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「過去……?」
そう言えば、さっきのドライブでも少しだけ銀河に昔の話を聞かせてもらったけれど、まだどことなく含みがあるようにも感じていた。
「教えてほしいなら、俺が話してやってもいいけど……?」
流星がごくりとストレートのウイスキーを飲んで、そう言い下して、
「ただし、条件がある……」
と、付け足した。
「条件って、何よ…?」
「俺と、デートしろよ」
ニヤリと笑いを浮かべる流星から、
「そんなこと……」
と、目を逸らした。
「そうだよ…。リュウちゃんも、もういい加減にしなよ。自分のお客さん以外とデートなんて、タブーなのくらいわかるでしょう」
忠告をする天馬に、
「俺は、こいつに言ってるんだよ……別に、理沙がイヤなら、無理にとは言わないしな…」
流星がさらに笑い顔を歪ませた。
「おまえが銀河のことを聞きたいんだったら、条件は俺とのデートだからな。あいつのことが知りたければ、おまえから俺にデートOKの電話をしてこいよ。俺の携帯番号はこれだから……ほらよ」
と、流星がコースターに携帯番号を書いて、投げ渡してきた。
「理沙、乗ったらダメだよ…?」
うつむいた顔を覗き込むようにして声をかけてくれる天馬に、複雑な思いが入り混じり、私は「…うん…」とだけ頷いて返した……。