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佐野side
可愛すぎる。
だめだ、可愛すぎる。
あれから何年か経った
気持ちが抑えきれなくなりそうになる度に、冷静を装って少し喋らなくもなった。
もう自分の手の中で大事に保管しておいた方がいいんじゃないだろうかとも思う。
楽屋で彼は鼻唄を歌いながら、衣装チェックをしている。
🤍「うわっ」
ふと、キャスター付きのハンガーラックに足を引っ掛けて転びそうになっている
🤍「あいてっ」
そのままハンガーラックに頭をぶつける
🤍「ふふっ」
そのまま、へにゃっと笑う顔
🩷「…..っ」
だめだ、ニヤけてしまう。
❤️「じゅうちゃん大丈夫?」
🤍「ん、だぃじょぶ」
❤️「もう、ほんまおっちょこちょいやなぁ」
ガチャッ
💙「ふぃ〜おわった、おわった」
🤍「おかえり、だいちゃん」
💙「あかん、めっちゃ熱い!
この衣装ロング丈やし」
🤍「ごめんね、これ生地分厚いよね
この柄が良かったんだけど薄いのなくて」
💙「ごめん、そんなつもりやないから
そんな顔せんといてや」
❤️「そうやで、俺この柄めっちゃ好きやし
なあ、勇ちゃん!」
🩷「うぇっ!俺は…」
ガチャッ
スタッフ「曽野さん、準備お願いします」
❤️「はーい!
ほんなら行ってくるねー!!」
🤍「いってらっしゃい…」
再び柔太朗は衣装を触り、じっと布を見つめている。
🤍「メッシュにしたら解消されるかなぁ」
背中部分を指でさすりながら呟く。
🩷「…..っ」
考えている時に出る唇が尖る癖が可愛すぎて、手に持ってたスマホに視線を落とし、やり過ごす。
🤍「はやちゃんはどう思う?」
甘い声で呼ばれて、ふいに視線をスマホから離すと、さっきまでラックの前にいたはずの柔太朗の顔が目の前に現れた。
🩷「ちょっ…近っ」
🤍「あっごめん…」
柔太朗の顔が少し俯き、怒らないでと言うかのような上目遣いでこっちを見つめてくる。
顔が燃えるように熱い
そんなこっちのこともお構いなしに柔太朗は続ける
🤍「はやちゃん暑がりだから
薄い方がいいかなって…」
🩷「俺は…まあ、暑くても平気…」
また、そっけなく返してしまう
🤍「そっか…」
柔太朗は立ち上がり、再び衣装を見つめはじめた。
ああ、また一つ罪を重ねた。
そんな顔をさせたい訳じゃないのに。
嘘をつく自分が嫌いだ。。
💙「なんちゅう顔してんの?」
目線を上げると呆れた顔の太智がいた。
💙「柔太朗となんかあったん?」
🩷「いや、別に…」
💙「ふーん」
太智は何か言いたげな雰囲気だったが、スタイリストさんに衣装の返却を催促されて、フィッティングルームへと消えていった。
🩷「はぁ…」
自分の行動に溜息が出る。
再びスマホに視線を落とそうとした時、柔太朗でも太智とも違う鋭い視線を感じた。
この視線は良く知っている。
やっぱり…。
視線を感じる方向に目をやると、ソファから前のめりに座り、膝に肘を乗せて、頬杖をつきながらこっちを半分睨んでいるかのような目で見つめる奴がいた。
M!LKのリーダー、吉田仁人だ。
別に睨んでいる訳ではない。
よく分かっている。
奴は元々目つきが悪い。
それに釣り上がった眉尻が余計に睨みを利かせているように感じるだけなのだ。
💛「….。」
いや違う睨んでいるな。
いつもと違う。
🩷「あの、なにか?」
恐る恐る聞いてみた。
💛「フッ…」
奴は少し鼻で笑い、イヤホンを耳に付け直し、視線をスマホに戻した。
🩷「???(一体なんなんだ…)」
🤍「…..。」
やわ
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