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あまね🍡💠
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いやもう…第24話「相性」、めっちゃ良かったです😭✨ 黒崎と天城の連携訓練、見てるこっちがハラハラしたよ! 炎と風って組み合わせたら最強っぽいのに、実際は慎重すぎる黒崎と感覚派の天城で全然噛み合わなくて…でも最後の「合うまでやればいいじゃん」って天城のセリフ、めっちゃ刺さった!!! 相性って最初から決まってるわけじゃないんだなって思わせてくれるエピソードでした🔥💕 湊くんの「難しいな」って呟きにも共感しかない…次回も楽しみにしてます!
放課後。
育成プログラム施設。
湊が訓練場へ入ると。
すでに何人かのメンバーが集まっていた。
九条。
蒼井。
如月。
そして。
少し離れた場所に。
二人の姿があった。
一人は。
壁際に立ち。
訓練施設を見ている。
黒崎駿斗。
炎の能力者。
もう一人は。
その隣。
立っている。
いや。
じっとしていない。
右へ行ったり。
左へ行ったり。
床に書かれた線の上だけを歩いている。
天城楓。
風の能力者。
「何してるんだろう。」
湊が呟く。
「さあ。」
隣から声がした。
如月だった。
「如月にも分からないの?」
「分からない。」
「ずっと見てるのに?」
「見てるからって。」
如月は天城を見る。
「全部分かるわけじゃないよ。」
「そうなんだ。」
「うん。」
天城が。
床の線から落ちた。
「あ。」
小さく声を出す。
そして。
また最初の場所へ戻った。
「……何してるんだろう。」
湊がもう一度呟く。
「さあ。」
如月も。
もう一度答えた。
その時。
「集合。」
日下部の声が響いた。
メンバーたちが集まる。
天城も。
床の線を歩くのをやめた。
「今日は連携訓練を行う。」
日下部は全員を見る。
「能力は。」
「一人で使うとは限らない。」
「複数の能力を組み合わせることで。」
「一人ではできないことが可能になる場合もある。」
湊は。
輝羅を見る。
雷。
九条を見る。
念力。
如月を見る。
氷。
蒼井を見る。
超怪力。
黒崎を見る。
炎。
天城を見る。
風。
確かに。
違う能力を組み合わせれば。
できることは増える。
「ただし。」
日下部が続ける。
「能力を組み合わせれば。」
「必ず強くなるわけではない。」
湊は日下部を見る。
「組み合わせることで。」
「危険になる能力もある。」
日下部が名前を呼ぶ。
「黒崎。」
「はい。」
「天城。」
「はーい。」
二人が前へ出る。
黒崎は。
ゆっくり歩く。
天城は。
その横を歩きながら。
何かを見ている。
「何見てる。」
黒崎が聞く。
「何も。」
「じゃあ前を見ろ。」
「見てるよ。」
「俺を見てただろ。」
「見てた。」
「何も見てないんじゃなかったのか。」
「駿斗は何もじゃないよ。」
「……。」
黒崎は黙った。
湊は二人を見る。
あまり。
似ていない。
そう思った。
――――――――
訓練施設。
倒壊した建物の内部を再現している。
瓦礫。
金属製の柱。
狭い通路。
奥には。
救助者を想定した人形が置かれている。
しかし。
そこへ続く道は。
倒れた金属の柱によって塞がれていた。
日下部が説明する。
「想定。」
「大規模災害。」
「ライフラインは停止。」
「建物内部に要救助者一名。」
「救助経路は金属製の障害物によって塞がれている。」
黒崎が。
金属を見る。
「黒崎。」
「お前の炎で障害物を切断しろ。」
「はい。」
「ただし。」
日下部は天城を見る。
「内部には煙が充満している。」
「切断した金属は高温になる。」
「天城。」
「お前の風で。」
「熱と煙を制御しろ。」
「はーい。」
天城は答える。
日下部は。
二人を見る。
「制限時間は十分。」
「始めろ。」
――――――――
黒崎が動いた。
まず。
金属には近づかない。
周囲を見る。
床。
天井。
壁。
可燃物。
救助者の位置。
「……。」
何も言わない。
天城が待つ。
「まだ?」
黒崎は答えない。
さらに。
周囲を見る。
「駿斗。」
「何だ。」
「もう三十秒経ったよ。」
「だから何だ。」
「十分しかない。」
「分かってる。」
黒崎は。
倒れた金属の柱を見る。
「天城。」
「何?」
「風の向きは。」
天城が。
少しだけ手を上げる。
髪が揺れる。
「今はこっち。」
指を差す。
「変わるか。」
「変わるかも。」
「……。」
黒崎が天城を見る。
「何?」
「分からないのか。」
「風だから。」
「風だから?」
「変わるでしょ。」
「お前が操るんだろ。」
「そうだけど。」
天城は笑う。
「外の風は私のじゃないよ。」
黒崎は。
しばらく天城を見る。
「……分かった。」
「何が?」
「お前に聞いた俺が悪かった。」
「そう?」
「そうだ。」
湊は。
少し離れた場所から二人を見ていた。
「始めないね。」
隣にいる九条が言う。
「うん。」
「黒崎は慎重だからな。」
「慎重?」
「あいつの能力は炎だ。」
九条は訓練施設を見る。
「一度広がれば。」
「自分の能力を止めても、火は消えない。」
湊は。
黒崎を見る。
炎を出す。
それだけなら。
簡単に見える。
でも。
出した炎が。
何に燃え移るのか。
どこまで広がるのか。
能力を止めた後も。
考えなければならない。
「始める。」
黒崎が言った。
天城が前を見る。
黒崎は右手を伸ばす。
次の瞬間。
炎が上がった。
ゴオッ!
炎が。
金属の柱を包む。
「……すごい。」
湊が呟く。
炎の大きさは。
それほど大きくない。
黒崎は。
金属の一部分だけを狙っている。
炎が。
少しずつ金属を赤くしていく。
天城は。
その様子を見ていた。
じっと。
炎を見る。
そして。
右手を動かした。
風が吹いた。
次の瞬間。
ゴオオオッ!
炎が。
一気に大きくなった。
「っ!」
黒崎が。
すぐに手を下ろす。
炎が消える。
訓練施設に。
静けさが戻った。
「天城。」
黒崎が言う。
「何?」
「何で風を送った。」
「もう少しで切れそうだったから。」
「まだだ。」
「でも。」
「まだだ。」
黒崎は。
もう一度言った。
「切れそうと。」
「切れたは違う。」
天城は。
赤くなった金属を見る。
「でも。」
「風を送ったら早くなるよ。」
「炎も強くなる。」
「うん。」
「強くなりすぎたら。」
黒崎は。
周囲を見る。
「ここに燃え移る。」
近くには。
木材を想定した可燃物。
「こっちにも。」
布。
「炎が広がったら。」
黒崎は。
奥を見る。
「助ける前に。」
「逃げ道がなくなる。」
天城は。
何も言わなかった。
黒崎は。
もう一度金属を見る。
「俺が言うまで。」
「風を使うな。」
「分かった。」
訓練が再開する。
――――――――
再び。
黒崎が炎を出す。
今度は。
天城は動かない。
じっと待っている。
炎が。
金属を焼く。
少しずつ。
赤くなる。
時間が過ぎる。
「……。」
天城が。
黒崎を見る。
でも。
何も言わない。
黒崎は。
金属だけではなく。
周囲を見ている。
炎。
煙。
床。
天井。
何度も。
確認する。
「黒崎。」
日下部の声がした。
黒崎が。
一瞬だけ日下部を見る。
「残り五分。」
「……はい。」
黒崎は。
再び前を見る。
湊は。
黒崎の横顔を見る。
慎重。
確かに。
そうなのかもしれない。
でも。
少しだけ。
慎重すぎるようにも見えた。
時間は。
待ってくれない。
災害現場なら。
奥には。
本当に人がいる。
「駿斗。」
天城が言った。
「何だ。」
「まだ?」
「待て。」
「さっきも待った。」
「まだだ。」
「あと五分だよ。」
「分かってる。」
「本当に?」
黒崎が天城を見る。
「黙ってろ。」
「はーい。」
天城は。
素直に黙った。
でも。
少しして。
「駿斗。」
「……何だ。」
「煙。」
黒崎が見る。
炎から上がった煙が。
少しずつ。
奥へ流れている。
救助者役の人形。
その方向へ。
黒崎の表情が変わった。
「天城。」
「うん。」
「煙を外へ流せ。」
「分かった。」
天城が。
手を動かす。
風が吹く。
煙が。
ゆっくりと方向を変える。
救助者から離れ。
出口へ向かう。
「……。」
黒崎は。
その様子を見る。
そして。
再び炎を強くした。
金属が。
さらに赤くなる。
あと少し。
その時。
天城が。
手を動かした。
強い風。
ゴオッ!
炎が。
消えた。
「……。」
黒崎が止まる。
天城も止まる。
「消えた。」
天城が言った。
「消したんだよ。」
「私が?」
「他に誰がいる。」
「風、強かった?」
「強すぎる。」
「そっか。」
天城は。
少し考える。
「じゃあ次は弱くする。」
「そういう問題じゃない。」
「違うの?」
「違う。」
「じゃあ何?」
黒崎は。
何かを言おうとした。
でも。
止めた。
「……もういい。」
「何で?」
「説明してる時間がない。」
黒崎が。
もう一度炎を出す。
天城は。
その横顔を見る。
「残り三分。」
日下部の声。
炎が。
金属を焼く。
黒崎は。
今度は止まらない。
炎。
周囲。
煙。
何度も見る。
天城も。
何もせず待つ。
そして。
金属が。
ついに焼き切れた。
ガンッ!
倒れる。
「天城!」
黒崎が叫ぶ。
「うん!」
天城が。
強く手を振る。
風が吹いた。
焼き切った金属へ。
一気に。
「待て!」
黒崎が叫ぶ。
風が。
熱を持った金属を冷ます。
同時に。
周囲の灰が。
舞い上がった。
煙が。
大きく流れる。
そして。
救助者役の人形へ向かっていく。
「逆だ!」
黒崎が叫ぶ。
「え?」
「煙!」
天城が見る。
すぐに。
風向きを変える。
しかし。
今度は。
灰が通路へ飛んだ。
「強すぎる!」
「早く冷ました方がいいでしょ!」
「早ければいいわけじゃない!」
「じゃあどうするの!」
「考えろ!」
「考えてるよ!」
「考えてない!」
「考えてる!」
二人の声が。
訓練施設に響く。
その時。
終了音が鳴った。
訓練終了。
二人が止まる。
金属は。
切断されている。
でも。
救助者役の人形には。
煙が届いていた。
通路には。
灰が散らばっている。
完全な失敗。
そういうわけではない。
でも。
成功でもない。
――――――――
「終了。」
日下部が言う。
黒崎は。
何も言わない。
天城は。
舞った灰を見ている。
「戻れ。」
「はい。」
「はーい。」
二人が。
訓練施設から出てくる。
湊は。
二人を見る。
黒崎の炎。
天城の風。
最初。
湊は思っていた。
炎に風。
組み合わせれば。
もっと強くなる。
でも。
違った。
風が弱ければ。
炎を強くする。
強すぎれば。
炎を消す。
方向を間違えれば。
煙を人へ送る。
熱を冷ますことだけを考えれば。
灰を飛ばす。
強い能力を。
二つ合わせれば。
もっと強くなる。
そんなに。
単純ではない。
「難しいな。」
湊が呟く。
「何が?」
如月が聞く。
「連携。」
「うん。」
「一人なら。」
湊は訓練施設を見る。
「自分のことだけ考えればいい。」
「でも。」
「二人だと。」
「相手が何をするのかも考えなきゃいけない。」
如月は。
黒崎と天城を見る。
「それだけじゃないよ。」
「え?」
「相手が。」
如月は言う。
「何を考えてるのかも。」
湊は。
二人を見る。
慎重な黒崎。
感覚で動く天城。
能力だけではない。
考え方も。
全く違う。
「……相性悪そうだな。」
湊が呟く。
少し離れた場所。
輝羅が言った。
「今さら気づいたのか。」
「輝羅は分かってたの?」
「ああ。」
「何で?」
「見てれば分かる。」
「それ、最近よく聞くな。」
輝羅は答えなかった。
――――――――
訓練後。
黒崎は。
一人で金属の障害物を見ていた。
そこへ。
天城が来る。
「駿斗。」
「何だ。」
「怒ってる?」
「怒ってない。」
「怒ってる顔してる。」
「元からだ。」
「そう?」
「そうだ。」
天城は。
黒崎の隣に立つ。
「難しかったね。」
「……。」
「風。」
「……。」
「強すぎた。」
「そうだな。」
「弱いと炎が強くなる。」
「ああ。」
「強いと消える。」
「ああ。」
「煙も。」
「流す方向を間違えるな。」
「うん。」
「灰も飛ばすな。」
「うん。」
黒崎は。
天城を見る。
「分かってるのか。」
「分かってるよ。」
「本当に?」
「多分。」
「……。」
黒崎は。
前を見る。
そして。
小さく息を吐いた。
「やっぱり。」
「何?」
「俺たちは相性が悪い。」
天城は。
少し考えた。
「そう?」
「悪いだろ。」
「何で?」
「見てなかったのか。」
「見てたよ。」
「失敗した。」
「うん。」
「お前の風で俺の炎は強くなる。」
「うん。」
「強すぎれば消える。」
「うん。」
「煙も灰も。」
「うん。」
「だから。」
黒崎は言う。
「相性が悪い。」
天城は。
黒崎を見る。
そして。
笑った。
「じゃあ。」
「……何だ。」
「合うまでやればいいじゃん。」
黒崎が。
天城を見る。
「……。」
「駿斗が炎を止めたら。」
天城は。
手を動かす。
小さな風が吹く。
「私が風を送る。」
「そんな簡単じゃない。」
「分かってる。」
「分かってない。」
「じゃあ。」
天城は。
もう一度笑った。
「分かるまでやればいいじゃん。」
黒崎は。
何も言わなかった。
天城は。
そのまま歩いていく。
「明日もやろうね。」
「誰がやると言った。」
「やらないの?」
「……。」
黒崎は答えない。
天城は。
振り返らずに手を振った。
少し離れた場所。
湊は。
二人を見ていた。
炎と風。
相性が悪い。
確かに。
そうなのかもしれない。
でも。
相性は。
最初から決まっているものなのだろうか。
合わないなら。
合うまでやる。
そんな考え方も。
あるのかもしれない。
「朝霧。」
九条の声。
「帰るぞ。」
「あ、はい。」
湊は。
もう一度。
黒崎と天城を見る。
黒崎はまだ。
訓練施設を見ていた。
その足元。
小さな風が。
静かに吹いていた。
第24話 相性 完