王様やっと中間にきました…なげぇよこの連載…
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広く整備されて走りやすい道をバイクで走る。
荷物置きには寝袋や食料が入ったカバンのようなものが紐でしっかり固定されていた。
運転手の片手には地図のようなものがあり、時折止まっては地図を見て行き先を確認しながら走っているようだった。
天青国。
これから運転手が、にうが向かうであろう国には頻繁にとまでは行かないがそこそこ遊んだり文通をする妹が王としてその国を守っているのだ。
いつも陸海国にくるてんによれば、天青国と陸海国はまあまあ距離のあるが遠すぎるというわけでも、近すぎるというわけでもない距離にあるので行き来に不便はないらしい。
しばらく平坦な道を走れば天青国が地平線の先に見えてくる。
少しだけギアを上げて、久々に会う妹の様子を想像しながら走る。
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門兵の人へ入国の手続きのために色々と書類を書いていく。
…てんの国だし、偽名はいいや。
何かを察した門兵の人は誰かに連絡を入れてたけど驚いた様子のまま固まってる門兵の人は少しだけ笑いそうになってしまった。
少し待ってください、とのことだったのでてんがまず1番に発する言葉はなんだろう、と予想してみる
やっぱり1番最初は…
「にうねぇぇぇぇぇぇぇぁぁ!!!!!!!」
…だと思った
一国の王様がこんな堂々と走っていいのだろうか。
いやまあ抜け出してるし人のこと言えないか…
「あ、てんこれお土産」
「え!!!!!!!?いいの!?やったー!ありがとー!!!!!」
やけにこいつテンション高いな…
「見てもいい?」
「どーぞ?」
「…ウニの瓶詰め、?にうねぇ…ってこと!?」
「違うけど似てるなーって思って買ったんだよw」
「びっくりしたにうねぇとうとうウニになっちゃったのかと…」
「ちなみにバイクの名前はウニクレソン」
「ウニ!?!?」
「ウニに反応しすぎw」
だってーと笑いながら言うてんに懐かしいなと昔のことを思い出す。
昔はこうやって色々なものを見せては笑い合っていた。
ウーパールーパーやサボテン、ウニだって小さい頃見せたことがある。
「ついたよー!ここがにうねぇの部屋ね!!」
「え、いいの?部屋なんか用意してもらっちゃって…」
「いいに決まってるでしょ!というか使いなさい!」
若干圧に押されつつもありがたく部屋を使わさせてもらうことにした。
ご飯までは自由にしてていいとのことだったのでベッドに寝そべり目を閉じる。
そういえば、てんは変装していたのによく分かったな…
そのことに少しだけ嬉しくなるが本人には断じて言わないでおこう。
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「いただきます!」
「いただきます」
夕飯に呼ばれて向かった先はどうやら食堂らしく温かくて美味しそうなご飯が机に並んでいた。
私とてん以外に人はいないようで広さがある食堂は少し静かだった。
「他の人たちは?」
「ん?ふぁふぉふふふぁふぃふぁふぉふふぇふぇふ」
「もう?じゃあ明日挨拶しておこうかな」
「ふぃーふぉふぃーふぉ、ふぉんふぁふぃふふ」
口に食べ物を含んだまま喋るてんは昔の頃となんら変わりなく少し懐かしかった。
「ごちそうさまでした」
「ごちそーさまでした!」
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案内された部屋に備え付けられてたお風呂に入ってベッドにダイブする。
ぼすん、という音をたてながらも優しく包み込んでくれる布団。白くて清潔感のある寝具。
どれも最高のものであり、最高に寝やすかった。
コンコンコン
「にうねぇーあけてー!」
「はぁーい?」
ガチャリと扉を開けてやれば、そこにはてんがいて両手にはなにやらマグカップを持っていた。
「ほら!旅のこととかさ色々聞きたいじゃん!」
いそいそと入ってきたかと思えば片方のマグカップを渡してきてそう言った。
確かに、まだ話してなかった気もする。
「いいよ、まずはね…」
それから月が真上に上がるまで話し込み、笑い合った。すっかり冷めたマグカップを机に置いてうつらうつらとしているてんを部屋に帰るよう言えばフラフラとしながら帰って行った。ゴツンという音が聞こえた気がしたが気のせいだろう。
改めて自分も布団に入り、寝返りをうつ。
願わくば、ずっとこのままの生活が送りたい。
でもいずれは戻らないと行けない。
そう、約束したのだから。
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次回 「他人事」
コメント
2件
ひ、久しぶりや王様!!!!! ついに天青国着いたね!!姉妹の仲良くて好き 中間!? まだまだこの連載見れるってコト!? 次話もたのすみ!!!!!
ぐおおおおおがぉぉおおおおお テンション高ぇあの子w いやはや私もウニが出てきた時テンション上がりましたよォ……ウニ虐思い出して……へ