「それなら、これから二人で買いものに行こうか?」
「ハイ!」と、返事をする。買いものに一緒に行くのは、ちょっとしたデートみたいで、気持ちも高ぶった。
──彼のマンションの近くにある大きめのスーパーに、カートを押して入った。
「何か、リクエストとかありますか?」
野菜の陳列された棚を眺めながら、彼に問いかける。
「いや、君の作るものなら、なんでもいいよ。前にも言ったが、君が作ってくれたものなら、きっとなんでも美味いだろうからな」
「……あっ、ありがとうございます。えっとじゃあ、定番ですけど、カレーはどうですか?」
ちょうどごついサイズ感のじゃがいもが目に入って、彼にそう提案をした。
「カレーか、いいね」
「それじゃあ、カレーにしますね」と、じゃがいもの袋を手に取った。
「後は、にんじんと、玉ねぎと……」
「玉ねぎは、ここに」と、私に手渡してくれながら、「ずいぶんと、でかい玉ねぎだな」ゴロッとした大ぶりの玉ねぎに、彼が呟く。
……そんなちょっとした会話も微笑ましくて、なんだかささやかな幸せにひたれるようだった。
カレーの材料をカートに入れ、最後にカレールーを選んで、スーパーを出た。お会計は、「食べさせてもらうんだから、僕が払うよ」と、彼が出してくれていた。
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カレー🍛🩷