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鷹槻れん

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鷹槻れん

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坂野真夢
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その時は、社長がなぜ私を雇ってくれたのか分からなかったけど、今なら分かる。
桶川さんは株式会社フェンスのブレーンだ。どんなWebサイトの穴も見つける彼の脆弱性診断には定評がある。
その彼の機嫌を損なうことは、そのまま会社の利益の損失に繋がる。
よくわからない事務を雇ってでも彼の機嫌は取っておきたかったに違いない。
私としても、結果的に給料が上がって万々歳だった。
若干残業が多いのが気になるけれど、目の保養ともいうべきイケメンがいっぱいいるからそれはそれでオッケー。
どうせ彼氏が待ってるとかいうこともないし。
一応、私の職種は受付事務となり、受付スペースに陣取ってはいるけれど、この会社の仕事は主に客先に出向くほうが多く、来客はほぼ来ない。要件は電話かメールが主だ。
結果として、実際に受付の仕事はほとんどなく、私は毎日桶川さんに顎で使われている状態だ。
そして、来客が少ない故に、社内の雰囲気は緩い。緩すぎなほどだ。
「……桶川さん、重い!」
受付デスクに腰を預けつつ、座っている私の頭に片肘をついて、桶川さんが先ほど渡した資料を眺めている。
「悪い悪い、ちょうどいい位置にあったもんで」
「これ以上身長が縮んだらどうするんですか」
「上半身だけ縮めば、足長くなって見えていいんじゃね?」
「いーやーです!」
何が面白いのか知らないけれど、桶川さんは私をからかうのが楽しいらしい。
それはムカつくけど、この職場での仕事は私にとっても楽しい。
社員は男性が多いけれど、今のところ粘着質な人はいないし、みんな顔も性格もいいのできっと彼女とかもいるのだろう。常識的な範囲で仲良くしてくれる。
ストーカーに悩まされていた私にとって、あっさりとした人間関係ほど心を落ち着かせてくれるものはない。
まあ、桶川さんはちょっと馴れ馴れしすぎるけれど。
コメント
1件
お疲れー!第8話読んだよ。 主人公の「給料上がって万々歳」「イケメンいっぱいでオッケー」ってスタンス、めっちゃ共感するわw ストーカー被害から逃げてきたのに、桶川さんに「重い!」とか言いながらも楽しそうでほっこりした。緩い職場の空気が伝わってきて読んでて安心するなあ。次も楽しみにしてる🔥