私の5限が終わってから、大学近くのラーメン屋へ行くことになった。
空きコマの明那は第2食堂で友達と駄弁っているらしい。
『終わったよ、っと』
いつもより早く講義が終わり、明那にメッセージを送る。
友達といるから気がつかないかもな〜 と思いながら、
とりあえず待ち合わせ場所の11号館へ向かおうと歩きはじめたとき、
手の中のスマホが小さく震えた。
【LINE】
三枝明那
わ
……わ?
わかった!の「わ」かな
それか、ちいさくてかわいい生き物の「ワ……」?
ていうか既読はや
akn「講義終わんの早くない!?」
なんの授業やっけ、というのが、3限ぶりの明那の声だった。
『情報処理演習Ⅲ』
akn「あー!川田先生のやつか。俺それさあ、去年抽選落ちて今年も抽選落ちたんよなー」
『結構課題出るよ』
akn「んん……じゃあよかったか……」
駐輪場を通り抜けて、裏門を出てすぐの長い坂を下る。
大学バスに乗らず、こうして寄り道をしながら帰るのは久しぶりだ。
前は、裏門を左に曲がったところにあるお好み焼き屋へ明那と行った。
各テーブルに鉄板がついていて、生地が運ばれてきて自分で焼く方式だったのだが、
私があまりにもひっくり返すのが下手すぎて、明那は涙が出るほど笑っていた。
懐かしい、 また行きたいな
『わってなに? わかった?』
akn「お!せいかーーーい!!!」
『そんな略し方ないって』
いやあるあるある!! と言ったあと、
すぐに「まあ押し間違えただけやけど〜」と続ける明那。
どっちだよ と笑って、私たちは坂道を下り終えた。
コメント
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わ可愛いかよふざけんな(?)一瞬ちいかわぽいと思ってしまった...