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キルアの服で彼シャツ🤭
キルアは×××の家に泊まりに来ていて、
今はお風呂の中。
その間、×××は自分の部屋でそわそわしていた。
(……一回くらい、着てみたいな)
視線の先には、
キルアがさっきまで着ていた上の服。
少し迷ってから、
誰にも見られないようにそっと手に取って――着てみる。
「……」
思った以上に大きくて、
袖は手をすっぽり隠してしまうし、丈も長い。
「ぶかぶか……」
でも、それが逆に落ち着く。
×××はそのまま、ちょこんと床に座って待つことにした。
――その頃。
キルアはお風呂から出て、
いつものように服を探して……一瞬固まる。
「……あれ?」
上の服が、ない。
「……マジか」
少し迷った末、
仕方なくそのまま部屋に戻る。
ドアを開けた瞬間――
目に入ったのは、
自分の服を着て座っている×××。
「……っ!?」
キルアは一瞬で顔が熱くなる。
「な、なんでそれ……」
×××も気づいて、慌てて立ち上がる。
「ご、ごめん!
今すぐ脱ぐから……!」
そう言いかけたところで、
キルアが視線を逸らしながら言う。
「……い、いや」
少し間を置いて、
照れたまま続ける。
「着てていい。
俺、別の着るから」
そう言って、
急いでクローゼットに向かう。
背中を向けたまま、
小さくため息。
(……心臓に悪すぎ)
×××はおそるおそる聞く。
「……似合ってる?」
キルアは一瞬黙って、
振り返らずに答える。
「……反則」
「え?」
「ぶかぶかなのが、
……すごく似合ってる」
耳まで真っ赤になりながら、
でも止まらない。
「可愛いし、
なんか……落ち着くし」
最後は小さな声で。
「……俺のだから、余計」
×××が照れて黙り込むと、
キルアはやっと振り返って、
少しだけ優しく笑う。
「今日は甘々でいくから。
覚悟しとけ」
からかうような言い方なのに、
目はすごくやさしかった。
ぶかぶかの服のまま、
×××はソファでいつの間にか眠ってしまっていた。
規則的な寝息。
袖に埋もれた手。
完全に無防備。
キルアは少し離れたところから様子を見ていて――
ふと、×××が寝返りを打つ。
その拍子に、
大きすぎる服がずれて、肩が少しだけ見えた。
「……っ」
キルアは思わず目を逸らす。
(無防備すぎだろ……)
一瞬迷ってから、
そっと近づく。
「……起きるなよ」
小さく呟いて、
服を直そうと、指先で軽く引き寄せた――
その瞬間。
「……きるあ?」
×××の声。
「なっ……!?」
キルアは一気に手を引いて、
思いきり距離を取る。
「ち、ちがっ……!」
顔は一瞬で真っ赤。
「な、何してたんだよ俺……!」
×××はまだ少し眠そうな目で、
きょとんとしたあと、
自分の肩と服を見て――状況を察する。
「……あー」
そして、にやっとする。
「ふーん?」
わざとらしく言うと、
キルアはさらに焦る。
「ちがうからな!
ただ服がずれてて……!」
「へぇ?」
×××はわざと、
少しだけ肩をすくめる。
「直してくれようとしたんだ?」
「……っ」
キルアは視線を逸らして、
頭をぽりっと掻く。
「……無防備すぎ。
心臓に悪い」
小さな声でそう言うと、
×××はくすっと笑う。
「キルアが泊まりに来てるからだよ」
その一言で、
キルアは何も言えなくなる。
「……もう寝ろ」
そう言って、
今度はちゃんと距離を保ったまま、
毛布をそっとかけてやる。
「次ずれたら、
今度は起こすからな」
×××は安心した顔で、
また目を閉じた。
キルアはその横で、
小さく息を吐く。
(……ほんと、反則)
朝の光がカーテンの隙間から差し込んで、
×××はゆっくり目を覚ました。
「……あ」
まだ着ているのは、
昨夜そのままのキルアのぶかぶかの服。
袖は相変わらず手を隠してるし、
丈も長い。
×××はそれを見て、
ちょっと嬉しそうに微笑む。
「……落ち着く」
そのままリビングに行くと、
キルアはすでに起きていて、飲み物を用意していた。
「おはよ」
「おはよー」
ご機嫌そうな声。
くるっと一回転してみせる。
「ね、まだ着てる」
キルアは一瞬だけ目を止めて――
すぐに視線を逸らす。
「……気に入ったのかよ」
「うん。ぶかぶかで好き」
その言葉に、
キルアの耳がじわっと赤くなる。
(可愛いとは思うけど……)
(……意識するんだっての)
少しだけ困った顔で、
キルアは頭をかく。
「……あのさ」
言いかけて、少し迷ってから続ける。
「似合ってるのは、認める。
でも……その……」
×××が首をかしげる。
「でも?」
「……ずっと着られると、
ちょっと……落ち着かない」
正直な声。
×××は一瞬きょとんとしてから、
すぐににやっとする。
「意識してる?」
「……するに決まってんだろ」
即答。
「ぶかぶかで、
俺の服で、
しかも朝からご機嫌とか……」
ため息まじりに言う。
「心臓もたない」
×××は楽しそうに笑って、
袖をきゅっと握る。
「じゃあ、
あとちょっとだけ」
「……ほんと、ちょっとな」
そう言いながらも、
キルアは強く言えない。
「朝ごはん食べたら、
着替えろよ」
そう言って背を向けるけど、
口元は少し緩んでいた。
(……やっぱ可愛いんだよな)
「……じゃ、最後ね」
×××はそう言って、
キルアの服の袖を軽くつまんだまま並ぶ。
「一枚だけだからな」
キルアはそう言いつつ、
スマホを構える手はちょっと緊張している。
カメラに映るのは、
ぶかぶかの服を着た×××と、
少し距離を取ろうとして失敗してるキルア。
「はい……撮るぞ」
カシャ。
撮れた写真を確認して、
×××は満足そうに笑う。
「記念だね」
「……俺の心臓のな」
そのあと、×××は素直に部屋へ戻って着替えてくる。
しばらくして戻ってきて、
丁寧にたたんだ服をキルアに差し出す。
「ありがと。借りてた」
「……おう」
受け取った瞬間、
キルアは一瞬、動きを止める。
服から、
ほんのり×××の匂いがした。
「……っ」
思わず顔を背ける。
「な、なに?」
×××が不思議そうに聞くと、
キルアは咳払いして誤魔化す。
「……なんでもない」
でも耳は真っ赤。
服を抱え直して、
少しだけ小さな声で言う。
「……その……
いい匂いするから」
×××が一瞬固まってから、
じわっと顔が赤くなる。
「……言わなくていいのに」
「言うつもりなかった」
そう言いながら、
キルアはその服をそっと畳み直す。
「……でも」
一拍置いて、照れたまま続ける。
「また泊まるときは、
貸すのは考えとく」
×××が笑う。
「ぶかぶかのやつ?」
「……それ以外」
朝の光の中、
二人とも少し照れたまま、
でも気持ちはちゃんと温かかった。
to be continued….
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