ー次の日ー
翔「お待ちしてました。先輩方。」
雅彦「どうぞ中へ。」
朝、道場へ入った4,5,6年生を迎え入れたのは翔と雅彦だった。
中に入ると誰もいなかった。
文次郎「他の奴らはどうした。」
文次郎がそう問うと、翔と雅彦はニコリと笑った。あまりにも揃った動きに三郎と勘右衛門は目を交わした。
翔「情報収集ですよ。」
雅彦「僕達は忍務のためにここまで来たんですから。なるべく早く多く情報を集めないといけないんで。」
翔「僕達は留守番なんですよ。」
ニコニコ笑う二人に、勘右衛門は一歩前にでた。
勘右衛門「あのさ、」
翔「言わなくても大丈夫ですよ。」
勘右衛門「え?」
雅彦「僕たちを止めようと、説得しに来たんですよね?」
留三郎「なぜ、それを、」
雅彦「昨日の先輩方の様子を見てれば分かりますよ。」
翔「優しい先輩方のことですから、命を無駄にするなとか言うんでしょうけど、無駄ですよ。僕たちの決意は変わらない。」
雅彦「もう少ししたら皆帰ってくると思うので話してみてください。まぁ、たとえ先輩方に言われたとしても、やめる。とは言わないと思いますけど。」
翔「実際に見て実感してください。僕たちはなまぬるい覚悟でここに居るのではないと。」
笑みを更に深めた二人は、煙玉とともに姿を消した。
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