になったかい??」
その言葉に女は首を縦に振らない。
「俺のモノになる気は??」
答えがすぐに出せない。元の場所に帰っても、このままこの男と離れてどこかに連れていかれでもしたら自分は確実に消される。なら…。
貴方となら、喜んで地獄に落ちますよ…。
「そうか…。」
安心して微笑む菊田の目が完全に闇に染まっていた。