テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ヴォックスは疲れていた。
最近vees全体が上手くいっていない。
確かに私の報告が遅れたりはしたが、
最近はなんだかヴァルもしつこくなってきているんだ…。
私が何か悪いことをしただろうか…?
⋯⋯
いや、分かっているんだ。
多分ヴァルにバレてる。
俺がアラスターを好きだって事が
アラスターを見ると思い出す、幼少期よく聞いていたラジオ。
あの時の彼は輝いていた。
そして、死んでアラスターに会えた時。
初めて会った彼は信じられないくらい
かっこよかった、いや、美しかったんだ。
私は勢いに任せて話しかけた。
でも、彼は嫌な顔ひとつしなかったんだ。
初めはただの憧れだったけれど、段々と
それが恋に変わっていった。
そして、アラスターとも仲良くなり、
バー以外でも飲み始めた頃。
私はアラスターに言ったんだ。
「僕と組みませんか」
パートナーになる。まあ、アラスターには
分からなかっただろうが、それは私から
したら告白というつもりでもあった。
その頃の私は地獄に慣れ始めて、あと少しで
上級悪魔にもなれるかもしれないという
所だった。
だから、もしかしたらパートナーになれるかもしれないと、希望を持ってしまったんだ。
それが、こんなにも酷く貶されるなんて
誰が予想しただろう…?
そう、アラスターは私の思っている以上に
残酷な人だった。
パートナーになろうと言った私の純粋な
気持ちを酷く貶し、そして、私達は
会わなくなった。
それから7年、アラスターは忘れ去られ、
私の時代が来たと思った。その間に
私にはveesという大切な仲間ができ、
大きな会社も構えた。
やっとアラスターの事を見返せると思った。
久しぶりに見たアラスターは前より魅力を
増していた。いや、もしかしたら会っていない間に忘れていたのかもしれない。
アラスターの事を見ると、ヴァルという
パートナーがいるにも関わらず、あの時の事を思い出し、またアラスターと話せないか
考えてしまう。
あんなにも貶されたのに、、あんなにも見返したいと願っていたのに。
結局、アラスターの事が好きだという心には
勝てなかった。
まあ、女の勘(?)というものだろう。
ヴァルにはそれが分かったんだ。
別に私はヴァルが嫌いになった訳じゃない。
確かに、ヴァルが居なかったら私はこんなに
色々な分野に手を出せたいなかったし、veesもできていなかった。
けれど、最近は私に対して執着がありすぎている。
確かに、自分というパートナーがいるのに
相手が他の人のことを想っていたらいい気分はしないだろう。
そこは申し訳ないと思っている。
私は自分の気持ちに正直になって、
ヴァルと別れアラスターにもう一度アタックすべきなのだろうか?
#ハズビンホテル
鵺25
37
霧嶋朔夜
4,157
#二次創作
コメント
1件
うわあ…重い…でもすごく好きです。 ヴォックスの心の内が繊細に描かれていて、読んでて胸がぎゅっとなりました。アラスターへの想いとヴァルへの罪悪感、その狭間で揺れる感じがリアルで…「あんなに貶されたのに好きでい続ける」って、すごく苦しいけど、それだけ本気だったんだなって伝わってきました。 続き、すごく気になります。