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単刀直入に言う。俺は灰谷兄弟が嫌いだ。
それはもうずっと昔から。
2005年…
『コイツも入れてくれ。イザナ』
と、隊長が言う。
まぁ俺が“着いて行く”と言ったからな。
それは嘘で、オマエを欺いているとは知らずに。
そこに現れたのが灰谷兄弟だ。
コイツらは常に仲良さげに接していて、
逆にキモイくらいだ。
『なに~?オマエがムーチョに着いてきたヤツ?』
と、話しかける蘭。
『ははっコイツマジで女みてー。一瞬天竺に女が入ったかと思ったわ』
と竜胆。
蘭については人を金魚のフンみてぇに言ってくる。正直ぶん殴りたい
竜胆についてはもう論外。だが事実。
俺は昔から兄とは似ても似つかなく、
逆に妹と瓜二つだった。
長いまつ毛に整った顔のパーツ。まるで女子。
オレはこの時に灰谷兄弟と出会い、嫌った。
2008年…
『よろしくね~ハルちゃん♡』
キモイ。やばいぶん殴りたい。
『wwよろしくハルちゃんww』
コイツもぶん殴りたい。そのメガネぶち壊したい
俺は初めてマイキーの精神を疑った。
“なんでこんなに人の神経逆撫でするようなヤツ入れたのか。”
でもマイキーの決めたことは絶対。
俺はそれに従うだけ。
ここでもアイツらは常にベタベタしている。
人のことを気色悪いあだ名で呼ぶコイツらが嫌いだ。
20××年
『おいテメーら。各自体のどっかにこのデザインの刺青を入れるから、どこに入れるか決めt…』
『おい、灰谷。聞いてんのか?』
明らかに聞いてない。俺が話しているのに。
2人でくっつきながら雑談を楽しんでいた。
『ん~?もちろん聞いてるよ~』
『駅前にスイーツ専門店が出来たんだろ?知ってる知ってる』
『ちげーわッ!!!刺青入れる位置!!!!!』
と俺は怒鳴る。
2人でぺちゃくちゃしているコイツらが嫌いだ。
竜胆が怪我をしてしばらく仕事を休んで、
やっと仕事に復帰した時。
『竜胆~~復帰オメデトー!!これ、プレゼント!』
『は?プレゼント…?ありがと』
そう言って受け取ったプレゼントを開ける。
『うわ!なにこれ…綺麗…』
『うん、それね、アイオライトとアメジストのピアス!きれーでしょ?』
復帰しただけで宝石をプレゼント。
そもそも気持ち悪いのは刺青を分け合っていることも。
…ある日は
『兄ちゃん、なんか近くの店に新作ケーキ出たって。行かね?』
『えー!いくいく!』
2人でお出かけ。しかもスイーツなんて食べて。そんな事してる暇があるなら仕事して欲しい。
ある日は喧嘩してその数時間後に抱き合っていたり、ある日は2人で遊んだり。ある日は悲しみを分け合ったり、楽しさを分け合ったり…
それに比べて、オレはどうだろうか。
唯一の兄貴とは永遠に不仲。
妹は10年前に死んだ。
それ以前にも俺は兄らしいことなんて、
何もしてやれなかったし、
弟らしいことなんてして貰えなかった。
俺は灰谷兄弟に出会って、兄弟の良さを知った。
こいつらは永遠の絆。それは神でさえ引き裂けない強い絆。
俺はそんな灰谷兄弟が、大っ嫌いだ。
春千夜が灰谷兄弟を嫌っている理由───