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オメガバースパロディ
ここは男女の性別と、もうひとつ第二の性がある世界。
第二の性はα、Ω、βの3つに分類される。
αは能力全般が人より抜き出ていて社会的地位が高い。エリート種族。
βは人口の半数を占めるいわゆる一般人。
Ωは最も数の少ない希少種。1番の特徴は月に1度1週間ほどヒートと言われる発情期に襲われる。
Ωがヒートの際に出すフェロモンはαの欲望、時にはβをも刺激し、引き付けてしまう。
Ωはαと番になることでフェロモンが番以外に効かなくなる。
番になるには発情期のΩと性交中に首の後ろ、うなじを噛むことが必要。
ずっと隠してきた。誰にもバレてはいけない。俺がΩだということは。
「〇〇くんってΩらしいよ」
「えー、かっこよくて好きだったのに!Ωは無理だよね」
「わかる、あれってだって自分で性欲も抑えられないんでしょ笑動物と変わんないじゃん笑」
「それなー、汚いよね笑」
「この前たまたまヒート中のΩ見つけてさ、まじ理性飛んでくそ気持ちかった笑」
「うわまじ、ずる!俺もΩとヤりてー」
「あいつら俺たちα様には逆らえないからな笑笑笑笑」
「まじかわいそーな人種だよな笑」
Ωは社会的地位が低い。タチの悪いαに見つけられればただのオナホになる。
15歳の時の検査で俺がΩだということがわかった。
「あなたはβとして過ごしなさい。絶対にΩだということはバレてはいけないからね。」
母はそう俺に言った。
そこから俺は必死にΩであることを隠した。
どれだけ信用していてもメンバーすらその事を知らない。知られてはいけなかったんだ。
いつも通りのリハ終わり、みんなが帰り支度をしている時に異変に気づいた。
息が浅くなる。視界がぼやけて、鼓動が速くなっていく。
喉が熱くて、身体の芯から溶けそうに熱い。
ヒートだ。
「なんか甘い匂いしない?」
いち早く変化に気づいたのはαの性をもつ永玖だった。
まずい、この場から離れないと。
俺はふらつく足でその場を後にして誰もいない、使われていない倉庫に身を隠した。
なんで今、、この間のヒートからまだ1週間ほどしか経っていないのに。
抑制剤はカバンの中だ。でもそんなものを取っている間に鼻の良いαは俺に気づいてしまう。
大丈夫、ここなら誰もこない。1度果てれば少しは落ち着くのだから。大丈夫。
そう自分に言い聞かせた。
既にトロトロに溢れて大きくなっている自分のモノを空気に触れさせ、いつも通り扱っている時
ーーカチッ
ドアノブを回す音がなった。
「、、なおくん?」
聞き慣れた、でも今だけは聞きたくなかった声。
颯斗だった。
「、、やっぱり、ここにいた」
「まっ、、て、颯斗、、、今、来ないで、、っ」
「さっきふらついてたから心配、、で」
颯斗は目の前の光景を見てひどく驚いた顔をした。
「、、なおくん、もしかして」
「お願い、、こないで、、出てって泣」
颯斗はゆっくり近づいてくる。
「抑制剤、もってないの?」
終わった。ずっと隠していた秘密がついにバレてしまった。
心はどんどん冷たくなるのに身体の熱は下がるどころかあがる一方だ。
頭が上手く回らない。苦しい。早くこの熱から解放されたい。
こんな状況でも自分の意思とは反して身体が、本能が、求めてしまう。
「たすけ、、って、くるし、、」
「ごめんなおくん、今は許して」
颯斗はどんな顔をしていたんだろう。
俺のモノは颯斗の手で欲を満たした。
身体が落ち着くまで颯斗はその場を離れなかった。
「誰にも、誰にも言わないで!」
思考を取り戻して1番にでてきた言葉がそれだった。
「大丈夫だよ、誰にも言わない。
今まで1人で抱えてきて、頑張ったね」
颯斗のその一言で涙がこぼれそうになった。
頑張ったね。
その言葉で少しだけ救われた気がした。
「俺はβだからなおくんがどんな風に生きてきたかは見当もつかないけど、もしまたこんなことがあれば少しでも力になるよ。」
どこまでこの男は優しいのか。
心のどこかで俺は誰かに気づいて欲しかったと思っていたのかもしれない。
色んなものを書き途中なのですがまた新しいお話です
1話目から読み応えのあるものになりました
今回は終わりまでの道ができているので早いと思います笑