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事件の夜、現場のアパート近くで不審な人影が目撃されていた。
ニュースでは「酔った通行人」と片づけられていたが、警察の内部資料には――
黒いパーカーの女、時間帯は午後11時頃、現場方向へ走る姿を住民が確認。
妹がその時刻に帰宅していたのは防犯カメラで確認されている。
つまり、“その女”は妹ではない。
俺は目撃者を探し出すため、近隣の住民を一軒ずつ訪ね歩いた。
そしてようやく、古いアパートの二階に住む老女が口を開いた。
「あの晩ね、見たのよ。若い女が走ってた。傘もささずに、血のついた手で」
「血の……?」
「そう、でも顔はよく見えなかった。髪が短くて、明るい色だったわ」
妹の髪は黒く、長い。
――つまり、真犯人は別にいる