テラーノベル
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#3『タバコ』
「 ………、あ、ゴミ出し」
いつもは早めに終わらすのだが、今日は珍しく忘れてしまったらしい
青「そろそろ時間やけど…」
「まぁ、ええか………、」
…
青「めんど…、って、」
「……、ないこ?」
桃「お、やっほ~」
ゴミ出しのため店の前に出ると見慣れたピンク髪の、客が壁に寄りかかりながらタバコを吸っていた
青「……、お客様、せめてもう少し寄ってもらえません?」
確かにタバコを捨てる為のゴミ箱は配置してあるが、流石にそこから2、3mも離れていると困る
桃「もうすぐ吸い終わるし入店しようと思ってたからさw」
そう言いながら、ほとんど焼け落ちたタバコを指でゴミ箱に押し付けながら火を消す
青「いっつもここで吸ってから入ってきてたん?」
桃「いや?いつもは買ったあと 」
「今日はあんま吸えてなかったからさ〜」
「先に吸っとこうと思ってw」
青「へぇ~…」
桃「まろは?休憩?」
青「いや?ゴミ出し」
桃「あぁ~ね、」
「どうせ客なんて俺しか居ないんだしサボれば良いのに」
青「まぁ、仕事やしそれに」
「一応大事なお客様が1人いらっしゃるので」
桃「へぇ~律儀…」
「ど?まろも吸う?」
青「俺は吸わんって言わんかった?」
桃「まぁまぁ♪そう言わずにさ」
そう言うと徐ろにタバコを2本取り出し、そのうちの1本を無理やり口に咥えさせられる
ないこも咥え、火を付け、ライターをしまう…
青「……、俺ライターなんて持ってないんやけど」
桃「え?だって火種があるのにそれ使わないのもったいないじゃん」
青「……馬鹿なのかアホなのか…」
桃「失敬な」
「まぁ、シガーキスやってみたかったんだよね
ぇ〜」
そう言いながら手招きをして来る
青「やっぱりあんたクズやろ…」
手招きに応じ、タバコの先を押し付け息を吸う
ジワジワと咥えているタバコに火が移るを見るのと同時に煙が口内を満たす
桃「違いますー…」
「…つうか、どーてー………、だし?」
青「…、ゲホッゴホッ、はぁ!?」
「マジで!?」
桃「大マジだよ…」
「悪かったな…生まれてこの方まともな恋人すら居ねぇんだよ」
小さい子供のように拗ねる所を見て可愛いなとか思いつつ慣れないタバコを吸う
桃「てか、まろ案外慣れてね?」
青「うちも親父とか周りが吸っとったからな…」
「煙には慣れとるんやろ」
桃「あぁ~…、確かに慣れるわ…w」
そんな他愛もない、どうでもいい事を話す
青「…ほんまになんでこんなのに依存するん?」
桃「んぇ、…ん〜…」
「何かに依存してるのが…、一番楽……だから?」
青「……なんやねんそれ」
なんとなくだがこいつの闇に片足を突っ込んだ気がする
…、だが、生憎俺はそのまま闇を暴こうとする図々しさも善意もない
ここは何も触れないのが得策だろう
青「ま、ニコチンのせいな」
「あぁ゙〜…店長にバレたらないこのせいにしよかな…」
桃「え、それ俺が出禁食らうやつじゃん!?」
青「んひひw」
桃「んひひって…」
「てか、こんぐらい休憩よくない?」
青「さいてー」
「ないこやって寝てないくせに」
桃「え…それ言っちゃう?」
「……それにまぁ…人間基本キーボードしばき倒さないと生きていけないし…」
青「あぁ゙…確かに…」
「在宅勤務でも結構仕事あるよなぁ…」
桃「あ、そっか昼はふつーに仕事か」
青「そ」
桃「へぇ~…」
毎度思うがこいつは本当に寝ているんだろうか
化粧で隠しているらしくてもクマや、顔色が酷いのは丸わかりだしたまにフラフラしている所も見かける
青「…ないこも休めよ」
桃「……ん、」
何も喋ることのない、無言のタバコが焼け落ちるまでの長く短い時間
……、何気にこんな時間が心地良いと思えてしまうのは末期なのか…
#4『それぞれの生活』
NEXT_多分来週
これの書きダメ7話ぐらいまである((
明日も投稿するねーん
コメント
4件
2人の関係性すきすぎるんですけど、 タバコ押しつける桃さんも好きだかわいい
えやばめっちゃ好きです( なんだろ、2人の関係はもちろんだし、なんかこう2人の会話とか......うん、いやとにかくまじ好きです👊🏻❤️🔥 次の投稿も楽しみにしてますっ!!✊🏻 ̖́-