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休日の昼。
宮舘の家のインターホンが鳴った。
「はーい。」
ドアを開けると、そこには阿部と深澤が立っていた。
「先生、よろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げる二人に、宮舘は思わず笑った。
「そんなに緊張しなくて大丈夫。」
「入って。」
リビングへ入ると、渡辺がソファでテレビを見ていた。
「おっ、料理教室?」
「翔太もいたんだ。」
「今日は見学。」
渡辺は笑いながら立ち上がる。
「味見係。」
「それ絶対つまみ食い係でしょ。」
深澤が笑う。
宮舘も苦笑しながらキッチンへ向かった。
「今日は何を覚えたい?」
阿部がすぐに手を挙げる。
「めめの好きなグラタン!」
深澤も続く。
「照が好きな生チョコ!」
「できれば失敗しないやつ!」
宮舘は静かに頷いた。
「分かった。」
「じゃあ今日は、その二つを作ろう。」
___________
近くのスーパーで食材を買い、まずはグラタン作り。
宮舘がホワイトソースを作り始める。
「焦らないこと。」
「火加減が一番大事。」
阿部は真剣そのもの。
ノートまで取り出している。
「牛乳は少しずつ……。」
「だまになったら慌てない。」
「ふむふむ……。」
その隣では深澤が玉ねぎを切っていた。
「痛っ。」
「え?」
「玉ねぎで目がぁ。」
渡辺がすかさず笑う。
「切ったんじゃなくて?」
「違う!」
「目が痛いだけ!」
宮舘も笑いながら玉ねぎを受け取る。
「こっちは俺がやる。」
「助かったぁ。」
阿部はホワイトソースを混ぜながら嬉しそうに話す。
「めめがね。」
「おかゆ作ってくれた時、本当に嬉しかったんだ。」
「だから今度は、俺が作ってあげたくて。」
宮舘は優しく微笑む。
「目黒なら喜ぶ。」
「きっと。」
阿部は照れながら頷いた。
___________
オーブンへ入れると、次は生チョコ。
「チョコは刻む。」
「細かい方が溶けやすい。」
宮舘が説明する。
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篝火

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深澤は慎重に包丁を動かす。
「料理って意外と細かい。」
「ふっか。」
渡辺が笑う。
「照のためなら頑張れるでしょ?」
「……まあね。」
少し照れながら答える。
「生チョコ作ったら、絶対喜ぶと思う。」
「俺、料理苦手だからさ。」
「こういうの覚えたい。」
宮舘は生クリームを温めながら静かに言った。
「料理は。」
「上手かどうかじゃない。」
「心を込めて作るのが大事。」
二人は同時に頷いた。
「はい!」
___________
しばらくして。
オーブンから焼きたてのグラタンが出てくる。
「わぁ!」
阿部の目が輝いた。
こんがり焼けたチーズが湯気を立てている。
その隣には、切り分けられた生チョコ。
「できた!」
深澤も嬉しそうだった。
「じゃあ。」
渡辺が立ち上がる。
「味見係、出動。」
「あ。」
「ずるい!」
二人が止める前に、一口ずつ食べてしまう。
渡辺は目を丸くした。
「うまっ!」
「本当に二人が作ったの?」
「失礼だな!」
深澤が笑う。
宮舘も一口食べて頷いた。
「二人とも上出来。」
「グラタンも。」
「生チョコも。」
「ちゃんと恋人に出せる。」
阿部はほっと息をつく。
「よかったぁ。」
深澤も胸をなで下ろした。
「これで照に食べてもらえる。」
宮舘はラップで包みながら言う。
「今日覚えたら終わりじゃない。」
「また作ること。」
「何度も作れば自然と覚える。」
「はい!」
二人の返事がきれいに重なった。
帰り際。
阿部はグラタンの入ったエコバッグを大切そうに抱える。
深澤は生チョコの箱を落とさないように両手で持っていた。
渡辺はそんな二人を見送りながら笑う。
「今日は帰ったら。」
「めめと照、幸せだろうな。」
宮舘も穏やかに微笑んだ。
「恋人のために覚える料理が、一番おいしくなるからね。」
その日の夜。
目黒は阿部が作ったチーズたっぷりのグラタンを。
岩本は深澤が少し照れながら差し出した生チョコを。
どちらも「今までで一番おいしい」と笑顔で食べてくれた。
その笑顔を見た二人は、「次はもっと違う料理も覚えよう」と、また新しいレシピに挑戦することを心の中で決めるのだった。
コメント
1件
うわあ、めちゃくちゃいいエピソードでした…。「恋人のために覚える料理が一番おいしくなる」って宮舘先生の台詞、沁みますね。阿部くんが目黒くんのおかゆに感動して自分も作ってあげたいって思う気持ちも、深澤くんが不器用ながら岩本くんに喜んでほしくて頑張る姿も、全部優しさでできてる。渡辺くんのつまみ食い係も絶妙な緩和剤になってて、読んでて自然と頬が緩みました。料理を通して愛情が循環してる感じがたまらないです。