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前からくくさんの小説読ませてもらってたんですけど毎回言葉選びが素敵すぎて…💤😭💥 まぢでryoちゃん受けでしか得られない栄養有りますよね👊⚡️⚡️ くくさんの小説にはよくお世話になってます‼️😚💝 Web版で見てるので👍10回しか押せなくて申し訳ない…😭 いつかアプリ入れたら1000は押しますぜったい‼️‼️
omr side
寝返りをうち、布が擦れる音で違和感を覚える。ふと上にかかっているものを掴んでみて、それが自分の布団だということに気がつく。
─ 布団…?なんで、?僕はソファに…
疑問に思って薄く目を開ける。
白いシーツに白い布団、お気に入りの枕にベッドの横に置かれた棚の上には見慣れた時計、隙間から白い光をちらちらと見せるカーテン。
僕の寝室だ。
上半身を起こして考える。
無意識のうちに寝室に移動したのだろうか。
それとも…もしかして、死んだ…?
寝起きで回らない頭で適当に考えていると寝室の扉が勝手に開いた。
驚いて扉の方を向く。
そこに居たのは右手に水の入ったグラスを持った涼ちゃんだった。
白いパーカーに少しくすみのある白のデニムのカーゴパンツの彼。柔らかな茶色の髪を後ろで雑にまとめて、「わっ」と口から驚きを零してそこに立っていた。驚きたいのはこっちだと言うのに。
1秒経てば彼はすぐにふわっと微笑んで
fjsw「起きてたの〜?」
そう言いながら僕の方に歩み寄った。
棚の上にグラスを置いて、カーテンを開ける。
窓から差し込む光が眩しくてぎゅっと目を瞑り、馴染んできてまた開けた頃には涼ちゃんはカーテンを開け終えてこちらに向き直していた。
寝起きなのもあるだろうが、窓からの光で後光が差してるようになった彼の姿は少しぼやけていて、顔も少し陰っていた。
会いたいって思ったから…?
タイミングよすぎない??
ていうかなんでそんな当たり前のようにいるの???
頭の中が絡まりに絡まって口から出た言葉はこれだった。
「お化け…??」
彼は驚いた表情を浮かべ、すぐに頬を緩ませ笑う。
fjsw「ははっ、勝手に殺さないでよねー!」
ふざけ混じりに言いながら可愛らしく口を尖らせる。その後ふと目を伏せて、「僕からしたら今の元貴の方がお化けみたいな顔色だよ」と苦し交じりに言う彼の表情は酷く引き攣っていた。
「どっか痛いとことかある?」
そう言って僕の頭の寝癖を手ぐしで解いてくれる。涼ちゃんに触れられてるのがなんだか気持ちよくて、また目を伏せて「ううん」と軽く首を振る。
fjsw「…良かった。ご飯とかも出来れば食べて欲しいんだけど、なんなら食べれる?」
「うーーん…涼ちゃんが作ったやつ、」
fjsw「えっ、元貴この前僕の料理しょっぱいって言ってたじゃん…」
「んー、ミネラルじゃない?」
「そうなのかぁ??」とちゃんと悩んで首を捻る涼ちゃんを見てふと頬が綻び「ふふっ」と笑ってしまう。彼は僕の笑いを見て心底安心したように優しく笑って
fjsw「換気しよっか、」
と言って僕の髪から手を離し後ろを向いて窓を開けた。風が吹き込み心地良さに目を薄める。涼ちゃんの前髪と服が風に靡いてふわりと揺れるのが見えた。その時間がとても長く感じる。
涼ちゃんが外の空気を深く吸って吐いたその瞬間に、彼がなんだかそのまま飛んでいってしまいそうな気がした。
そんなわけないのに、何故か直感的に遠のいてしまいそうな感じがした。
心臓辺りが無性にチクチクと痛み始める。
目尻が熱くなって息が込上げる。
視界が潤んで彼がぼやけ、見えなくなっていくのにまた痛みを感じる。
大粒の涙が無数に頬を伝りぽたぽたと音を立ててシーツを濡らした。
背中しか見えない彼は今どんな表情なのだろう。彼は今何を考えているのだろう。
「う、ぁ…」
えずきのような声しか出ない。
彼を掴みたくて、彼に触れたくて、ひたすらに手を伸ばす。体をずらしてバランスを崩して床に落ちた。
痛い。
「えっ?びっくりしたぁ、どうしたのよ…」
彼は「危ないなぁ」と言いながら僕の脇に手を通して抱え、ベッドの上に戻す。彼が手を離しても、僕は離さなかった。
涼ちゃんの背中に腕を出来る限り回して、離さまいと彼の服を掴む。強く抱き寄せすぎて彼もベッドに倒れ、結局2人してベッドに寝転がる形になった。涼ちゃんは「おわっ」と声を上げていたが、それでも離さず彼の肩に顔を埋める。
涙は止まらずきっと彼の服も濡らしているだろう。ぐすっと何度も鼻をすするほどの号泣だ。
彼も慰めるように片手では頭を撫で、片手では背中をさすってくれている。
fjsw「…大丈夫だよ、大丈夫。僕はここにいるよ、」
大丈夫、大丈夫と繰り返される優しい声に身体の芯が温まる。
十数分が経った頃には、僕が何も言わずとも続けてくれるその行動に心が安らいで落ち着いてきていた。涼ちゃんの「どう?落ち着いた?」という言葉に静かに頷くと、彼は体を起こした。
fjsw「じゃあご飯食べよ!なんだかんだ僕もご飯食べてなくて腹ぺこなんだ…」
と少し恥ずかしそうに笑って自分のお腹に手を置く。ベッドから立ち上がる彼に続いて体を引きずってベッドの縁に腰掛ける。
目の前の彼は僕に両手を伸ばして
fjsw「抱っこしようか!」
と満面の笑みで言った。
その言葉に不信感を抱く。
「…持てるの?俺が筋肉よくつく体質なの知ってるでしょ?」
涼ちゃんはその言葉に目を瞑ってあからさまに顔を顰め、黙って僕の手を取った。その手に引かれてリビングに移動する。
驚いたことにリビングが片付いていた。
部屋の隅に大きなゴミ袋が1つ、窓も全開けで空気も流れていた。
片付けが苦手な彼がここまで出来ることに驚きと関心をして周りを見渡す僕に気づいた涼ちゃんは、少し不貞腐れたように「袋に物入れるくらいは出来るし」と呟いた。
そんな彼の様子に口角が綻ぶ。
「ていうか、なんで居るの?」
僕はそう言いながらキッチンに面したカウンターの席に座る。涼ちゃんはキッチンの方に入っていった。
fjsw「え、だって元貴電話取らないんだもん。」
冷蔵庫を開けて中を確認しながら涼ちゃんが言う。
「あー…」
もしかしてあのコール音…?もしかしなくともそうか。
fjsw「なんか心配だったし…。それに、最近元貴とあんま話せてなかったし、別行動多いじゃん?」
「いつもなら元貴から遊ぼって誘ってくれるのにさーー」と口を尖らせて冷蔵庫からものを出してくる涼ちゃんの その言葉にぎくりとする。
「忙しいかなって思って…」
僕は苦し紛れに俯きながら言うと、涼ちゃんは可笑しそうに軽く笑って、こう言った。
「僕は元貴のバンドのメンバーだよ?元貴最優先に決まってんじゃん」
当たり前かのように言うその言葉がいかに僕を暖めたか。
正さなきゃいけないであろう社会的にはダメすぎる彼の言葉に強く安心し、そんな彼を狂おしいほど愛おしく感じる僕が居た。
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\2話後記/
元々2話だったのを1話にぎゅっとまとめました!
ちと頭が痛いので多くは語れませんが、これが一旦大森さんが涼ちゃんに依存するようになったきっかけですね。
1回知った味は忘れられないみたいな。
あ、料理の話じゃないですよ??
多分この後2人で仲良くご飯食べたと思うけど。
そういえば全然関係ない戯言なんですけど、最近えほんを聞いて何故か泣きました。
今回もハートやコメントお待ちしております。
そういえば1話1話に1000とかハートついてくれてて飛ぶほど喜んでます…!!本当にありがとうございます、よければこれからもどうぞよろしくお願いします。
ではまた次回🙌🏻💗