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狐拍梨杏.
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nmmn注意
🦊👓️🦊
左右非固定相手固定
ご本人さまには関係ございません
捏造注意
今回🍫さん出てきます
まえがき
こんにちは、AIのコメントを表示させなくする方法と、チャットノベルの方が伸びるんだということを最近知ったゆなゆたです。おもっている以上にたくさんの反応もらえて、とってもうれしいです。いつか別かぷとか別のシリーズものとか書いてみたい。リクエスト待ってます。そういえば、桜ってフランスだと私を忘れないでっていう花言葉になるらしいですね。この小説っぽい。花言葉結構好きでよく調べるんですけど、国によって意味が違ったりして、いつもへえってなります。みなさんも調べてみてはいかがでしょうか。ハルジオンとか結構いいですよ。
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甘い甘いちょこれえと
「……く……! も……くん!」
声が聞こえる。聞き慣れた声だった。聞き慣れていて、そして同時に、愛おしいもの。緩慢な動きでまぶたを持ち上げる。声もはっきり聞こえてきた。
「もふくん!」
そうしてまず目に入ったのは、赤と青と、そして白。整っていて美麗で、中性的な顔は、どぬちゃんの顔だ。少しぼやけているのは、眼鏡をかけていないからだろう。見つめていると、自然と口角が上がってくる。きっと今は、とてもだらしない顔をしているんだろうな。いつもより少し濃い虹桃神社の桜の香りと、心地よい暖かさに、また目を閉じてしまいそうになる。
……ん? 違和感を感じる。今俺は寝転んでいて、どぬちゃんの顔が目の前にある。桜の香りはどぬちゃんが近いと強く香るからまあわかるとして、ただ覗き込んでいるだけなら、こんなに温もりを感じるだろうか。今は二月。まだ寒さが勝つ季節だ。俺の考えが間違っていなければ、これは……。
「膝枕……?」
「あっ、起きた? おはようもふくん!」
何を言ったかはわからなくても、何かを言ったのはわかったらしい。おはようと言われたので、おはようと返す。膝枕したら急に寝るからびっくりしちゃった、とどぬちゃんは笑った。もちろん、どぬちゃんに膝枕を頼んだ記憶はない。
「……なんで俺はどぬちゃんに膝枕してもらってるの?」
思ったことをそのまま、考えなしにそう聞けば、答えはすぐ返ってくる。
「え? もふくんが頼んだんだよ」
「頼まれたからってやるの?」
「そりゃ誰にでもじゃないよ? もふくんが俺の特別で、恋人だから」
……まじか。頬がじわじわと熱くなるのがわかる。可愛い、と指でつつかれて、余計に羞恥心が高まる。早まる心臓の音を聞きながら、どうにか冷静になろうと頭を回し、わかったことを整理する。
一つ、これは夢だということ。
二つ、俺はどぬちゃんの特別だということ。
三つ、俺はどぬちゃんの恋人だということ。
くらいかな。なんだか、願ったり叶ったりというか。色々と俺に都合が良すぎる。夢見の神様がどこにいるのかは知らないが、まずはありがとう。俺はあなた様に感謝いたします。夢でなければもっと良かったけれど。夢見の神様に正夢になることを祈るしかない。
それはそうと、少し気になることがある。
「ねえどぬちゃん、わざわざ俺を起こしたってことは、何かあったの?」
同意の上で膝枕をしていたのなら、そして恋人なら、わざわざ起こす必要もないだろう。不思議に思って聞いてみると、彼は頬を赤く染めて恥ずかしそうにしたあと、目を逸らしながら、小さな声でこう告げた。
「もふくんが寝ちゃって、寂しかっただけ」
「……」
わー言っちゃった! とあわあわするどぬちゃん。一方の俺はにやける顔を抑えるのに必死だった。これほど可愛い神様がいてたまるだろうか。可愛いねと笑って言うと、神様は左右で色が違う目をまあるくさせたあと、顔を耳まで赤くした。
神社には、甘い桜の香りと甘い雰囲気が漂っている。
ーー
窓から、陽射しが強く照っている。今はお昼時。甘いスイーツが売りらしいこのカフェが、これから少しずつ忙しくなってくる時間帯だ。
今朝は、夢を見た。好きな人の夢を。いい夢だった。覚めてしまったことを後悔するくらいには。いくらなんでも、恋に振り回されすぎだろ、と思う。でも、なぜか彼のことが頭から離れてくれない。夢の中で俺の名前を呼ぶ彼は、今よりいくらか無邪気で、幼く感じた。
初めて恋を自覚してから、早一ヶ月。諦めようとすればするほど、ああいう夢を見てしまう。いつか現実と夢の区別がつなかくなりそうで怖い。現実で神様を恋人扱いとか、不敬にも程があるだろ。
それはそうと、今はバイトの時間だ。俺が働いているのは、とあるカフェ。給料はそこそこで、人間関係も良好。おまけに家に近いと来た、働くしかない。
でも、どぬちゃんと会うようになってからはこの時間が少々憂鬱だった。今日はそのせいで遊びにいけないから、明日神社に何を持っていくか考えていようかな。そういえば、二月はバレンタインがあるんだったか。チョコを渡したらどぬちゃんはどんな反応をするだろうか……なんて。
油断するとすぐに頭の中がどぬちゃんのことばかりになってしまうのだから、かなりの重症だ。
「はぁ……」
休憩室に入った途端、思わずため息をついてしまう。会えないことが軽いストレスになってしまっていて、もう俺はあの神社で働くしかないんじゃないか、なんて思った。
そういえばこの職場にはお節介……面倒見のいい先輩が多くいる。休憩室でもどこでも、一度ため息をついたら必ず何かいじられるか話をさせられるかするのだ。
しまった……と思った時にはもう遅く、同じく休憩に入っていたらしいバイトリーダーにこう聞かれてしまった。
「ため息なんてついてどうしたの? もふくん」
「……えとさん」
俺の顔を覗き込んで笑った彼女はえとさん。俺のバイト先のバイトリーダーであり、ヤンキーと恐れられている人だ。俺も初対面の時はビビっていた。実際話してみると恐れる必要のない、まあ、基本いい人なんだけど。
「別に、何もないですよ」
「そう?いつも愛想よくニコニコしてるもふくんだから、何かあったのかなーって心配したんだけど」
褒められているのかよくわからないな。言葉の節々にからかうような雰囲気が混じっている。
「……それなら、気を紛らわすために何か話してくださいよ」
俺がそう言って無茶振りをすると、えとさんは一瞬きょとんとしたあと、すぐににこりと笑ってりょーかい!と言った。やっぱり彼女はいい人だと思う。基本。
「んー、じゃあ、最近噂のおまじないの話をしてあげるよ。もふくんは恋のおまじないってどんなのを知ってる?」
「あー……消しゴムのケースで隠れる部分に好きな人の名前を書く、とか?」
「うん、パッと思いつくのはそういう可愛らしい、迷信的なものだよね。でもね、このおまじないはちょっと儀式的なものがあるんだ」
……なんだか雲行きが怪しくなってきた。さっきからやたらとにやにやしているえとさんにも、嫌な予感を覚える。やっぱり話はあとで……と言おうとすると、話せって言ったのはそっちじゃん!と言われた。それはそうなんだけど、でも……あー。ごめんなさい、ごめんなさい。素直に話を聞きます。とんでもなく不機嫌そうな顔で睨まれては、たまったものじゃない。
「このおまじないはね、その人の身体の一部を、木の下に埋めるの。そうすればその人と自分は固い絆で結ばれるんだって!」
「へえ……身体の一部って、髪の毛とかですか?」
「なんでもいいみたいだよ。多ければ多いほど効果アリ! 本当かどうかはわからないけどねー」
なるほどなるほど、と相づちを打つ。一通りそのおまじないについて話したあと、じゃ、私はお先に戻るから!と休憩室を出ていったえとさんを見送って、俺は一人、またため息をついた。なんというか、騒がしい人だ。それにしても、
「おまじない、か」
それをかければ、彼は振り向いてくれるだろうか。俺のことが一番だと、言ってくれるだろうか。
「……いや、無理だな」
相手は神様だ。あちらがおまじないをかけるならまだしも、こちらからは無理だろう。自問自答。苦笑いをして、休憩室のドアへと向かう。そろそろ休憩も終わりだ。ここでだらだらとサボっていては、えとさんに何を言われるかもわからない。ドアを開け、俺はバイトへと戻った。
お客さんが何か頼んだのだろうか、店内に甘い甘いチョコレートの香りが漂ってきた。
ーー
四話へと続く