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急にコメントすみません🙇♀️若井さーーーん!!!賭けに出たぁぁ〜!!!あまりにも読んでて面白いのでコメントしちゃいました💦続きが楽しみです🥰
ーーあれから数日。
りょうちゃんの恋愛事情が気になりつつもいつものリハを終え、自主練に励んでいた。
彼はあの日の俺の失言を気にすることなく、普段通り接してくれている。
それはそれで助かるが、毎日顔を合わせているために彼の事情を完全に忘れ去ることは出来ない。
でも、「それはそれ、これはこれ」と、リハの最中だけでも忘れるように努力はしていた。
ふと、時計を見るともう21時半。
とっくに日が落ち、気づけばスタジオには俺だけ。
スタジオもそろそろ閉められるだろうし、自主練はこれくらいにして帰らねば。
スタジオを後にし、荷物が置いてある楽屋へと向かうと、 扉の隙間から明かりが洩れていた。
中から話し声が聞こえる。
誰だろう、と思いながらドアノブに手をかけると
「だからさ、仕事が忙しいの。わかってるでしょ、僕言ったよね」
ーーーりょうちゃんだ。
その声を聞いた瞬間、数日前の出来事がフラッシュバックする。
……また、あの電話相手?
この前「人のプライベートに首を突っ込むな」と釘を刺されたが、……どうしても、気になってしまう。
その思いがドアを開けんとし、気がつけば手元のドアノブをゆっくりと回していた。
カチャ、と小さな音を立ててドアが開く。
こういうところが俺の良くないところだ。
でも、りょうちゃんは俺が想いを寄せている人。
好きな人の恋愛事情が気にならないはずがない。
そうやって自分を正当化し、そっと楽屋のドアを開けると、 りょうちゃんがドアに背を向けて立っていた。
こちらを見ていないために、俺が忍び込んだのに気づいていない。
「……あのさぁ、そういうの面倒だからやめて。うん、じゃあそういうことだから、バイバイ」
ブチッ、と一方的に電話を切ると、りょうちゃんは深いため息をついた。
「はあ………」
「……別れたの?」
「わあぁぁ!?ってまた若井!何なのよ〜びっくりさせないでぇ」
もう!と俺から目をそらすと椅子に座った。
そのまま足を組み、また携帯をいじり出す。
「さっきの電話ーー」
「ああ、うん、そう。若井の考えてる通り」
心底面倒くさそうに答える。
どうやら、本当に電話の向こうの「恋人」とは終わったようだ。
「……どうして?」
…何故別れたか、なんて、分かってるのに聞き返す。
俺も性格が悪い。
りょうちゃんが恋人を手放す理由はただ一つ。
『相手が本気で自分を好きになったから』
今回だってきっと、向こうが本気でりょうちゃんに恋をしてしまったのだろう。
「あの子ねぇ、会ってても電話でも好き好きってうるさくて。 本当面倒くさい、萎える」
「……ふーん」
「出会った当初はそんなんじゃなかったのに」
面倒だ、萎える、そんなことを容赦なくバッサリと言い切る。
本来ならば恋人に「好き」と言われれば嬉しくなるはずなのに、彼に限っては「面倒」に変換されてしまう。
誰しも好意を持たれて嫌な気はしないのに、彼は違うのだ。
「今度こそ理想の子に出会えたって思ったのに……あーあ、残念。
どうしてみんなこう……自分のモノにしたがるんだろうねぇ、わかんないなぁ」
「……人間誰しも恋したら、その人を自分だけのものにしたくなるもんだよ」
その点については、俺だって例外じゃない。
今すぐにでもりょうちゃんを俺のものにしたい。
誰にも渡したくないほど、彼に惹かれている。
でも、それはりょうちゃんの価値観の中では意味をなさない感情。
どれだけ彼を愛そうと、俺が彼を求める限り叶うことはない。
「ふーん、そう。……でもさぁ、それ、面倒じゃない?いちいち嫉妬したりされたり、すっごい面倒くさいし疲れちゃう」
「それは、まあ……わからなくもないけど」
「でしょ〜?ていうか、そもそも僕が追いかけていたいわけ。手に入らないものを追いかけたいの。
どうせ恋愛なんてお遊びなんだから……。僕の期待をとことん裏切って、僕の好意なんて無視してくれていいの。 その方が燃えるじゃん?」
なんてね〜、と彼はへらっと笑ってみせるが、これは全て本気。
過去に何があったんだと心配するほどに拗れた恋愛観。
そんな彼を哀れだと思う気持ちの裏側に、愛おしいと思う気持ちが絶対についてくるのは何故なのか、自分でも分からない。
「……さぁて、次、次。どうしよっかなぁ」
りょうちゃんは組んだ足を左右変えながら携帯の画面をスクロールする。
どうやって集めたのか、大量の連絡先から次の「恋人」を探しているらしい。
ダメになったら次、と別れたその瞬間から切り替えられるのはもはや呆れを通り越して尊敬する。
「いつまで続けるの、それ」
「いつまでって……そりゃあ、僕の理想に出会えるまででしょ。
僕の望みを全て叶えてくれる、運命の人にね」
意外にも『運命の人』などと口走り、綺麗な笑顔で微笑む彼。
へぇ、りょうちゃんも運命なんて言葉信じるんだ。
彼はこう見えて、案外ロマンチストな面があるのかもしれない。
ーーそうか、 『運命』、か。
なら、俺は?
俺だって彼の言う「運命」になれる可能性はあるはず。
彼の歪んだ恋愛観を知り尽くした俺なら。
チャンスは、相手のいなくなった今しかない。
ゴクリと唾を飲み込み、俺は一世一代の賭けに出た。
「じゃあ、俺は?」