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#四角関係
柿の木七味
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集合時刻、私は体育の講義で使っているスポーツバッグに着替えを入れて、駅の前に。詩歩に言った通りいつも大学に行っているような服装で待っていた。
「…いつも通りの服装で…ねぇ」
目の前に現れ始めた詩歩は、どうみても「昨日ファッション雑誌を買って、家にあるもので流行の感じに仕立て上げました」という服装でやってきた。…昨日の話は何だったのだろうか。
「ふぅ、お待たせ。それじゃ行こうか」
駅前から徒歩10分。地域の体育館はそこにある。私と詩歩は歩くことになるのだけれど、あまり来たことがない場所でもある。…近所にこんなお店があったのか。
目に入ってきたお店は何か部屋とかにあったらおしゃれだろう。と思われるような小物を扱っている感じ。…カフェもやっていて雰囲気がおしゃれそのものだった。
「今度来てみようかな」
そう思って、歩き続ける。
閑静な住宅街を通り抜けると、公園みたいなものが見え始めた。…大学の講義室から見えていた公園。…こうなっていたのか。
野球が出来そうなグラウンド。家族連れがやってきそうなそんな雰囲気のある広場。ゲートボールもできるのかな?そんな場所もある。
「あれじゃない?体育館って」
詩歩が指さす先には確かに体育館らしいものが見えてきたのだけれど、それと同時に、多分きっと、今日のサークル活動に参加する人たちも見えて来た。…それなりに人は集まるんだ。と私は思ってしまったのだけれど。
「こんにちは」
詩歩が挨拶をした。彼女が挨拶をすると、大学で初めて出会った時も詩歩から話しかけてきてくれたのを思い出す。積極的で、自分からこうしたい、ああしたい。ってことを私に話したりしてくれる。
…ということで、今日もいつも通りそんな感じなのかと思ったのだけれど。
「…あっ」
彼女の手がとまった。どうしたのだろうか。気になっていると、詩歩が私にだけ聞こえるように声をかけてくる。
「…あの右側の彼、私のバイト先の人だ」
「そうなの?」
「そう…」
少し声に元気がなくなる。なるほど、さてはバイト先で何かあったんだこれは。と思うわけで。となるとやっぱり恋愛関係の話なのだろうか。
私も詩歩の事が気になりはしたけれど、とりあえず挨拶からの自己紹介の流れになってしまったので、することに。
「藤咲理緒です。よろしくお願いします」
私たちを含めて集まったのは5名。全員男の人。井上さん、佐藤さん、佐々木さん。という人らしい。そして、詩歩が言っていたのは井上さん。井上正樹さん。という方らしい。
「よろしくお願いね」
と言うと井上さんだけが、私に挨拶だけじゃなくて、握手も求めて来た。なるほど、積極的な感じなのはそうなのか。…と思いながら握手をすることに。
「もう少ししたら、あとの人たちも来ると思うからさ、先に体育館入ってまってよう。本村さんも来るから」
と言うと井上さんは受付に一人で向かって行った。なんだ、結構いい人じゃん。と思うのは私があれなのだろうか、簡単な女みたいな感じだからなのだろうか。なんだよ、簡単な女って。我ながらよくわからないことを思ってみたり。
私は詩歩の方をみた。もしかしたら、詩歩の事だからテンションが下がって、このまま参加しないで帰る、みたいなことを言いだすんじゃないかと思っていたんだけど。
「私達も行こうか」
と、意外とそうでもないらしい。…なんなのだろうか。そう思いながら私たちは体育館へ向かって行った。
コメント
1件
詩歩の「いつも通りの服装」発言からのギャップ、思わず笑っちゃいました(笑)。あれだけ言っといて、しっかりおしゃれしてくるって、なんか人間らしくて良いですね。あと、井上さんとの握手のシーンで「簡単な女」と自分をツッコむ理緒さんの内面の語りが好きです。詩歩のバイト先の人間関係も気になる伏線で、次どうなるか楽しみです!