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irisパロ
俺は、歌うことが好きだった。
白「お母さん!僕、将来歌手になりたーい!」
母「白は、歌がとても上手いから、なれると思うよ」
そんな俺は、歌が嫌いになった。
歌うのが嫌だ。
歌うのが怖い。
聞かれるのが怖い。
白「〜〜〜〜♪」
モブ「お前、下手じゃねww」
モブⅡ「上手いとか言われて調子乗ってるんだろ」
その日から、俺は歌が怖くなった。
音楽祭で、視線を感じるようになった。
「あいつ、歌下手じゃねww」
って、からかわれているような気がしてどうしようもなかった。
それをきっかけに、声すら出せなくなった。
周りの人にまで、心配をかけて本当にダメな人間だなと思った。
そんなこんなで、中学を卒業して、高校に上がった。
登校して、クラスを確認して、早速自分のクラスに入った。
知ってる人は、いない。でも、まだ声を出すこと が怖い。
そんなことを思いながら、席に座ると、
?「こんにちは」
隣の席の人から、話しかけられた。
でも、俺は、声が出せずに「ぺこ」っと会釈だけした。
?「声。出ないの?」
察するように、優しく問いかけてくれた。
?「俺はね、赤!よろしくね!歌うことが好きなんだ!将来は、歌手になりたい!」
白「…!」
なんか、昔の自分を見ているようなどこか懐かしい気分になった。
自分のポケットから、スマホを取り出して、メモを開いた。
俺は、白です。
本当は、歌が好きだったけど、トラウマがあって、声が出なくなっちゃったんだ(笑)
赤「…」
*白「これから仲良くしてね」*
赤「…うん!」
赤「あ!入学式ある!白、行こ!」
「こく」っとだけ頷いて、赤の後を追いかけた。
まだ、少ししか話してないけど、他の人と、普通の人と同じように俺を扱ってくれる。優しくしてくれる。て思って、「この人なら…」って思えた。
無事入学式が終わった。
家に帰って、1日のことを振り返りながら、昔よく歌っていた今日を聞いた。
一通り聴き終わったところで、寝落ちをしてしまった。
気づいたら、朝になっていた。幸い宿題は出ていない。
赤「おはよ!」
学校につき、一番に挨拶してくれた!
*白「おはよう」*
高校に入ってから、しばらく経った。赤とは、親友になった。
俺は、勇気を出した。
赤と、声で、しっかり会話がしたい、喋りたい。そう思えた。
*白「今日放課後ちょっと時間ある?」*
赤「あるけど、どうしたの?」
*白「遊ばない?」*
赤「もちろん!」
赤なら、声を出せる。そう感じた。
放課後になり、謎に緊張が込み上げてきた。
赤「お邪魔します!」
ガチャ
赤「で、どうしたの?」
白「俺…声、だせてる?…」
赤「え…出せてるよポロ」
白「なんで…、泣いてるの?」
まさか、泣くとは、思ってなかったから、正直困惑した。
でも、久しぶりに声を出せて嬉しくなった。自然と、涙が出てきた。
赤「だって、だってポロ」
白「…ポロ」
俺の、ことでこんなに泣いてくれてる。それだけで嬉しかった。
それと同時に、赤のことは、一緒に大切にする。そう思えた。
今まで一番濃く、嬉しい日になった。
まだ、歌は歌えない。だけど、声は、出せる。声を出せるようになったのは、赤のおかげ。赤には、感謝しかない。
理想の自分に、少し、近づけた気がする。