昔から驚くほど漠然とした『悪い勘』を察知するるりは、他人と距離を置いて生きてきた。
が、いつもの通勤途中で、どうにも見逃せないほどの『嫌な勘』がして、思わず相手の男に声をかける。
「気をつけてください!」
その夜、声をかけた男、凱人《かいと》に礼を言われたるりは、同僚が事故に遭う『予感』がして走り出す。
寸でのところで事故を防いだるりは、初めて何が起こるか感じてしまったことに困惑する。
翌朝、転落の『予感』がして注意を促したのは、またも凱人だった。
自分の『感』を全面的に信じてくれた凱人は、るりの新しい上司で、残念王子だった。
毎日のように危険な『予感』がする凱人。
仕事ができて部下に優しい凱人。
るりは次第に彼に惹かれていく。
「私が必ず守ります!」
るりは凱人を守れるか!?
そして、るりの恋の行方は!?