そのままチュッと軽くキスをし合う。……と、そこまではいい雰囲気だったのに、私のお腹が急にぐぅ~と鳴ってしまった。
恥ずかしさのあまり、真っ赤になると、
「お腹がすいているのか?」
彼に、首を傾げて問いかけられた。
「あっ、えっと、はい……。家に行くのにドキドキしすぎて、昨日の夜にあんまり眠れなくて、それで今朝は寝坊しそうになり、何も食べてこなかったので……」
顔からそれこそ火が出そうな思いで打ち明けると、
「そうか、可愛い理由だな」
頭の上に、手の平がぽんと乗せられた。
「僕の部屋に来るのを、そんなに楽しみにしてもらえて嬉しいよ。僕は、少し前に軽く朝食をとったんだが、そろそろ昼にもなるし、君に付き合おうか。何が食べたい?」
「あー……っと、だったら、作りましょうか? 私の空腹にお付き合いをしてもらうのですし、前に手料理を……って話もしていたので」
料理の腕にはそれほど自信があるわけでもなかったけれど、私のことを優しく気づかってくれる彼のために、せめても頑張って手料理を作りたいと思った。
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