与「成る程…ポートマフィアでも”遺体の無い血痕”が見つかッたッて訳か」
国「ええ」
昨日のポートマフィアでの出来事を話した
乱「ポートマフィア…」
乱歩さんが何か呟いてるようだ
太「之の一連の仕業は”ユラ”の可能性があります」
スッ…
谷崎が手を上げる
谷「その”ユラ”とは…何者なんでしょうか?」
太「それはこれから説明する」
スクリーンが降りてくる
其処に映ったのは_
白い髪。
美しいサファイアの目。
白い肌。
太「彼女が”ユラ”だ。年齢は二十歳前後と云った処だ」
国「酷く…美しいか…」
太「…嗚呼」
まるで_フョードルみたいな人だよ
太「彼女の異能力は”救済の天使”。死者を蘇らせる異能力だ」
ガタッ
与「死者を…?」
与謝野先生は…狼狽えるか
太「ええ、条件は一つ_
乱「人を百人殺す事」
乱歩さんが割って入ってきた
太「ええ。彼女の目的なんて判りません。知っているとするならば_自殺を繰り返す人にだけ訪れるようです」
国「自殺と云えばお前じゃないか」
少し嫌味混じりで云ってくる
太「いいや、私は会ったことはないさ。先輩なら会ったことがあるとは云っていたねぇ…」
国「…は」
国木田君が固まる
国「それを早く云えッ!!」
太「ええ〜別に良いじゃないか〜」
国木田が太宰の首を掴んでグワングワンさせる
国「夜月と云えば_
敦の方へ向く
国「あいつも連れて来いと云ったはずだが?」
敦「あ、えっと…新しい自殺の方法を試したいと…」
しどろもどろに云う
国「はぁぁぁ!?こんな緊急事態にあいつは何をやっている!?」
そんな国木田の声が響いたと云う
・
ザザーンッ…
夜月は海の見える丘公園と云う処に来ている
其処から自殺をしようか、なんて考えている。
すると_
フワッ…
白い妖精が辺りを舞う
夜「…こんな演出なんて付けたの_”ユラ”」
彼女はふふっと微笑む
ユ「良いでしょう?死者を送り出す時の演出を付けてみたの」
夜「…そんなに死を美化にする必要なんてあるのかね」
夜月は大きなため息をつく
ユ「お疲れのようね」
夜「うん、疲れたよ。この世にいる事が_」
ユラは黙って話を聞く
夜「…君の異能力は”救済の天使”だなんて人々は云うけど、実際は逆だ_
”これからあの世へ送り出す_死の天使だ”
ユラは何処か奇妙な笑顔を見せる
ユ「酷いわね…死の天使だなんて。」
夜「実際そうでしょ?君の異能力は死者を復活させる異能力なんかじゃあ_無い」
”死者を復活させたように見せて_相手まであの世へ送る、死の天使だ”
風が吹く
髪が靡く
彼女の笑顔は何処まで逝ったって変わらない。
之を、何十年、何百年、何千年と繰り返して行くのだから_
ユ「…私の本当の異能力を知っている人は今まで貴方しか_否、”貴方しか生かした事が無い”」
彼女は含みのある_何処か気持ち悪い笑顔を浮かべる
夜「…何でよりによって私?」
ユ「簡単な事よ_貴方は殺しても生き返るんだもの」
あははっ、と彼女が本気で笑う
横浜の風が強くなる
次第に雨も降ってくる
夜「私はゾンビじゃあ無いよ?」
ユ「実際、ゾンビじゃない_その___している現象から抜け出せてないんだから♡」
頬を赤らめる
何が楽しいのかやら
ユ「でも_残念。私はまだ関わる処じゃあ無いから」
そう云いながら彼女の体が消えていく
夜「ッ…あの”二人組”にやらせる気か?本当に蘇らないのに?」
ユ「勿論!_邪魔したら貴方も殺す♡」
あははははっ!
彼女の笑いが横浜の吹き荒れている空へ消えていった
その瞬間_
猛烈な風が吹く
夜「ッ…私にもお誘いって訳か」
次に暴風が落ち着いた時にはいつもの平穏な横浜へと戻っていった_。
彼女のたった一つのブレスレットだけを置いていって。
ヒュー…
国「む…風が強くなっていってるな」
この風の始まり方…真逆_
バァンッ!
国「太宰!?」
急いで探偵社を出る
外へ出た時には雨風が強かった
太「ッ…」
先輩が好きな場所は_
あの丘の公園!
其処へ急いで走る
その瞬間_
ヒュウッ…
あの吹き荒れている筈の風が終わった
真逆_
公園に着く
その時、キラッと光る反射物があった
太「之は…」
先輩の…ブレスレット。
タッタッタッ…
国「おい、太宰。どうした」
太「…やられた」
国「は?どういう_
太「ッ…もう此方からは手が打てない…」
彼処へ行ったんですか_
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!