テラーノベル
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nmmn注意
🦊👓️🦊
左右非固定相手固定
ご本人さまには関係ございません
捏造注意
まえがき
表紙描いてみましたーーってはなし
画力のなさ故にふたり書くことができなかったんですけど、この🦊さんはわりと気に入っています
あ!あと、🦊さんの少女レイ歌ってみたすっごくよかったですよね
ぼっち人間でここにお友達がいないので、大体のひとが読まずにスクロールするであろう場所に言っても虚しい独り言になるだけなんですけど、話したかったことを話せてわたしは満足です。
本編どうぞ
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初恋はかみさま
木枯らしの中、誰も知らないような入り組んだ場所の長い石階段を上る。ここに来るのは、もう両手で数えられなくなったくらいだろうか。初めて会った時は秋──11月頃で、今が1月1日だから……ここには、1週間に1回ほどのペースで通っている。何度見ても立派な桜の木々は、どぬちゃん曰く春が一番美しく見えるらしい。
「あ! 明けましておめでとう、もふくん」
「どぬちゃんあけおめ~」
赤い鳥居をくぐり抜けて境内へ入るや否や、今までどこにいたのかどぬちゃんが急にあらわれた。神様である彼は、消えたり現れたりができるらしい。初めは驚いたものだけれど、10回近くともなると慣れてきた。暖を取ろうと持ってきたカイロをどぬちゃんに渡しながら、ふと思ったことを呟く。
「年明けなのに、人全然いないね」
「うーん、俺の神社はあんまり民衆に知られてないからなあ」
寂しいけど仕方ないね、と笑うどぬちゃんが、少し遠い存在に感じられて、俺はそっと手を握った。どぬちゃんがもふくん?と、不思議そうに俺の方を見る。
「寂しそうにしてたから。嫌だった?」
「ううん、そんなことない! 嬉しいよ」
嫌だと言えないことなどお見通しで、わざとそう聞いてみれば、どぬちゃんは思った通りの反応を返してくれた。手を握りながらそのままベンチへと歩いていく。
「そういえばどぬちゃんって、俺が来るまでなにしてるの?」
ベンチに腰掛けて、手土産のあたたかいコーンポタージュの缶を開けて手渡してから、聞く。どぬちゃんはありがとう、と缶に少し口をつけて、こう答えた。
「んー、色々? この町の人たちのこと、見守ったりとか。神社の掃除とか。あ、この前の大掃除は大変だったけど楽しかったよね! 一人でやると丸3日かかるんだもん、あれ」
俺の知らないどぬちゃんの話を聞きたくて聞いたのに、一番出てくるのは俺との話ばかり。可愛くて、思わず笑ってしまう。でも。
「俺、どぬちゃんと大掃除なんてしてないよ?」
「えっ」
ルビーとサファイアの瞳が、大きく見開かれる。綺麗だな、とのんびり見つめている俺とは対称的に、どぬちゃんは焦り始めた。
「う、嘘!? 昔の話を勘違いしてたのかなあ……ごめん!」
「いいよ、気にしてないし」
しきりに何度も謝ってくるどぬちゃんをなだめながら、俺はぼんやり考える。最近、どぬちゃんはこういうことが多い。一緒にお花見しただとか、寝泊まりをしただとか。俺がしていないことを、したという。でも、どぬちゃんが語る俺は、別人とは思えないほどに俺らしい。ああ、俺ならそうするだろうな、ということをしているのだ。どぬちゃん曰く、『昔、もふくんと似た人と仲が良かった』のだとか。
……何とははっきり言えないが、なんだかすごくもやもやする。羨み、妬み、そういう類いに近い分類の、何か。
一通りなだめたあと、どぬちゃんの頭を撫でる。最近、俺の知らない俺の記憶を語ることが多くなったと同時に、スキンシップも多くなった。
視界に映るのは、桜とお互いだけ。そういえば、神社を案内してもらった時、どぬちゃんがこの桜の木を指差して、これは恋愛成就の木なんだとか──。恋愛成就。もしかして。
「……恋?」
「え? なにか言った?」
「あ、いや、なんでもない」
口に出てしまっていたらしい。慌てて止まっていた手を動かす。まさかな、と思った。でも、それが妙にしっくり来てしまって、どうしようもない。
いつから、だのどうして、だの黙って考えていると、どぬちゃんが少し不満そうな顔をした。……こういう時の彼の内心はおおよそこうだ。
“考え事ばかりしてないで、俺に構ってほしい!”
そうであれば、と咄嗟になにか話題をと考えたものの、こんなことしか思いつかなかった。
「どぬちゃんってさ、好きな人っているの?」
「俺? 俺はねー……神様だし、人間はみんな好きだけど……もふくんかな!」
「……そっか」
そうすぐに言い切るどぬちゃんの頭に乗せた俺の手が彼の頭から離れていく。感情は動揺していても、やけに冷静な理性はこれは俺と同じ好きじゃない、と判断していた。体温が下がっていく感覚がするのは、この寒さのせいか、それとも他の何かのせいか。
まあでも……よくよく考えてみれば、当たり前である。彼は神様なのだ。好いてもらうことはおろか、こちらが恋焦がれていることさえも、おこがましいのかもしれない。どぬちゃんが人間なら、俺も諦められなかったのだろうけれど。
俺の初恋は、神様だったらしいから。
ーー
もふくんが帰って、俺はまたこのただっ広い神社に一人になる。この時間は、あんまり好きじゃない。寂しさが、はち切れそうになるから。もふくんがくれた、冷めきったカイロをぎゅ、と握りしめる。
「もふくん、大丈夫かな……」
今日のもふくんは、なんだか変だった。いつからだっけ。えっと、桜の木でコーンポタージュを飲んでから、だったかな。ううん、もう少しあと……そう、好きなひとの話をしてから。なにを聞いてもなにを話しても上の空で。
「もふくんのこと、好きって言ったのがダメだったのかな。俺本気だったんだけどなあ」
引かれた? ううん、もふくんはそんな人じゃない。それなら……もしかしたら今のもふくんには、俺じゃない別の好きな人がいたのかもしれない。でも、でも、それじゃあ、もふくんは。……あーもう! 俺は縁結びの神様じゃないから、今のもふくんの恋についてはどうにもできない。それがものすごく、もどかしい。
もし……もし、もふくんが本当に他の人のことが好きなら、俺は諦めるべきなんだとおもう。人々の幸せを願って働くのが神様としての俺の仕事だから。でも、でも、神様じゃない、人間だった俺は、もふくんは違う、諦められないって言ってる。そう言い切れちゃうくらい、もうとっくの昔から特別だから。
「だから、こんなまじないをかけたんだよ」
桜の木の前で、ぽつりと、呟く。俺にとっての、恋愛成就の木。もふくんにとっては……どうかな。もふくん、自分の幸せばかりを優先してしまう神様でごめんなさい。でも。
君の初恋は、俺がいい。
ーー
三話に続く
狐拍梨杏.
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る ぇ の .
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コメント
5件
絵めっちゃ上手ですね!尊敬…めっちゃ面白かったです!
うわあ、めっちゃ切ない…! お互い「好き」なのに、もふくんが「神様だから」って一歩引いちゃうとことか、どぬちゃんが「人間だった俺は違うって言ってる」って過去の自分を信じてるのが胸に来る。あと「君の初恋は俺がいい」ってまじない、ずるいよ…尊すぎる。続き気になる!