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2〜3分ほどして、足音が近づいてきた。
ひろが振り返ると、恒がペットボトルを持ったまま外に出てきていた。
「……あの、さっきの……」
恒は、まだ少し顔が赤い。
でも、目はちゃんとひろを見ていた。
「俺、そんなに子供っぽかった?」
ひろは、少しだけ考えてから答える。
「うん。でも、悪い意味じゃない。
守りたくなるって、そういうことなんだなって思った。」
恒は、ペットボトルを持ち直して、目を伏せる。
「……俺、ひろにそう言ったことあるよね。
“隣にいると、守りたいって思っちゃう”って。」
「うん。覚えてる。
今、ちょっとだけわかった気がする。」
恒は、何も言わずにうなずいた。
その動きは、少しだけ照れくさそうだった——というより、限界が近かった。
「こどもって……そんな……俺、別に……」
恒の声がどんどん小さくなる。
耳まで真っ赤。
ペットボトルを抱えたまま、完全に目を泳がせている。
ひろは、思わず声を上げた。
「照れすぎだろ!!」
恒はびくっとして、ペットボトルを抱きしめるように持ち直す。
「そんなに照れられると、こっちまで照れてくるんよ!
どこでそんな反応覚えたの!?」
恒は、顔を隠すようにうつむいたまま、もぞもぞと答える。
「……だって、ひろが急に“守りたい”とか言うから……」
「いや、そっちが先に言ったやつだからな!?
自分で言ったことに照れてどうすんの!」
恒は、さらに顔を伏せて、ペットボトルのストローをちゅっと吸った。
その音が、なんだか妙に間抜けで、ひろはもう一度ため息をついた。
「……ほんと、ギャップ強すぎるんよ……」
恒は、何も言わずに隣に立った。
顔はまだ赤いけど、少しだけ笑っていた。
ひろは、空を見上げながら、静かに思った。
——この人、ずるい。
でも、まあ……悪くない。