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梅宮一(WINDBREAKER)

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梅宮一(WINDBREAKER)

2 - 第二章

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2025年06月25日

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第二章 放課後の雨

午後五時。

空は昼間の晴れ間が嘘だったかのように、灰色の雲で覆われていた。

校舎の窓に、ぽつりぽつりと雨粒が打ちつけられ、やがて百それは本降りになった。

梅宮一は、校門の前で立ち尽くしていた。

制服のポケットを探るが、傘はない。朝の晴れ間に油断して、家に置いてきてしまったのだ。

「うわ、やっべ……」

周囲の生徒たちは、傘を広げて次々と帰っていく。

一人、また一人と人が減っていき、校門の前には一だけが残された。

雨は容赦なく振り続ける。

一は、仕方なく校舎の軒下に戻ろうとしたそのとき………

「……」

目の前に、一本の傘が差し出された。

黒くて、少しだけ縁が擦り切れている傘。見覚えがある。

見上げると、そこには百合がいた。

制服の袖が少し濡れていて、髪も雨に触れてしっとりしている。

「……風邪、ひく」

それだけ言って、傘を一に押し付けるようにすると、百合は自分の制服の上着を頭にかぶって、雨の中を走り去った。

「え、ちょ、姉ちゃん!? 傘は!? って、俺のために……」

一は、傘を握りしめたまま、しばらくその場に立ち尽くしていた。

雨音の中に、心臓の音が混じる。

彼女の背中は、すぐに人混みに紛れて見えなくなった。

でも、一の胸の中には、彼女の言葉と行動が、しっかりと残っていた。

「姉ちゃん、やっぱ優しいな……」

傘を広げると、雨粒が弾かれて、静かな空間が生まれた。

その中で、一はそっと笑った。

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