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朝、目を覚ました瞬間、真央は少しだけ驚いた。昨日の夜、決意した通り、今日もまた新たな一歩を踏み出す覚悟を持っていた。だが、今朝、何かが少し違っていると感じたのは、昨夜の自分の心の中の変化が、少しずつ形になり始めているからだろうか。
カーテンを開けると、爽やかな朝の光が部屋に差し込んでいた。窓の外の桜は、昨日よりもさらに花を開き、春の訪れを告げるように鮮やかだった。今の自分がどこに立っているのか、どこへ向かっているのかを考えることが増えてきたが、その答えはまだ見つかっていない。しかし、少なくとも一つだけ確かなことがあった。それは、もう過去のように、目を背けたり逃げたりしないということだ。
学校に着くと、教室の前で美咲が待っていた。「おはよう、真央!今日はなんだか元気そうだね。」いつも通り、明るい美咲の笑顔に、真央はつい微笑んだ。「おはよう、美咲。うん、ちょっと気分がいいんだ。」
教室に入ると、黒板に先生が今日の予定を書き込んでいる。目を向けると、なんと今日の授業では、テストがあるという。普段なら、ちょっとした緊張感を覚えるところだが、真央はまったく焦ることなく席に座り、準備を整えた。28歳の自分が身につけた知識と経験が、今の18歳の自分の体にしっかりと根付いている。これまでとは違う自信が、自然と湧き上がってきた。
テストが配られると、真央はペンを手に取る。普段なら少し緊張して時間を気にしながら解くのが常だったが、今日はそれとは違った。28歳としての自分が知っている情報、経験、そして学びが、18歳の体の中でしっかりと働いているのを感じた。問題を読むたびに、答えが自然と浮かんでくる。目の前に広がる問題が、まるでパズルを解くように簡単に感じられた。
「これは…想像以上だ」と真央は思った。普段の自分なら、テストで一部を苦しんでいるところもあっただろう。しかし、今の自分には、どんな難問もスムーズに解ける感覚があった。覚えていたはずの知識が、まるで昨日学んだかのように鮮明に浮かび、全問に自信を持って答えることができた。
そのままペンを走らせ、時間内にテストを終わらせることができた。試験が終わった後、クラスメイトたちがザワザワと感想を交わす声が聞こえてくる。「今回のテスト、難しかったなあ…」「うん、でも真央、すごく早く終わったね。」ふと振り返ると、クラスメイトたちの目が真央に向けられていた。彼女がテストを終えるのが他の誰よりも早かったことに、少し驚いたような表情を浮かべている。
美咲も「真央、あんなに早く終わったんだ…?」と不思議そうに言った。真央は少し照れくさそうに笑い、「うーん、なんか今日はうまくいったみたい」と軽く答える。心の中では、すでに28歳の知識があることに、少しの誇りを感じていた。しかし、真央はその自信を過信せず、今後もっと気を引き締めていこうと思った。
その日の午後、テストの結果が返される時間がやってきた。真央の目の前に先生がテスト用紙を差し出すと、その内容を見た瞬間、驚きが走った。満点に近い点数が記されている。その点数に、真央は少しだけ目を丸くした。自分でも予想外の結果だった。しかし、心の中で「やっぱり、これが私の今の力なんだ」と静かに納得する。
クラスメイトたちはその結果を見て、真央に対する印象が変わったようだ。「真央、すごいな…」と、何人かが言った。その言葉に、真央は少し照れた顔をしながらも、胸の中で小さな誇りを感じていた。
放課後、美咲と帰る途中、真央はふと思った。これまでの自分なら、こんなに自信を持つことはなかっただろう。けれど、今は違う。28歳としての経験を持っていることが、こうした成果に結びついている。過去をやり直すことで、少しずつ、自分が何を求めているのか、何をできるのかが見えてきた気がする。
「真央、今日は本当にすごかったよ。私もがんばらなきゃ!」美咲の言葉に、真央は微笑んで答える。「ありがとう、美咲。でも、私もまだまだだよ。」
その夜、日記を開きながら、真央は今日の出来事を振り返った。テストの結果だけがすべてではないと、頭ではわかっている。しかし、あの日々の積み重ねが、自分に少しずつ自信を与えていることを実感できた。そして、真央は心の中で決意を新たにした。
「やり直す人生、確かに怖い。でも、それが私の力になるなら、どんな選択も怖くない。」
窓の外で月が静かに輝く中、真央はまた一歩、未来へと踏み出す準備が整ったのを感じた。