橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
桃side
橙と出会って数ヶ月が経つ。
寒さもあまり感じられなくなり、春の暖かい空気が心地よい。
妖怪は未だに襲ってくることが多々あるが、橙がすぐにやっつけてくれるから問題ない。それに俺だって手伝ってるしな。
青「じゃーねー」
桃「ん、」
今日は学校が午前中だけなので折角だから桜並木でも見に行こうかと違う道を歩く。
橙「桜やぁ……」
桃「綺麗だな」
橙と他愛もない話をしていると誰かに手を引っ張られた。
桃「わっ…!!」
橙「桃?!」
桃「…ん?」
振り向くと7歳ぐらいの男の子が俺の目をじっと見つめながら手を掴んでいた。
靴は片方しか履いてなく、そして手が冷たかった。
桃「どうしたの?」
男の子「僕と遊んで!!!」
桃「え、?」
男の子「遊んで!遊んで!!」
桃「どうして俺がいいの?」
男の子「だって…お兄ちゃんしか見えてないじゃん!!」
それって……
橙「桃、この子妖怪や。」
桃「やっぱり…?でも悪い子じゃなさそうだけど…」
男の子「僕悪い子じゃないよ!!約束とか破ったことないもん!!」
桃「そっかそっか、どうしよう橙……」
橙「桃はどうしたい?」
桃「俺は………」
チラッと男の子の方を向くと悲しそうな顔をしていた。
きっと妖怪になって誰にも相手にされずに一人ぼっちだったんだろうな…
桃「………ねぇ、俺で良かったら遊んであげるよ」
男の子「ほんとう?!?!」
桃「うん!いいよね、橙?」
橙「ええよ」
橙もにこっと微笑んだ。
桃「君、名前は?」
春斗「僕は春斗!!」
桃「春斗くんか〜俺は桃。こっちは橙。よろしくね!」
春斗「よろしくね!!桃お兄ちゃん!橙お兄ちゃん!!」
お兄ちゃんか…一人っ子の俺からしたら結構新鮮だな…
桃「何して遊ぶの?」
春斗「うんっと…おにごっこ!!!」
春斗くんに誘われてやってきた森の奥深く。少し開けた場所に出る。春斗くんいわく、内緒の秘密基地らしい。
春斗「最初に僕が逃げるから、橙お兄ちゃん鬼ね!」
橙「え〜なんで俺なん〜!!」
桃「文句とか、大人げないぞ橙〜!!」
橙「…分かった。捕まえてやる〜!!」
春斗「あははっ!!!!」
だるまさんがころんだ、缶蹴り、キャチボール。
沢山遊んでそろそろ夕日が西に傾く時間になった。
春斗「次は〜…」
桃「春斗くん、次の遊びで最後にしよっか」
春斗「え〜……」
橙「桃は家に帰らなきゃいけないからな」
春斗「………、分かった!!!じゃあ最後にかくれんぼしよう!!」
桃「いいよ」
春斗「僕が隠れるから2人で僕を見つけてね!!」
そう言って草木の中に入っていった春斗くん。
俺と橙は顔を見合わせてふふっと笑った。
桃「やっぱり小さい子は可愛いな」
橙「俺的には一緒に遊んでた桃の方がかわええけどな」
桃「///ばーか。探しに行くぞ」
桃「確か…こっちら辺に行ったと思うんだけど」
橙「全然見つからへんな………」
さっきから探しているのだが全く見つからない。
どうしよう……もう少しで日が沈んでしまう。
橙「………!桃、あれ…」
桃「!!!」
そこには片方の靴が落ちていた。
春斗くんが履いていた靴だ。しかしとても年季が入っていて、破れているところもある。
そして……
目の前には小さな小屋。ボロボロで人が住んでいる様子ではない。
桃「…行く?」
橙「まぁ…見てみるか」
ギシギシと鳴る床を歩く。意外と怖がりな俺は無意識に橙の背中に隠れながら歩く。
桃「春斗くーん……」
橙「いるかー?」
真っ暗でやはり誰もいなそうだ。
橙「……帰ったんちゃう?」
桃「…どうだろう」
橙「桃も帰らないと、母さん心配するで?」
桃「そうだよな……また明日来て春斗くん見つけたら謝ろう」
橙「うん」
振り返って戻ろうとした瞬間
ガタッッ………
桃「…へ?」
そこには……
白骨化した死体が落ちていた。
桃「ッうわぁぁぁぁ!!!!」
橙「、…見んな。」
橙に抱き着く。
怖い。怖い。怖い。
橙「ッ取り敢えず、出よう。」
橙に手を引っ張られ走ろうとするが怖くて上手く足が動かない。
桃「どっどうしよう…!!ポロポロッ」
橙「大丈夫。」
橙に抱き上げられ、猛スピードで掛けていく。
俺は怖すぎて橙の胸に顔を埋めていた。
家につくと母が心配していたのだが、変に思われないように心配ないと告げた。
腹痛を理由にご飯は食べずに自室へ向かう。
橙「桃、今日のところはひとまず寝て、明日朝一番に警察に行こう。」
桃「…、俺、寝れない……」
橙「…怖い?」
桃「……………うん…」
橙「……なぁ桃?」
橙はそっと包むように俺を抱きしめる。
橙「…今日だけ、一緒に寝よう…?大丈夫、何があっても絶対に守るから。」
桃「…うん、」
今日だけは…橙の温もりに触れていたかった。
?「………で」
桃「…?」
?「な、…で」
桃「誰?」
?「なんで見つけてくれないの?!?!」
桃「は、ると…くん?」
違う。春斗くんじゃない。
ぐちゃぐちゃになった青紫の顔をした化け物が迫ってくる。
桃「やだっ…ッやだ…!!」
?「…、!!」
桃「たす…けて、…」
?「…も!!」
橙「桃!!!」
桃「ハッ!!…はぁはぁッ…」
橙「大丈夫か…?」
桃「はるッ…、とくん…」
橙「…行こう。」
警察に向かい、昨日の死体について話す。
春斗くんのことは話しても通じないから適当な理由をつけて、警察に捜査を依頼した。
警察も白骨化の死体を発見したらしい。
あとから聞いた話だがあの白骨化した死体は70年前に誘拐され、行方不明になった男の子だったらしい。
小屋の前で見つけた靴はその子のものだった。
春斗くんだ。春斗くんは誘拐されてあそこで死んでしまったんだ。成仏できなくて、妖怪になったんだ。
きっと…俺たちに見つけてほしかったんだろう。
俺が17歳になるまで、俺が生まれるまで、誰にも見つけてもらえずにこの世を彷徨っていたのだろう。
そう考えると胸が痛くて仕方がない。
橙「……桃、」
桃「…………」
橙「見つけてあげられたんや。それで良かったんよ。最期に俺たちと遊んで、きっと嬉しかったと思うよ。」
桃「………でも、春斗くんも妖怪だよね…?御札に閉じ込めないとあの世に行けないよね?春斗くん、結局見つかってないよ…」
橙「害のない妖怪は、何かしらの理由があってこの世を彷徨っている場合がほとんどなんや。死にきれなくて魂が形となり、妖怪になるんよ。理由さえ解決すれば自然に成仏する。」
桃「…ということは…春斗くんは、自分を見つけてほしかったからこの世を彷徨っていた…ってこと、?」
橙「………多分、そうやろうな…」
桃「じゃあ、春斗くんは成仏できたのかな…?」
橙「うん。出来たはず。」
桃「…そっか。」
桜並木道を歩く。春斗くんと出会った所。
今まで妖怪は自分にとって敵だと思い嫌ってしまっていたが、春斗くんと出会って恐ろしい奴らだけではないということが分かった。
無邪気に過ごしている妖怪もいれば、人の役に立とうとする妖怪もいる。
春斗くん。春斗くんのおかげで気づいたよ。
空の上で、お母さんとお父さんとお友達と沢山遊んでね。
橙「桃!置いていくで〜!」
桃「…待って!!!」
「ありがとう」
耳元でそう聞こえた。
桃「ッ!!!!」
橙「桃?何かあった?」
桃「………ううん、なんでもないっ!!」
春斗くんが生きられなかった分、俺が生きてみせるよ。妖怪たちに沢山襲われると思う。
でも、俺には橙がいる。一緒にいれば無敵なんだ。
橙「なんや、いい事あったん?」
桃「ふふっw橙と一緒にいる事がいい事だよ」
橙「ッ///」
?「………見つけた」
どうも!てんです!!
橙桃放送中に失礼します!!いや〜流石の尊さですね…桃ちゃん、女声めっちゃ上手くないですか?!可愛すぎますよね!!!
今回は少し感動系も入れてみました。妖怪のみんながみんな怖い奴らだけでは無いよということを伝えておきたかったんです!!
さて、最後の人は一体誰なのでしょうか…次回をお楽しみに✨
いじょー!!!
ベリーベリーグッバイ☆
コメント
18件
うわぁ…神やん 物語全てがね、、神じゃないすか? 何でこんなに神的な物語が浮かぶんすか?いや、、神
さいこぉぉ!!!!!!! はると!良かったな!あのさとジェルと遊べたんだから!、、、、遊びたい…… 続き楽しみ!((o(^∇^)o))