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ゾムは母と別れるつもりだった。
母は、脅し的で、激しく俺を人形扱いする母だった。初めのうちは命令されるくらいだったが、先日、逆らうと暴力を振られることが分かり、別れる決意をした。
ゾムはスマホを取り出し、通話発信する。
1コールで繋がる。
ゾム)…もしもし、俺やけど…….
母)うん
ゾム)突然だけど、別れたいんや
母)え、なんで?
電話で別れたい、と告げるのは失礼だと思ったが、直接伝えたら、なにをされるか分からない。
母)どうして?あなたは私の可愛い人形さんなの!そんなこと、絶対に許さない!!!
やはり、母は怒りを抑えられずにいた。俺は人間なんだよ…人形なんかやない…..
目の前の踏切が閉まり、電車が通過する。母が何か言っているが、電車の騒音で何も聞こえず、ゾムは思わずスマホを左の耳に強く押し当てた。
母)絶対許さない。私のお人形さん……
電車はまだ通過してる途中だが、母の声がはっきりと聞こえた。よっぽど大きな声で叫んでいるのだろう。しばらくは母と会わない方がいいかもしれない。その時だった。
母)絶対に許さない!!私のお人形にはお仕置をしないといけないようね!!!殺してやる!!!
電車の音にも負けない絶叫で、右耳の鼓膜が破れるかと思った。
END
解説へ続きます。
スマホをあてていたのは左耳。にも関わらず、右耳に母の声が聞こえたということは、それは電話越しこ声ではないからでしょう。
踏切で電車の通過を待つゾムの右後ろから、母が迫っているということに、ゾムは気づきましたが、どうやら、遅かったようです……..