プロローグ
嫌い嫌い、もう全部嫌い。
猫かぶりのあの女も、うるさい先生も、全部嫌い。
もう、誰も信用したくない。
それでも、海だけは私の汚い心を癒やしてくれた。
人間は大嫌い。でも、海だけは大好き。
第一話「人間嫌い」
もう、女は信じない。
私達友達とか言って、私がいじめにあったら、すぐ離れてくし、
男の前では良い子ぶって、恥ずかしくないの?
もう、男は信じない。
猫かぶりの女がいたら、そいつの事、追っかけて、
私が猫かぶり女の本当のこと言うと、嘘つくなよとか言って、
私は悪者扱い、馬鹿じゃないの?
うるさい大人は信じない。
とにかく、うるさい、本当にうるさい。
子供は大人の言うことを聞けってどこの時代よ。
しかも、みんな私を邪魔者扱い、他のこと比べられ、
あんたはできない子ね、ですって、誰がそのできない子を育てたんだよ。
もう、みーんな嫌い、大嫌い。
それでも、海は違ったから。
海は私の汚い心を癒やしてくれた。
何があった?今から、説明しますー。
私はいつも通り監獄に行った。あっ間違えた。監獄という名の学校ね。
まぁ、監獄でいいでしょ。
そんで、いつも通りの生活。うん、今日も机に落書きがある。
いつも通りだなぁ。
「おい、ゴミ」
どこからかそんな声が聞こえた。ゴミに話しかけるなんて優しい人もいるんだー。
じゃあ、私は落書きを消してよー。
「おい、聞いてんのか。汚物」
汚物にも話しかけてるなんて本当に優しいんだ〜。
「お前だよ。青島 海」
やっぱり、私かー。だっる。
「何ー?お目当ての男子いないからぶりっ子せずにすむね」
「うるせぇよ。生意気な口聞いてんじゃねぇよ!」
その瞬間、私の頬にバチンッと音を鳴らしながら汚い手が当たった。
「ねぇ、手洗った?私、結構、几帳面だからさ、洗った手ならいいんだけど」
「は?お前が汚物だから汚いとか、関係ねぇじゃん。お前、次は今ので済まね
ぇからな」
私のことを指で指しながら話した。
じゃあ、次は泥の付いた手で叩いてくるとか?それは嫌だな。
「私が汚いなら、あなたも汚いね」
「お前さ、さっき言ったの聞こえなかった?」
そういった瞬間、私の顔に迫力のある汚い手がくる…来ようとした。
「おはよう、みんな」
「あっおはよう♡」
きっもちわりぃ。もう、語尾にハートがついてんじゃん。
どうやら、お目当ての男子が来たらしい。
もー、こいつも嫌い。大嫌い。
その男子が来た直後に先生の声が聞こえた。
「よし、みんな席つけー」
「はーい」
このはーいにまじってないのは私だけ。席付きたくないもん。
でも、席つかなきゃなんない。めんどくさいよね。
みんなが席についたのを見ると、先生が予定を話した。
もう、わかってるっつーの。
黒板に書いてあんじゃん、字も読めないほどそんなに馬鹿に見える?
先生が予定の話が終わると鐘がなった。
あと十分で一限目。だりー。
この十分間は何もされないまま終わった。
やったことと言ったら机の落書きを消すぐらい。
あと、やられたことと言ったら黒板消しを当てられたぐらいかな。
煙がたって咳き込んじゃったんだよね〜。
授業中はほとんど何も聞いてない。
聞いてたって、別に私にはいらない。
だから、窓の外の綺麗な海を見てる。
海は見てるだけでも、落ち着ける。
目をつぶれば海の音だって聞こえる気がする、いや、聞こえる。
大好きな海の音、ささやき声のような波の音。
この海に紛れたい。
この海が大好きだ。
「おい、おい聞いてるのか!青島!」
なんか、雑音が聞こえる気がする…先生か。
「なんですか?」
「なんですか?じゃない!授業だぞ!」
「はい、授業中ですね」
授業だから、聞いてはいけないのだろうか。
なら、私だけじゃないくて、授業中にわからないとこを聞いてる子にも言って
ほしい。
「なめてるのか!お前は、先生に向かって!」
「はい、なめてますよ。だって、怒鳴ることしかできないじゃないですか」
弱い人間だし、何よりも私の大嫌いな人だ。
「っ…!お前は…!」
「なんですか?認めます?怒鳴ることしかできない弱い人間だって」
「うるせぇよ!もう、お前は黙ってろ!」
「…」
「返事もできないのか!」
「…」
黙ってろって言ったじゃん。
頭おかしいんじゃないの?
もういいや、海、見てよ。
「海なしで、授業始めるぞ」
「はーい」
それだけの声が聞こえたあと私は海の音を聞いた。
誰かの声が聞こえた。
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