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花吐き病【緑のラナンキュラス】(阿部×藤澤)の続きです
*fjsw視点*
目を開けると、亮平君がいた。
「りょうへいくんだぁ。」
なんて幸せな夢だろう。
「りょうへいくんがいる…。ふふふふ。」
このまま冷めないで欲しい
ずっとこの夢を見ていたい
でも、目の前が霞んでいく
夢が覚めるんだろうか
なら、せめて夢の中だけでも言わせてほしい
「大好きだよ、りょうへいくん。」
目覚めた時、なんだかすっきりと爽快な気分だった。
「なんかいい夢見た気がする…。」
覚えてないけど。ふと、今着ているのがパジャマではなく外出用の服ということに気が付いた。
「あれ?なんでこの服着てんだろ…。」
昨日寝る前何してたんだっけ…?考えながらベッドを降りようとしたら
「え…..?」
白銀の百合が枕元に無造作に置かれていた。
「えぇぇぇぇぇぇ!!!???」
見間違うはずがない。病気になった後色々調べていく中で幾度も目にしたし、なんなら元貴と若井が吐き出した実物を昨日見た。その白銀の百合がなんでここに!?え?元貴か若井の間違って持ってきた…わけないよね。僕が…吐いた?
「涼架君?」
「!?」
扉の向こうから亮平君の声がした。え?花吐き病に幻覚の症状はなかったはずだけど…。
「開けるよ?」
ゆっくりと扉が開くと、そこには紛れもなく亮平君が実在していた。
「亮平君…?」
「大丈夫?」
「え?」
「覚えてない?昨日涼架君倒れたんだよ。」
「昨日…。」
そして思い出す。醜態を晒した事実を。
「昨日は大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありません!!」
ベッドの上で土下座をする。亮平君は慌てて僕の上半身を起こし
「大丈夫だよ!それより、体平気?」
「平気だし、あの、これ…。」
おずおずと白銀の百合を見せる。
「あぁ、これね。」
「これって、僕が…?」
「うん。」
ってことは…
「あの、亮平君っ。」
「待って。」
亮平君は軽く手を上げて僕の言葉を制止する。
「今日、涼架君仕事いつ終わる?」
「えっと、事務所で打合せの後、若井とバラエティの収録だから…21時くらいかな。」
「22時には帰って来れる?」
「多分…。」
「ならその頃俺も来るから。その時ちゃんと話し合おう。」
「分かった…。」
白銀の百合を吐いたらハッピーエンド。大体の物語はそうだった。でも、実際はお互い背負ってるものが大きすぎるため、きっと物語の様なエンディングは迎えない。僕もチームか亮平君かを選べと言われたら、一瞬迷ってしまうかもしれないけど、チームを選ぶ。亮平くんだってきっとそうだ。
例え一緒に居ることはできなくても、両想いだったという事実を胸に生きて行こう。
「さ、ご飯食べよう。」
「ごはん?」
「ごめん、台所勝手につかわせてもらったよ。」
「え”…ご、ごめん!汚くなかった?!」
「いや。男性の一人暮らしにしては綺麗な方だよ。」
亮平君に続いてダイニングに行くと
「うわぁ!?」
テーブルの上にはパンと目玉焼きとカリカリベーコンとサラダというザ・ブレックファーストが用意されてた。
「すごいね!亮平君が作ったの?」
「作ったって言うか、目玉焼きとベーコンは買ってきたやつを焼いただけだけだよ。サラダはコンビニで買ってきたやつだし。あ、スープもあるよ。インスタントだけど。」
「すごーい。めっちゃ朝食って感じ。」
「食べよう。」
「いただきまーす!」
一口食べる。目玉焼きはトロッと半熟、ベーコンは厚めだけどカリカリジューシー。ただ焼いただけではこうならないことは僕でもわかる。
「おいしい!さすが亮平君。」
「あはは、喜んでもらえてよかった。」
「「ごちそうさまでした。」」
昨日パスタ食べたとはいえ味を感じる余裕はなかったし、久しぶりに美味しいご飯食べた。
「片付けるね。」
亮平君が食器を持って立ち上がろうとしたので慌てて立ち上がる。
「いいよ!僕が片付けるから。」
「涼架君体調不良だったじゃん。俺がするよ。」
「でも、もう治ったっていうか…。」
ズキッと胸が痛む。治ったからと言ってこの関係に変化があるわけじゃない。両想いだと分かって嬉しい反面、亮平君との間には越えられない壁が存在する。
花吐き病患ってた時と苦しさが変わらないのは何故?
ポンと頭を撫でられた。見ると、亮平君は優しく笑っていた。
「亮平君…?」
「じゃ、お願いしようかな。俺、ちょっと用事思い出したから帰るよ。」
「え…。」
「22時頃また来るね。」
「うん…。」
やっぱり今まだ夢の中じゃないだろうか
それとも、白銀の百合を吐いたのが夢だったとか
「涼架君。」
”なに?”と返事しようとした瞬間
”ちゅっ”
手を取った亮平君が僕の手の甲にキスをした。
「りょ、亮平君?!」
「また後でね。」
亮平君は帰って行った。
なんか、朝からどっと疲れた…。
*wki視点*
今日のスケジュールは一日ずっと涼ちゃんと一緒。昨日の今日(元貴と両想いになって花吐き病完治)で涼ちゃんにからかわれるかもしれないと思ったけど、いつも通りの涼ちゃんだった。真剣にスタッフの話を聞き、頷いて、時折声を出して笑うことで空気を和らげる。こういうところは大人なんだよな。
打ち合わせが終わり、次の現場に移動するまで少し時間がある。どうしようかと思っていると、涼ちゃんの姿がないことに気づいた。通りかかった涼ちゃんのマネージャーに
「涼ちゃんは?」
「藤澤さんは練習スタジオで入られました。」
「練習スタジオ?」
「移動まで時間があるから練習したいそうです。」
「そっか。」
礼を言い、俺も練習スタジオへ向かった。涼ちゃん一人なら小さな方のスタジオだろうと思い、ガラス張りの小窓から中を覗いてみる。すると、キーボードの前に座った涼ちゃんが頭を振ったり、頭を抱えたり、俯いたりしていた。
一応ノックをして中に入る。
「涼ちゃん。」
「あ、若井。どうしたの?」
にっこりと笑う涼ちゃん。けど、顔色はあまりよくなさそうだ。
「体調悪い?」
「え?」
「例のやつ…?」
”花吐き病”俺もつい昨日まで患っていた。両想いになったら白銀の百合を吐いて完治するが、長年患っていたせいで、今では逆に花を吐かないのが不思議な感覚だった。普段薬は飲んでいたが、それでも胃の異物感は多少あって、家に帰ったら溜まっていた分が出てるんじゃないかってくらい吐いたりしていた。完治して体の負担がなくなった分楽になったけれど、涼ちゃんが一人苦しんでいるので手放しで喜べなかった。
「若井…ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「何?」
「元貴と何か変わった?」
「え?」
「今までだってずっと一緒に居たわけでしょ?改めて何か変わったのかなって。」
少し考えた。昨日完治して涼ちゃんが帰った後、少しぎくしゃくしてしまったが、時間が経てばすぐに元に戻り、お互いのポンコツさに涙が出る程笑った。
「…びっくりするくらい変わってないよ。」
「へぇ?」
「ただ…。」
「”ただ”?」
「元貴見ると必ず視線が合うっていうか…。」
嬉しそうな、呆れたような、幸せそうな、そんな風に元貴は笑う。それがあまりにもきらきらと輝いて見えて、恥ずかしくなって俺の方が先に視線を外す。でも、またちらっと見ると、やっぱり元貴は同じような表情で俺を見ていた。
「幸せそうでよかったよ。」
涼ちゃんの言葉にハッとした。苦しんでる人を前にして何惚気てんだ俺は。自分が情けなくて思わず泣きそうになる。涼ちゃんは優しく笑って
「さ、そろそろ練習再開しようかな。集中したいから、一人にしてくれる?」
「わかった…。」
1人にしちゃいけない。そんな気がしたけど、涼ちゃんがヘッドホンを付けてキーボードに向き合ったので、大人しく練習スタジオを後にした。
バラエティ収録が終わり、涼ちゃんと一緒にマネージャーに車で送ってもらう。
「涼ちゃん。」
「何?」
「今日家行っていい?」
「え?元貴は?」
「元貴は今日遅くまで仕事。」
「そっか。でもごめんね。今日友達と会う予定があるんだ。」
「涼ちゃん、友達いたの…(笑)」
「失礼な(苦笑)」
涼ちゃんのマンション近くに差し掛かった時、運転していたマネージャーが言った。
「藤澤さん。不審な人物がいますので一旦通り過ぎます。」
「え?」
一応身を屈め、そっと窓から外を見る。通り過ぎる直前、ヘッドライトの明かりでその人物が誰か分かった。
「止めて!」
涼ちゃんが言った。
「大丈夫、今日会う約束してた僕の知り合いです!」
マンションの正面から少しずれたところで車が止まった。
「ありがとうございました!若井もお疲れ!」
「お、お疲れ。」
「お疲れさまでした。」
涼ちゃんは慌てて車を降り、その人物の所へ駆け寄る。リアガラスからちらりと除けば、その人物と目が合った。
「!」
少し離れてるし、暗いのでちゃんとは見えなかったが、その人物がすっと目を細めた…気がした。
車が発進し、角を曲がって涼ちゃん達が見えなくなる。そこで初めて自分が息も忘れて固まっていたことに気づいた。
(え?もしかして涼ちゃんの拗らせ相手って….。)
スマホを取り出し、先ほど見た人物のメンカラを調べた。
*Ab視点*
「亮平君!」
みると、今通り過ぎた車から涼架君が降りて走って来た。
「ごめん、遅くなって!」
「違うよ、俺が早く終わっただけだよ。」
ふと、涼架君が降りてきた車を見る。
「送ってもらったの?」
「うん。マネージャーに。若井も一緒だよ。」
「そっか…。」
若井君ねぇ。一時期涼架君と同居していたって聞いたけど、もしかして…。
「さ、行こう。亮平君。」
「うん。」
にこりと笑えば、涼架君は嬉しそうに笑ってくれた。
朝食を食べた時と同じようにテーブルに向かい合って座る。
「涼架君。」
俺の言葉に、涼架君の肩がびくりと震えた。あぁ、きっとよくない想像をしているんだろうね。怯えたその表情は可愛いけど、俺はSじゃないし、どうせみるなら向日葵のような笑顔がいいかな。
「俺と付き合ってください。」
「え…。」
ぽかんとした涼架君。その表情も可愛いね。
「俺は涼架君が大好きだよ。もちろん、恋愛対象としてね。」
徐々に涼架君の顔が赤くなる。美味しそうだね、食べてしまいたい。
「実は最初から下心あって近づいたんだ。恋人同士になりたいって思うこともあったけど、俺の好きと涼架君の好きは違うだろうからって、友達で満足してた。してるつもりだった。」
自分で自分の心を誤魔化してきた。
「ぼ、僕もっ、亮平君のこと、大好きだよ!それこそ、花吐き病になるくらい…。完治して白銀の百合吐く日が来るとは思ってなくて…ずっとこの病気と付き合っていくものだと思ってた…。」
「じゃあ俺と付き合ってくれる?」
「僕、なんかでいいの…?」
涼架君の瞳から涙が溢れて零れる。あぁ、なんて綺麗な涙を流す人なんだろう。
「涼架君がいいんだよ。」
「ありがと、亮平君…。よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げる涼架君。顔を上げたら涙を流しながらもにっこりと笑ってくれた。綺麗な微笑みに思わず
「…閉じ込めてしまいたい…。」
「え?」
おっといけない。心の声が出てしまった。
「何でもないよ。あ、プレゼントがあるんだ。」
「プレゼント?」
某ブランドの袋を涼架君に渡す。
「開けてみて。」
涼架君は袋の中から小さな箱を取り出し、蓋を開ける。
「ピアス?」
金色の台座に緑の石が付いており、台座と同色のチェーンがついたロングタイプのピアス。
「付き合い始め記念に買ってみました。」
「いいの?!こんなすごいの。」
「俺の色付けて欲しいなって。ごめん、いきなり重いよね。」
「ううん、嬉しい!ありがとう亮平君。」
涼架君はさっそく俺があげたピアスを付けてくれた。
「どう、似合う?」
「うん。とっても!」
「ふふ、ありがとう。」
「それとね、近々一緒に住まない?」
「………え?!」
これ以上にないくらい目を開く涼架君。そりゃそうだよね。
「本当に心配だったんだよ。涼架君が倒れた時、死ぬんじゃないかって。花吐き病のこと調べても、死ぬこともあるって書かれてたから…。」
「でも、完治したからもう大丈夫だよ?」
「俺が涼架君と少しでも一緒に居たいんだ。駄目…?」
子犬のように少し俯いて上目遣いで涼架君を見る。
「だ、駄目じゃない!」
「よかった。じゃあこの中から選んで。」
「え?」
テーブルの上にずらりと物件資料を並べる。朝に涼架君ちを早く出たのはこの資料を揃えるためでもあった。
「うちの事務所御用達の不動産屋が扱ってるところだからセキュリティーばっちりだよ。」
「そ、そうなんだ…。」
「さ、どれにする?」
「…..。」
*mtk視点*
涼ちゃんの片思い相手がどうやら阿部さんだという話を若井から聞いて数日後、涼ちゃんから白銀の百合を吐いて完治した旨のメッセージが俺と若井と涼ちゃんのグループラインが届いた。若井はとても喜び、俺も一安心。だけど相手はあの大手事務所所属の人気グループメンバー。なかなか大変な道のりになりそうだなと思っていると
「涼ちゃん引っ越しするんだって?」
ある日、チーフマネージャーからもたらされた情報に目が点になる。
「え?この中途半端な時期に?」
しかもイベントが目白押しの今?そんな暇あるの?
「まだ確定ではないらしいけど、阿部さん経由であの事務所関連の不動産屋が扱う物件みたい。阿部さんも色々手伝ってくれてるみたいよ。」
「え…。」
ってことは、同棲の準備?
スタジオ練習で涼ちゃんと二人になることがあったので聞いてみた。
「涼ちゃん引っ越しするの?」
「あ…まぁね。」
「同棲?」
「うん…。」
涼ちゃんは恥ずかしそうに小さく頷いた。
「展開早ない?」
「僕もついていけてない…。」
「こんなとこ言ったらなんだけど、大丈夫?」
「何が?」
「涼ちゃんの意思無視して物事進んでない?」
「いや、それはないよ。一緒に住むこと提案してくれたのは亮平君だけど、最終的に決めたのは僕だから。それに、嫌がることは絶対しないって言ってくれてるし。」
「決定権が涼ちゃんにある風で実は裏で阿部さんが誘導してるとかないよね。」
「….。」
「あ…ごめん。ただ、色々急だったから心配で…。」
涼ちゃんだって子供じゃないんだ。余計なお世話だったかもしれないし、何より拗らせる程好きな相手を悪く言われたら気分いいわけない。
「大丈夫だよ。なにより、一生付き合っていくと思っていた病気が完治したんだ。それを思うと今は夢じゃないかと思うくらい幸せだよ。」
なんか”DV彼氏に洗脳されてる彼女みたいだよ”って言いそうになってギリギリで飲みこんだ。
「涼ちゃん。若井とは違うベクトルだけど、涼ちゃんだって同じくらい俺にとって大切なんだからね?それを忘れないで。」
「ふふ、ありがとう、元貴。」
涼ちゃんが幸せならそれでいいし、涼ちゃんに何かあったら刺し違えてでも相手方を地獄に送ってやる。
と思ってたんだけど…
「涼架君♪」
「あ、亮平君。」
「仕事終わり?」
「うん。」
「ちょうどよかった、俺もそうなんだ。」
涼ちゃんの仕事終わりに高確率で阿部さんと遭遇するようになった。
「またね、元貴、若井。」
「お先に失礼します。大森さん、若井さん。」
涼ちゃんは阿部さんが運転する車で帰って行った。
「どこにでも現れる阿部さん怖いんだけど!?」
「あの事務所で今1,2位を争う程売れてるチームでしょ?俺らより忙しいんじゃないの?!ねぇ!」
俺と若井がビビり散らかしてると、同じ番組に出てた風磨君が通りかかった。
「どうしたの?二人とも変な顔して。」
「風磨君…。阿部さんってどんな人?」
「どの阿部さん?」
「スノーの。」
「特に仲がいいわけじゃないから詳しく知らないけど、一番多く聞くのは”優しい”かな。で、元々ネガティブでたまにブラック阿部も出るって。そのギャップがファンにはたまらないらしい。」
「そうなんだ…。」
あれ?優しくてネガティブでたまにブラックって、実は涼ちゃんと阿部さん似た者同士?
「阿部ちゃんがどうかしたの?」
「うちの涼ちゃんと仲いいんだけど、最近特に仲いいから。」
「あー…。もしかしてあの噂って藤澤さんのことだったんだ…。」
「「噂?」」
「同期のストとスノ内では結構有名な話。俺はこの前たまたま聞いたんだけど、阿部ちゃんがどこかの誰かにゾッコンであの手この手で落とそうとしてるって。」
「「え?!」」
「どこかの誰かまではみんな知らないみたいだけど。そっか、藤澤さんだったんだ。」
「いや、なんでそこで涼ちゃんって納得してんのよ風磨君。」
「さぁ?なんでだろうね。」
風磨君はまるで映画イベントの時のように人差し指を口に当てた。
「あぁ、そう言えば阿部ちゃん、最近セキュリティー最強のマンションを契約したらしいよ。」
捨て台詞のように情報を置いて、次の仕事があるからと風磨君は帰って行った。
「…とりあえず阿部さんは前から涼ちゃんが好きだった..でいいのかな?」
若井の言葉に俺は”多分”と返事する。
阿部さんが本当に涼ちゃんを好きで大切にしているのは分かった。分かったんだけど、どこか狂気じみた色がうっすらと見え隠れしているように思えて背筋に嫌な汗が流れた。
「若井。この前涼ちゃんと話した時、幸せそうだったから俺が感じた阿部さんに対する違和感は気づかないふりしたんだ。でも涼ちゃんに何かあったら刺し違えてでも相手方を地獄に送ってやるって冗談半分で思って….。」
「刺し違えてでもって…。」
「なんか現実味帯びてきたっぽくね?」
「その前に俺はお前の涼ちゃんへの愛が重いことに驚いてるよ。」
おや?嫉妬ですか?
「涼ちゃんも大切だけど、俺は若井一筋だよ?」
「うるさっ//」
「涼架君。」
「何?亮平君。」
「ずっと一緒だよ。」
「ふふ、いきなりなに?」
「あはは、なんとなく言いたくなった。」
「うん。ずっと一緒だよ、亮平君。」
車の揺れに合わせ、ロングピアスのチェーンが音を立てて揺れた。
【終】
監禁ENDに持っていきたかったけど、書く技術がなかったことに気づいた2025の夏
ピアスのチェーンに縛り付ける鎖的な意味を持たせたかった…
コメント
4件
予想してなかった展開…… 流石です!
阿部くんと涼ちゃんのペアまじで好き! 最高!