テラーノベル
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外へ放り出された時、俺の真上にある太陽の眩しさに目が眩む
「‥‥痛っ」
尻もちを付きながら入り口を見ても、すでにその扉は閉まっていた
とりあえず逃げなければ‥‥
覚束ない足取りで建物から離れる
でも何故かすぐに息が上がり、また胸が苦しくなって来た
今は考えてる暇はない
それなのに‥‥
あのキスは
あの唇は‥‥
なんで?
なんでこんな所で
何してるの?
叶さん‥‥
建物から少し離れると辺りを伺った
ここは多分昔使われていた軍事基地
確か南西にあったと記憶しているが‥‥
もう誰もここに来る事はないだろうから、俺は長い道のりを上らなければならないはず
後ろを振り返ると少し遠くに見える旧軍事基地
誰かが‥‥きっと近頃この街を荒らしている物達がここを占拠していたのか
でもなんでその中に叶さんが居るんだ?
なんで‥‥叶さんが‥‥‥‥
このままじゃまた俺‥‥‥‥
もう歩く事が出来ない
助けて‥‥叶さん‥‥‥‥
「あっ!目が覚めた⁈」
「‥‥‥‥‥‥」
エクスさんの声?
俺‥‥どうしたんだっけ?
「小柳?聞こえてる?」
「エクスさん‥‥‥‥」
「朝から小柳の事見えないってみんなで騒いでたら、叶さんが個人的に使ってる子が小柳の事急に連れて帰って来るし、お前は目覚めないしで大騒ぎだったんだけど」
「あ‥‥俺帰って来れたんですね」
「顔色‥‥まだ悪いな」
「エクスさん、少し二人で話がしたいです」
「いいよ。じゃあ後の人は仕事に戻って」
後ろに控えていた部下達を下がらせると俺は花摘みの話から軍事基地を出るまでの話をエクスさんに話した
「でも叶さんの事だから裏切ったって事は考えにくいんだよなぁ」
「それは俺もそう思います‥‥でも何のために‥‥」
「んー‥‥それこそ聞いてみないとわからないけど、連絡つかないもんな」
「俺スマホ落としたか置いて来たかわからなくて‥‥」
「一応俺から叶さんにメッセージ送ってみるよ」
「すいません。お願いします」
そう言いながら起きあがろうとするとエクスさんに止められた
「まだ寝てないと。白花のせいなのか、そこで与えられた薬のせいなのかハッキリしないし」
「いや、大丈夫です」
「とても大丈夫には見えないよ。どうする?家まで送ろうか?それともここで休む?」
正直もう動きたくなかった
こんなに体が怠く辛いのは初めてだ
病気の怠さとは違う‥‥
「ここで休ませてもらいます」
「じゃあ下の部屋で俺も休むから何かあったら電話‥‥はないから、たまに様子見に来るね」
「そんな‥‥エクスさんも休んで下さい」
「俺のことは心配しないで。この部屋も施錠していくし、今日は全部の通路施錠しておくから大丈夫でしょ」
「エクスさん‥‥俺、叶さんの事取り戻したいです」
「ボスがそう言うならみんなで取り戻しに行ったっていい。俺達は小柳の意思を尊重するよ」
「危険な目に遭うかもしれないけど‥‥」
「そんなの日常茶飯事でしょ?俺達は叶さんの事も小柳の事も信じてるよ」
そう言うとエクスさんが部屋を出た
閉められた扉の向こうから電子音が聞こえ、施錠された
俺も信じてる
みんなの事を
叶さんの事を‥‥
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#その他?
#セラフ・ダズルガーデン
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