テラーノベル
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この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
※急に始まって急に終わります
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深澤side
『たーだいまー』
呑気に鼻歌を歌いながら扉を開けると、そこは(俺の腰にとっての)地獄でした
『っ?!ぅ”…っわ、なんだこれ…照?ちょ、…どこ、いんの』
玄関にまで漂ってくるほどの強い匂い。間違いなく俺の番のフェロモンの香りだった。多分他の人には効かないとは言えどこんな空気を外に出すわけにはいかない、とドアを閉めて鍵をかけようと後ろを向いた。直後、俺の身体は宙に浮いていた
『なんっ…はぁ?!ちょ、なにしてんの?!わら』
「…ごめ、ベッド直行するから、嫌なら逃げて」
最初は吃驚したけど驚き越えて呆れも越えて笑えてきた。周期把握してなかったのは俺もだし、全部照のせいにするのはフェアじゃないよな。これどうにかできるの俺しかいないわけだし、まあ久々に付き合ってやろうじゃねえの
『逃げれるわけねえだろ、わら』
「そりゃそうか、俺の方が強いかr」
『ちげえよ、好きだからに決まってんじゃん』
「…今それ言う?もう抱き潰すよ」
荒い呼吸とは裏腹に案外優しくベッドにおろされた。お、良かった。ここで死ぬわけにはいかねえからな。噛みつくようなキスを受け入れ、早く入らせろと主張する彼のそれを膝でぐり、と押しながら片手で自身のシャツのボタンを外す
『ん』
「…?」
『めんどくなってきたから、脱がして』
「お前さあ…」
ラットのときのαの意識を何か一つに集中させたらやばい、照みたいに物理的に強いやつは特に。それがわかってるからこうなったときはいつもより多く話しかけることを心掛けている。気休めにしかなってないような気がするし、意味があるのかはわかんないけど
『嫌そうな顔するけど結局すんだもんねー』
「だって、んなこと言ってる場合じゃないし」
『だよなぁ。んー…触発されて俺もヒート来そー…』
「今フェロモン出されたら俺やばいよ?」
『でも不可抗力だから。元はと言えばお前のラットのせいだし…』
なんやかんやごちゃごちゃ言っていると身体が熱を持ってくる。あーあ、こんな筈じゃなかったのに。帰ってきたときとは別の甘い香りが部屋中に充満したとき、彼の眼がギラリと光った気がした
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自分の身体が自分のものじゃないように感じる程、彼に支配される。俺以上に俺の良いところを知っている彼は、もうどれくらいの時間が経ったかわからないくらい長い間俺の中を蹂躙し続けていた
『っ…ちょ、っ…ぅ”、♡ひ、かる、♡』
「はぁ…っぁ、…出る、」
もう何度目かわからない絶頂と共に、静かに唇を噛んで動いていた彼の口が開いて吐息混じりの言葉が零れ落ちる。その息を追うようにして手を伸ばすと彼も同じように手を差し出してきて、指先が触れた。そのまま指を絡めて握ると彼の口元に柔い笑みが浮かんだ
「…かわい」
『は、ぁ……その、可愛いやつ。お前のこと好きなんだって、わら』
「…煽るようなこと言わないでよ」
また自身の中で彼が硬さを持ち始めたのを感じとりながらも気づかないフリを。気付いたことを勘づかれたらいよいよ俺の命は多分無い。普通にもう体力的限界なんですけど、まだやるつもり?何なのコイツ、絶倫にも程があるでしょ
『…もう終わり、しぬ』
「死なない死なない」
『まだいけんの?!』
「よゆー」
また彼がゆるゆると腰を動かし始めたせいで、俺の口からはぐずぐずと矯声が漏れ出る。あーもう、自分のこんな声聞きたくないのに。てかもう、明日声枯れそうだし腰痛くなりそうだから辞めたいんですけど。仕事に支障きたしたら困りますし
『ん…っぁ、♡ねぇもう、やだって、』
「でも治まんないから…あと一回だけ、付き合って」
『…一回きりだからね』
にんまりと笑みを浮かべたかと思うと優しい口付けが降ってくる。こういうとこは優しいのにこっち全然優しくねえんだよなあ。動く度に聞こえるぐちゃ、ぐちゅ、なんて音から耳を塞ぎたくて、優しいキスにすがるように口付けを繰り返す。その俺の思惑に気付いたのか急に唇が離れていった、ちょっとだけ寂しいけどそれ以上にその後の彼の行動が怖い。なんのために離れたんだよ今
「…っは、音やば。ふっか聞こえる?」
『ぅ…言うなよ、』
わざわざ言葉にされたせいで結合部から聞こえてくる水音が無駄に耳に入るようになる。何時間も前に塗った潤滑剤はもう機能してないだろうから、多分全部俺か照の体液なんだろうなとか考えると恥ずかしくて仕方がなくなる。やめてくれ、まじで。痛いことよりも苦しいことよりも恥ずかしいことのが苦手だって、お前知ってんだろ
「動いたらちょっとずつ出てきちゃってるし、俺が出したの」
『な”っ…もぉ、実況すんな、!』
「ひひ、ごめん笑」
多分真っ赤になっているであろう顔を背けると直ぐに戻されて深く口付けられる。それと同時に律動が再開されて、またあの音が聞こえてきた。柔い肉がぶつかるような音と、あの水音。それに頭が持っていかれそうになりながらも、必死に意識を保とうと彼の手を握ると握り返された
『ん”…っ、~~~♡っぁ、♡っは、、ぁー…♡』
「ふっか。こっち見て」
『ふぅ…、♡…ん、?ぁ、♡っぃ”、ちょ待っ…』
「…はぁッ…可愛い、ねえふっか」
目が合った途端に距離が縮まったかと思うと、ぎゅうっと抱き締められる。苦しくて、気持ちよくて、もうわけがわからない。ただ彼から与えられる快楽を懸命に受け入れ、捌ききれずに身体の中に蓄積させていくだけ。まあでも、今日くらいはそんなんでも良いか、なんて
「ふっか好きだよ、大好き」
『い、ま…んなこと、言うな、!…やば…っィ、きそ、』
「イっていいよ。ほら、一緒にイこ」
耳元で響く彼の低い声に誘われるまま、大して我慢も出来ず既にほぼ色のない精液を吐き出す。それとほぼ同時に、後ろが締まったことによって堪えきれなかったであろう彼も同じように達した
『ぁー…っはぁ、まじ、死ぬかと』
「はぁ…ごめん。腰大丈夫?」
『腰より腹のがやべーよ』
「…?」
『いつもより良かった理由にお気付きでない?』
「……?!ゴム、か。やば、ごめん」
『ヒート中の妊娠率は?』
「…90%以上」
『家族増えるかもなー、わら』
「家増築とかしてみる?」
『赤ちゃんのために?!』
なんかもう、よくわかんねーけど幸せな未来だけは保証されている気がした。
コメント
8件
その幸せな未来まで見たいよーーーー((欲張り野郎
え、尊
うわっ、うわうわうわ…… マジで、いわふか尊い。ふっかさん煽るのかあいい。 愛すべきフォロワーまで、とど〜け〜、(?)