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僕たちの完成性を人間の言葉で表すのなら、夫婦であると言える。人間の言葉である夫婦がどんなものか詳しくはわからないが、何となくそう感じる。
彼は僕の事を番だ。と言ってくれているからそこまで夫婦という言葉に捕らわれていなかった。「いい夫婦の日らしいわよ」と、先程妹に言われるまで。
「それで?夫婦らしいことをしたい。と」
その言葉を聞いた直後、夫婦らしいこと、と思い夕飯を作ろうとしたのだが…上手くいかなかった。普段ならしないようなことを、変に意識したからこそ起こした結果である。
「ぅ、いい夫婦の日って言われたらそりゃぁ…意識しちゃうよ、ね。」
「ふぅん。」
綺麗なコバルトブルーの瞳を伏せながら目の前の彼は一言残し、僕の作ったハンバーグのなり損ないを見る。
「見た目、失敗しちゃったし。今日は他の物を…」
と言いかけた時に、目の前の彼はハンバーグを1口、2口と口にする。
「えっ、ちょ、大丈夫?」
思わず驚いて声をかけると、彼はいつもの優しい笑みを浮かべた。
「んふ、形はあれだけれどもとても美味しいよ。 」
そういい、ふわり、と優しく頭を撫でられ
「いい夫婦の日だなんて、そんなの気にしなくていい。僕たちは僕たちなんだから、人間の言葉なんか気にせずにそのままの、僕の番の君でいてくれ。」
「ぁ…ぅ、わかった。うん、わかった!」
少し顔が熱いし、恥ずかしい。
全く、僕の番には叶わないや!