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吉田side
アイツはバカなんだろうか。
もう何年の付き合いになるんだろうか?
まぁ、長くアイツを側で見てきた訳だけど、あそこまでぎこちないアイツは見たことがない。
それに嘘が下手すぎる。
なんだアイツ、本当に一流俳優なのか?
んで、こっちにいる奴も様子がおかしい。
さっきからピンクのコートの背中の部分を虚ろな目で見つめ、お気に入りの装飾がほつれるんじゃないかってくらい手のひらでなぞっては溜息をついている。
🤍「…ハァ…」
んで、半袖小僧は…
いつまで衣装着てんだよ。
ん?何か勇斗と話しているのか。
帰ってきた時はあんなにうるさかったはずなのに、嫌に静かに喋っている。
なんなんだこの楽屋。
居心地が悪い。
太陽みたいな末っ子がいなくなるとこうも楽屋は寒くなるのか?
なんか飲み物買いに行くフリして楽屋出よ。
🤍「よっすぃーはどう思う?」
💛「…は?」
突然の問いかけに思ってもない口調で返してしまう。
🤍「あ、いや別に…」
ごめんな、柔太朗。
柔太朗は気遣いの人間だ。
ちょっとの変化でも感じ取ってしまい、気を遣って傍観したり、話を中断してしまう事がある。
俺は耳にしていた何も音の流れていないイヤホンを外し、口調をいつもの口調に戻してゆっくり話し始める。
💛「ごめん、急に呼ばれてびっくりしただけだから…
んで、柔太朗どうした?」
さっきまでの負のオーラがなかったかのようにへにゃっと笑いながらポツリと話しはじめる。
🤍「はやちゃんって暑がりだから、この袖の繋ぎ目部分とかだけメッシュ生地に出来ないかなって思ったんだけど…」
💛「まあ、この生地他のに比べてだいぶと厚いもんな」
🤍「ぅん、この装飾が可愛くてオーダーしたんだけど、冬用コートの生地だったらしくて」
💛「そっか…
でもこの生地、柔太朗お気に入りだろ?
まあ、勇斗に聞くのが早いんじゃね?
暑がりなのアイツだし」
🤍「ぅん、でもはやちゃん
暑くても平気だって…」
また柔太朗が負のオーラを纏い出す。
💛「….。」
アイツまた嘘ついたな
どんだけ柔太朗困らせんだよ。
🤍「じんちゃん?」
💛「ん?ごめんごめん
まあ、勇斗なりの思いやりじゃね?
柔太朗の衣装に対する想いはみんなよく分かってるからさ」
フォローになってんのか俺?
てか、なんでアイツのフォロー俺がすんだよ!
🤍「そっか…ありがとう…。」
柔太朗の表現が少しだけ晴れた。
そう言うと柔太朗はハンガーラックに握りしめていたピンクのコートを丁寧に戻した。
んで、問題はこっちだな。
視線をアイツに向けると、さっきまでいたはずの青色の塊は消えていた。
俺の視線に気づいたアイツがこっちを見る。
🩷「あの、なにか?」
今、自分睨んでるんだな。
目つきが悪いのは元々なもんで、それはメンバーもよく知っている。
でも違う。
アイツが少し怯えぎみに話してきたと言うことは多分、俺は今睨んでるんだ。
まあ、いいか。
自分の気持ちに蓋をしようとするアイツが悪い。
さて、この2人どうするべきだろうか。
いや、こう言うことは下手に手を出すべきではない。
本人たちに任せることに限る。
まあ、なんか仕事に支障が出たら考えるか。
とりあえず、お前のフォローはしといたからな
と言う気持ちで、アイツを睨みつけておいた。
って俺、子供かよ。
💛「フッ…」
鼻で笑ってしまったのを、誤魔化すかのように俺はまたイヤホンをつけて事をやり過ごした。
やわ