テラーノベル
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夜の街灯が、カーテンの隙間から細く部屋に差し込んでいた。
〇〇は布団の中で小さく寝返りを打ち、スマホの画面をちらっと見る。
「……今日、ずっとひとりだったな」
時計はもう夜。
キッチンの方から、もう帰ってきていてもおかしくない三人の気配を、無意識に探してしまう。
もと、ひろ、りょか。
今日は三人とも朝から夜まで仕事だった。
出かける前、口をそろえたみたいに言っていた言葉が頭に浮かぶ。
「夜は特に気をつけろよ」
「コンビニ行くなら絶対連絡」
「遅くなるから、ちゃんと鍵かけてね」
心配しすぎなくらい優しくて、
それが当たり前みたいになっていることが、少しだけ誇らしくて。
〇〇はズボンにつけたキーホルダーを指でなぞった。
中には、三人がこっそり仕込んだGPS。
「お守りみたいなもんだから」
そう言って、もとが少し照れながら渡してくれたもの。
(……すぐ帰るし)
小腹がすいて、〇〇は上着を羽織った。
夜の空気はひんやりしていて、街は静かだった。
コンビニの明かりが、やけに明るく見える。
必要なものを買って、袋を持って外に出た、その瞬間。
「ねえ」
背後から、知らない男の声。
心臓が、どくんと跳ねる。
振り向いた瞬間、腕を掴まれ、視界が一気に近づいた。
「……っ、や、やめて……!」
声は震えて、思ったより小さくしか出なかった。
周りに人はほとんどいなくて、夜の静けさが余計に怖い。
頭が真っ白になって、足が動かなくなる。
気づいたときには、〇〇は知らない場所に連れてこられていた。
暗くて、冷たい空気。
ここがどこなのかもわからない。
怖くて、身体が震えて、
でも――無意識にズボンのキーホルダーを強く握りしめた。
(お願い……気づいて……)
夜も更けた頃。
仕事を終えて家に帰った三人は、玄関に入った瞬間、違和感に気づいた。
「……〇〇?」
返事がない。
明かりもついていない。
靴がないことに気づいた瞬間、空気が一気に張りつめる。
「まだ帰ってない?」
ひろの声が低くなる。
もとは部屋を見回して、ふと足を止めた。
〇〇のズボンが置いてある場所。
――キーホルダーが、ない。
「……GPS」
りょかがすぐにスマホを取り出す。
画面に表示された位置情報は、家から離れた場所を示していた。
「……行こう」
その一言に、誰も反対しなかった。
夜の街を急ぎながら、三人の頭にあるのはひとつだけ。
(怖がってる)
(ひとりにしてしまった)
(間に合え)
薄暗い倉庫の中。
〇〇は隅で小さく座り込み、膝を抱えていた。
「……帰りたい……」
震える声が、空気に溶けた、その瞬間。
――ガンッ!!
夜の静けさを切り裂くように、扉が乱暴に開く音。
「おい」
低く、怒りを抑えた声。
次の瞬間、もととひろが男に掴みかかる。
「何してんだよ」
「触っていい人じゃねぇんだわ」
荒い音が響いて、〇〇は息を止めたまま固まる。
その横で、りょかが真っ先に駆け寄ってくる。
「〇〇……!」
そっと、でも強く抱きしめられる。
「大丈夫?怖かったよね……ごめんね、遅くなって」
りょかの声は少し震えていて、
背中を撫でる手が、信じられないくらい優しい。
「……りょか……」
名前を呼んだ瞬間、我慢していたものが一気に溢れた。
「……会いたかった……」
「うん、帰ろ。もう大丈夫だから」
もととひろは男を床に転がしたまま、〇〇を見る。
「……触られた?」
「怪我は?」
首を振ると、二人とも一気に力が抜けた顔をした。
「……ほんとに……」
「無事でよかった……」
家に帰る夜道。
〇〇は三人に囲まれて歩いていた。
右にひろ、左にもと、後ろからりょか。
離れないように、まるで壊れ物みたいに。
家に着くと、そのままソファに座らされる。
「水」
「毛布」
「ここ、痛くない?」
質問が止まらない。
「……大丈夫だよ」
そう言うと、三人同時に〇〇を抱きしめた。
「……心臓止まるかと思った」
もとが小さく笑う。
「GPS、入れといて正解だったな」
ひろが優しく頭を撫でる。
「でも、次は夜に一人で行かないで」
りょかが額をくっつける。
〇〇は三人の服をぎゅっと掴んだ。
「……ごめん……」
「謝らなくていい」
「守れたんだから」
「〇〇がここにいる、それだけでいい」
胸がいっぱいになる。
「……大好き」
小さく呟くと、三人は少し照れた顔で笑った。
「知ってる」
「俺らのだから」
「もう離さないよ」
その夜は、四人で同じ部屋で眠った。
〇〇の手を、誰かがずっと握ったまま。
静かな寝息の中で、〇〇は思う。
――ちゃんと、帰る場所がある。
――ちゃんと、愛されてる。
夜の闇よりも、
その安心のほうが、ずっとあたたかかった。
ゆいちゃんのリクエスト!!ありがとねん!
誰が1番にこのお話を見たのかな???|д👁)…ミタ
リクエストじゃんくださいm(_ _)m
コメント
4件
2番選手ゆなでぇぇすす!! もうダメって言われてるのにまた〇〇ちゃんが夜のコンビニに一人で行っちゃうの可愛いww
リクエスト答えてくれてありがと! リクエストしてから書くスピードめちゃ早い笑笑 いっぱい書きすぎて無理しないようにしてね! またリクエストあったら言うね!!!!