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初投稿なのでよく分かってません。ごめんね。
本人様には関係ございません。
本人様にご迷惑のない様にお願いします。
フィクションです。
ギルドパロです。非常に捏造多いです。
青さんがずっと眠ってます。
「もう朝だよ」
ベッドの上で眠っている彼の髪で遊ぶように指を通す。
彼、きんときは、1か月前からずっとこうやって眠り続けている。
彼の髪はずっと手入れされていないにも関わらず眠ってしまう前のようにサラサラで、僕の指の間を留まることなくするりと抜けていく。
それが彼の命のように思えて、怖くなって。
「おきないの?」
声をかけながら手を握り、温かくも冷たくもない僕と同じ体温を確認して生きていることを実感する。
「髪、ちょっと伸びたね」
いつ切ろっか、なんて言いながら手首で脈を取る。
とくん、と確かに脈打つ彼の命が僕を安心させると同時に、彼の細くなった手首がひどく焦りを掻き立ててくる。
点滴では無理がある。薬では無理がある。
普通の生活を送っていれば持つものも、今のままじゃ持たない。
ちゃんと食べろよ、とメンバーによく言っていたのに、今となっては彼こそ食事を取らなければならない。
「朝ごはん、いってくるね」
でも、起きないなら、食べられない。
だんだんと痩せていく貴方を、僕は見ていなくちゃいけないのですか。
「ぶるーくおはよ。珍しいね」
「おはよやんさん。今日はきんさんのとこ行きたくて」
「そ、どうだった」
「相変わらずだね」
「まあ、そうだよな」
キッチンで料理を作っているきりやんはなんともいえない曇った笑顔で はは、と笑う。
それがどうしても苦しくて、僕はきりやんから目を逸らして机を見る。
サラダがすでに並んでいて、それは5人分。
最近はきりやんも間違えて6人分作ることがなくなってきた。
2週間くらい前までは何回も多く作っちゃって、その度に「だめだなおれ」とか言って、悲しそうな目をしながらきりやんはお昼にそれを食べていた。
慣れてきたんだろう、トースターで焼かれているパンも、遠目で見る限り5人分だ。
(変わっていく、日常が)
「ぶるーく、水とコップ出して」
「あ、はぁい」
言われて初めて動き出すと、目の前のドアが開きシャークんが眠そうな顔のまま僕にぶつかった。
「んぁ、わり」
「ちょっとシャ〜ク〜ん、しっかりしてよねえ」
「ぶぅーく…?おはよ」
「うんおはよう。そんな珍しいもの見るような顔しないでよ、顔洗っておいでほらほら」
「あぁ、おぉ」
背中を押すとされるがまま洗面所の方へ歩いていくシャークんを見送り、きりやんの横を通って冷蔵庫から水を取り出してから食器棚に重ねて置かれているコップを取り出して、どちらも机に置く。
コップを6人用の机の定位置に並べてから、水色のコップの正面に置かれた青色のコップを手に取り食器棚にしまう。
まだ僕は、6人でいて、それが日常だと思ってる。
進めていなくても、それでいいんだ。
立ち止まっていても、それでいいんだ。
変わりたくないんだ。
認めたくないんだ。
「ぶるーくありがとな」
「…いいよ〜ん。やんさんもいつもありがとね」
「まあ、役割の一つだからな」
あぁ僕は明るく振る舞えているのだろうか。
きりやんは気づいているのだろうか。
きりやんも同じ気持ちだったりして、なんて思って。
「シャークん見てくる」
「あいつらも起こしてきて」
なるべく考えたくなくて、戻ってこないシャークんを見にリビングを出た。
ナカムとスマイル起こす任務も入ったけど、とりあえずねぼすけさんが生きてるかを見に行こう。
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「俺はさ、何か得意なことがあるわけじゃないから、みんなの力になれることといえばやりたくないことやったりとかそういうことくらいなんだよね」
「そんなことないって、きんときにはそれ以外にも良いところあるし、いつも助かってるよ」
「そうそう、きんさんはね、自分を卑下しすぎだよ」
「そうかな…、ありがと」
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「ナカムのそばにいるからね」
「俺だって、きんときのそばにいるよ」
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「…、夢……。」
思い出の夢、良い夢のようにも思えるが、今の状況を考えると悪夢と言っても良いだろう。
俺は自分を責めざるを得ないのだ。
ズッ友だと、親友だと豪語しておいて、なにも守れず、今なのだから。
「くそ…頭痛え」
最近は溜まった書類と自己嫌悪に苛まれ続けてまともに寝れず、体調がよろしくない。
ー 無理すんなよ
「…」
とうとうきんときの優しい声まで聞こえて、どうしようもなく自分が参っているのだと理解する。
「なんで…なんで起きないんだよ」
「ナカム?おきてる?朝ごはんだよってきりやんが」
「…!ごめん、今いく」
扉越しのぶるーくの声に肩を大袈裟に震わせてから返事をする。
弱っているところを見られるわけにはいかない。
みんな同じ気持ちでいるのは分かっている。
今みんなは、全員で争っているのだ。
これを日常にしないために。