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昨日ぶりである。
もはやただいまのがいいのではないか。
昨日と同様元貴が前で鍵を開ける。
「ん、どぞ。」
元貴はドアを開けて先に俺を入れてくれる。
「ありがと。えーと、お邪魔しますそしてただいま。」
そういうと後ろからあははと笑い声がする。
「なんだその挨拶。涼ちゃんらしいね。もうただいまでいいよ。」
元貴が前よりも素直に笑っている。
嬉しい。
「ん。なんか、家、みたい。自分の……。」
ただいまなんて自分の家でしか言わない。
あとは戻ってきた時くらい。
急に照れてきた。
「いいよ、そう思ってくれて。いずれは、一緒に住みたい。」
さらっと将来のことを言われた。
あれだけ素直じゃなかったのに。
「ぇ、ぁ、う、……ん。」
顔が赤くなってしまう。
言葉もスラスラ言えなくなってしまった。
「ふふ……動揺した?」
何故か元貴は余裕そう。
こういうの強いのか?
だから俺に無意識にあんな行為をしたのかと納得した。
「手、洗い行こ。」
そう言って手を繋がれた。
すごい。思いを打ち明けた途端全部一気に来る。
かっこいいという文字が似合っているくらい。
リビングに行くとソファの前のテーブルに
俺の出てるドラマのパンフレットが置いてあった。
観てくれてたのか。
そういえば感想を聞いてない。
この時から元貴とはすれ違ってたから。
「ねぇ、元貴。」
元貴に聞いてみる。
なにー?とスマホで仕事の連絡を返しながら返事をする。
「ドラマ、どうだった?」
その瞬間、元貴がスマホを落とした。
「わっ元貴?大丈夫……ってど、としたの……?」
片手で顔を覆っている。
俺はスマホを拾って割れてないか確認した。
大丈夫そうだ。
「元貴……?」と心配になりながら声をかける。
「ごめん、ありがと……。」
と片手でまだ顔を覆いながらスマホを受け取る。
何があったのか。
「え、どしたの……?」
元貴はやってしまったという顔をしている。
え、俺なんか不味いこと言ったかな。
「ごめん俺なんか不味かったかな……?」
ドラマを観たかとしか聞いてないけど。
すると「違う」と強めに言われた。
俺に非はない時にいつもそうだ。
じゃあ、何なのか。
「あぁ……どうしよう……。 」
1人で何かと葛藤している。
え、何だ?普通に気になってしまう。
「ねぇ元貴もう隠し事なしにしよ。その、恋人、なんだからっ。」
恋人という事実を自分で言うのはだいぶくる。
元貴は諦めたように座って……と呟いた。