ランジェリーの際から覗く胸の膨らみを唇が上滑り、フロントホックの谷間に口づけが落ちる。
「んっ……あぁ」
ブラの上から手で揉みしだかれて、びくんと微かに身悶える。
「……いい声だ」
その低く密やかなトーンが耳の奥に吹き込まれると、全身がふつふつと粟立つようだった。
手の平の熱感が腰を這い下りて、きつく半身が抱き締められると、
「……ずっとこうしていたいが、あまり君に無理をさせたくはないから」
重なり合っていた身体がふっと離されて、
「……今夜は、ここまでに」
鎖骨の辺りに付けられた唇で、そう告げられた。私を大切に思ってくれる優しげな声音が、薄い皮膚を通して伝わると、身体の奥にまで沁み入るようにも感じられた。
「君も酔いから覚めたばかりだし、ゆっくりと眠った方がいい」
前髪が撫で上げられ、名残り惜しそうに額にチュッと口づけられる。
「僕は、もう帰るから。おやすみ」
囁きとともに離れていく温もりに、「あっ、待ってください……」と、思わず呼び止めた──。