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2023.1.6
妹が大学に通うのと一人暮らしをする為に
神奈川へ旅立った。
空港で手を振る事が出来なかった。
今迄一緒に居たから何処か寂しく思えた。
空港からの帰り
「一人暮らししたら変わるんじゃない??」
と、言われた。
そうかもしれないと思った。
だが、貯金も無いので借りれる部屋も無い。
簡単に言ってくるけど簡単じゃない。
妹が関東に行った事で 自分にも目標が出来た。
いつか自分も関東に行きたい。
そう思っていた。
その頃には友達探しにアプリをやっていた。
「いいね」を貰うだけでも嬉しかった。
トークは続かない事が多かった。
そのアプリを一旦辞めて配信に戻ってみた。
元々配信はやっていた。
急に戻ったのに来てくれて
聞いてくれる人が多くて嬉しかった。
「ここが居場所なんだ」と再確認。
心の中はポツンと穴が空いてしまっていた。
恋愛依存症では無いと信じたい。
恋愛はしたいけど、怖いが勝ってしまう。
また裏切られたらどうしよう…って。
暫く毎日配信をしていた。
毎日定時に配信して色んな人達と話して
一日を終える生活。
周りが見えなくてプライベートではなく
配信優先の生活。
安定する日は無かった。
部屋に閉じこもって配信が普通。
夜飯の時間になったら憂鬱みたいな気持ち。
風呂は夜中に入ってた。
中々に、不規則な生活。
自分の中では
「変わりたい」という言葉だけだった。
変わりたいのに変われない自分を見て
泣きたいくらい悔しかった。
それでも毎日はやってくる。
それを見兼ねて母が祖父母に連絡をとった。
母方の祖父母が気分転換にと
色々な場所に連れてってくれた。
ちょうどその頃はハロウィンだった。
街はハロウィンで賑わっているのに。
自分は知らなかった。
外の世界を。
大きなかぼちゃのランタンの前に並んでいる
クマのぬいぐるみを見た。
仲良しそうに座っていた。
また思い出してしまった。
もう戻る事なんて出来ないんだって。
ぼーっとしながらそれを見詰めていたら
祖母が背中を撫でてくれた。
何も言わずに無でてくれた手は
誰よりも暖かかった。
祖父は黙って向こう側で植物を眺めていた。
暫くして落ち着いたのか植物を見に行った。
すると、祖父が言った。
「大丈夫、人生色々あるよ
楽しい事も辛い事も含めて人生だよ」って。
その言葉が刺さった。
楽しかった思い出も辛かった時もあった。
色々あったけど最後は受け入れられた。
ちょっと自信になった。
祖父の言葉も祖母の手の温もりも優しかった。
またアプリに戻った。
今度は友達探しをちゃんとしようと思った。