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「え?」
彼は表情がコロコロとよく変わる。
気の抜けた顔をしたと思ったら爆笑し始めて、チェスを見つけて少しつまらなさそうにして、今度はまた僕の発言によって間抜け面になって。
変化が絶えないから、見ていて飽きない。
「俺と、お前が?」
「そう」
「なんで?」
「だって、良い思い出がないだけで別にチェスが嫌いなわけじゃないでしょう?ラグーザは」
「は…………いや、うぅん……そうだけどさ」
返事を渋る彼。彼の中の思い出がどんなものかはとんと見当もつかないが、どうか頷いてくれと願う。
「ぁ〜……ま、いいよ」
「決まりですね。すぐに用意するのでちょっと待ってて下さい」
「ん」
頷いてくれたことに内心ガッツポーズしながら、彼の気が変わらないうちにぱっぱと用意してしまおうと席を立った。