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なの

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unknown
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白黒猫

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「生徒会室、惨敗……いや、保留だな。次はあいつだ」
そう決めたはいいものの、大森元貴という男はとにかく頑固だった。教室の片端、窓の際の席。ヘッドホンを深く被り、ノートにひたすら何かを書き殴っているあいつの周りには、「話しかけるな、死ぬぞ」と言わんばかりの鉄壁のオーラが漂っている。
普通ならビビって近づけないところだけど、俺の心にある「火」は、パチパチと音を立てて燻っていた。
(正面突破がダメなら、外壁から埋める。…いや、毎日突撃して、あいつの日常のノイズになってやる!)
俺の、地道でくだらない、けれど大真面目な作戦が始まった。
[作戦一日目]
放課後。クラスメイトが次々と帰宅する中、あいつは相変わらず机に向かっていた。
俺はあいつの席の真ん前に歩み寄り、椅子の背もたれを逆にしてドカッと座った。そして、あいつのノートのすぐ横、机の端っこに思いっきり顎を乗せた。
下から覗き込むような形で、あいつの顔を見る。
「……ねー、大森。俺、自分で言うのもなんだけど、結構いいギター弾くんだけどなー」
ピクッと、あいつのシャーペンを持つ手が止まった。ゆっくりとヘッドホンが片耳だけ外される。冷ややかな視線が、俺の頭頂部に突き刺さった。
「…何、君。邪魔、どいて」
「どかない。俺のギター、一回聞けば分かるって。まじで魂震えるから」
「興味ない。僕、一人で完結してるから。…あと、距離感おかしい。顔が近い」
あいつはそう吐き捨てると、またヘッドホンを耳に押し当てた。
よし、まずは一言喋らせた。掴みはオッケーだ。
【作戦4日目】
作戦開始から4日目。俺はもはや、あいつの机の一部になりつつあった。
今日も放課後、あいつの机にべったりと顔を横向きに乗せる。冷たい木の感触が、俺の頬に伝わる。
「なー、大森。俺、昨日新しいエフェクター買ってさ。歪みが最高なんだよ。お前のあの尖った曲に、絶対合うと思うんだよなー。ねー、聞いてる一?」
「……」
あいつは無視を決め込んでいる。でも、あいつの手元を見ると、ノートに書くスピードが明らかに落ちていた。
「俺、カッティングも得意なんだぜ?チャカチャカチャンってさ、お前の曲のテンポなら、こう、バチッとハマるじゃん?なあ、大森一」
「…..若井くん」
あいつがペンを机に置き、深いため息をついた。
「君、暇なの?毎日毎日、机に顔乗せて同じようなこと言って。僕の机、君のよだれで汚れそうなんだけど」
「汚さねーよ!暇じゃないよ、俺の熱い情熱を伝えてるの!」
「その熱さが迷惑。あと、僕の頭の中で鳴ってる音は、君のチャカチャカした音じゃ再現できない」
「やってみなきゃ分かんねーだろ!」
「やらない。帰って」
少しだけ、言い返す言葉が増えてきた。あいつの鉄壁のバリアに、小さなヒビが入り始めている。
【作戦1週間目】
そして、1週間が経った頃。
もはや俺が放課後にあいつの机に顔を乗せるのは、この教室の風物詩(?)になっていた。
「なー、大森ー。今日も俺、いいギター弾く準備万端なんだけどなー。腕がウズウズして寝られないレベルなんだわー」
いつものように机に頬を押し当ててブツブツ言っていると、あいつはヘッドホンを外すことすらなく、ただ面倒くさそうに自分のカバンから一冊のノートを取り出した。
そして、俺の顔の前に、バサッとそれを投げ出したのだ。
「…..うおっ!何これ?」
「うるさい。毎日毎日、犬みたいにキャンキャン吠えられて、こっちの作業が進まない」
元費はツンとそっぽを向きながら、耳の先を少し赤くして呟いた。
「これ、新しく書いた曲。…..君がそんなに「いいギター」を弾くっていうなら、1回だけ、試してあげる。…..ただし、僕のイメージと違ったら即クビだからね」
ノートを開くと、そこには殴り書きされた、でも美しく整ったコードとメロディの羅列があった。
「…..大森!お前…..!」
「勘違いしないで。君のよだれから机を守るためだから。ほら、行くよ。旧校舎の音楽室。鍵、開いてるしょ」
あいつはガタッと椅子を引いて立ち上がり、先に教室を出て行ってしまった。
「よっしゃあああ!!」
俺はノートを抱きしめ、跳び上がるようにあいつの背中を追いかけた。
泥臭くてくだらない作戦だったけど、俺の「火」は、ついにあの天才の「孤独」に届いたんだ。
「待てよ、大森!俺の最高の音、聴かせてやるからな!」
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コメント
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もう第6話、読んだ読んだ!!😭💕💕 若井くんの机に顎乗せ作戦、馬鹿で真っ直ぐで最高じゃん……!「よだれから机を守るため」って言い訳しながらノート差し出す大森くん、耳の先赤くしてるとこ完全にデレの兆しじゃん!!😇🎸✨ 泥臭く積み重ねた1週間が実った瞬間、こっちまで「よっしゃああ!!」って叫びたくなったよ!!早く2人のセッション聴きたい、待ってるね🍏💕!!