ぼん「高校?」
めん「はい」
ドズル「そういえば、なんも考えてなかったなぁ。」
ぼん「俺も〜」
ドズル「めんはもう決めてるの?」
めん「ん〜….」
めん「親が決めたようなもんなんで、俺はなんも….」
ドズル「あ〜….」
ぼん「親はどこに行かせようとしてるんだ?」
めん「えぇと….」
めん「….ここっす」
そういってめんは、僕たちに自分のスマホの画面を見せる。
ぼん「げっ、ここって….?!」
ドズル「ん?ぼんさん知ってるの?」
ぼん「知ってるもなにも、ここら辺じゃ有名な難関校だぞ?!」
ドズル「えっ?!そうなの?!」
ぼん「ここを受かれば東大はもちろん、京大にも早稲田にもいけるかもしれない….そんな所だよ…..」
ドズル「すっご….」
ドズル「…..でもさ?」
ドズル「めんは…どう思ってるの?」
めん「….え?」
ドズル「ここ、親がすすめてるんだよね?」
めん「え、あ、はい、そうっすけど…」
ドズル「めんは、どこに行きたいの?」
めん「へ….」
めん「お、俺…は…..」
めん「特にないっす….」
めん「…そもそも、俺が行きたいとこあったって、親が許してくれるとは思わないんで」
あぁ…そうか….。
このまま、みんなバラバラになっちゃうのかな….
ぼん「…..ならさ〜?」
ぼん「もうみんなで逃げね?」
ドズル「….え?」
めん「ど、どゆことっすか?」
ぼん「みんなで他の県に行って他の高校に逃げんの」
いやいやさすがに…
めん「….本当にそれが出来たらいいんすけどね」
そうだね、すごく同感。
ぼん「だから、やるんだよ」
ドズル「お金はどうするの?」
ぼん「いまから貯めれば行けるっしょ」
ドズル「家は?」
ぼん「探せばいいじゃん」
めん「そもそも、どこに行くんすか?」
ぼん「ん〜…..」
ぼん「田舎過ぎず都会過ぎないとこ」
めん「範囲ひろいなぁw」
ドズル「旅行気分すぎません?w」
ぼん「じゃあ逆に聞くけどよぉ!」
ぼん「2人はどこに行きたいわけ〜?」
ドズル「僕は特に….」
めん「俺も…というか、急に言われると出ないっすね….」
ドズル「確かに確かに」
ぼん「だろ?出ないんだよ」
ドズル「なんでちょっとドヤってるんですかw」
めん「はははっw」
ぼん「探すか〜」
ドズル「でも、行きたい県も決まってないのに….」
めん「どこから探すんすか」
ぼん「….っぁあもう!」
ぼん「細かいことはまた今度!」
ぼん「もう疲れた!帰る!」
めん「ぼんさんが言い出したんじゃないっすかw」
気づけばもう、辺りは真っ暗だった。
ドズル「ぼんさん、帰ってゆっくり出来るの?」
ぼん「あぁ〜…..」
ぼん「まぁ、やることやれば文句言われないから大丈夫よ」
やること….
どのくらいの量、やることがあるのだろう。
やることと休憩、同じ量なのだろうか…
やることが休憩を上回ったら、休むなんて到底できない。
ドズル「….ねぇ、ぼんさん」
ぼん「んぁ?なんだ?」
ドズル「ぼんさんさ、僕んちに泊まっていかない?」
ぼん「…..え?」
めん「あぁ、いいじゃないっすか!」
ぼん「いやいや、急になによw」
ドズル「だって、ぼんさん帰っても…ね?」
ドズル「なら、僕の家で一緒ゆっくりしましょうよ」
ぼん「いやいや迷惑かかるし…」
ドズル「ぼんさんが来てくれた方が家が賑やかで嬉しいですよ」
ぼん「第一、おじさんとおばさんになんて言えばいいか…」
ドズル「なんなら一緒住みましょうよ」
ぼん「……。」
めん「…すんません、俺はもう門限が近いので、帰りますね」
ドズル「あ、うん!またあした!」
めん「はい!」
少しだけ気まずい雰囲気を、秋の風が吹き去っていく。
ぼんさんは終始考える仕草をして動かない。
僕はただ、じっと待って居るしかなかった。
日が落ち、空にはポツポツとそれぞれ思い思いに輝いている星たちが、僕たちを見下していた。
ぼん「….ドズさん」
ドズル「わっ?!」
いきなり口を開いたぼんさんにびっくりしてしまった。
けど、ぼんさんはそんなこと気にせず、まるでなかったことかのように、真剣な眼差しでこっちを見つめる。
いつもおどけるぼんさんからは、想像もつかないようなその表情は、一瞬で空気を張り詰めさせる。
どこの誰が見ても、ただ事ではないのがわかるだろう。
ぼん「俺…本音を言うと、もちろん帰りたくない。 」
ドズル「….!なら…」
おいでよ、その言葉は、ぼんさんによってかき消されていく。
ぼん「でも、その後見つかって、また暴力を振るわれたらどうしよう…って、思う….」
ドズル「ぁ….」
….本当はわかっていた。
だって、孫をこき使うようなやつが、いくらぼんさんを嫌っていようと、所詮は都合のいいように動く駒だ。
簡単に手放すはずがない。
….ダメ、かぁ……..。
ぼん「だからさ….」
ぼん「見つからないように、ちゃんと匿ってよ?w」
ドズル「……へっ?」
そ、それって….!
ぼん「色々迷惑かけるかもしれないけど、ちゃんとなんでも手伝う。」
ぼん「だから、お願いします」
ドズル「….!」
ドズル「うん….うん!もちろん!」
ぼん「やった…!」
嬉しい
これでもう、独りでご飯を食べなくていい
独りで勉強をしなくていい
寂しくなくていい
ドズル「荷物…取り帰りますか?」
ぼん「そうだな〜」
ぼん「いくら身長がおなじだからってドズさんから服貰うわけにはいかないしな」
ドズル「僕は全然いいけどね」
ぼん「ドズさん、ちょっと俺に甘すぎない?」
ドズル「なんで?当たり前でしょ!」
ぼん「…!」
ぼん「…っふ、そうかよw」
ぼん「なら、お言葉に甘えさせてもらおうかなw」
ドズル「やったぁあ!」
ぼん「そうと決まれば、帰るか〜!」
ぼんさんは立って伸びをする。
….もう3時間位話してたんだな
ドズル「それじゃ、行きましょ!ぼんさん!」
ぼん「あぁ!これからよろしくな、ドズさん!」
そういい、僕たちはハイタッチをする。
楽しい。
….けど、僕たちは知らなかった。
この楽しい時間があんなことで、一瞬でなくなってしまうことを……..。
2人で肩を並べ、雑談に花を咲かせて帰った。
空には真ん丸な月が浮かび、僕らを不気味に照らしていた。
ドズル「ここだよ、ぼんさん!」
ぼん「おぉ!見た目は綺麗だな!」
ドズル「ちょっと〜!見た目は、ってなんですか〜!w」
ぼん「だってドズさん整理整頓苦手じゃん!」
ドズル「家は綺麗かもしれないでしょ!」
ぼん「かもしれないってなんだよw」
ドズル「んはははっw」
そんな他愛もない話をしながらドアに手をかけた時、違和感を感じた。
ドズル「……開いてる」
ぼん「え?」
おかしい。朝は絶対閉めた。
誰だ、強盗?
僕はぼんさんに、口に手を当て、声を出さないよう訴える。
ぼんさんも感じ取ったのだろう、さっきのニコニコとした顔から一転、真剣な顔になった。
音を立てないよう、慎重にドアを開けた。
….リビングの電気がついている?
リビングは玄関に入って左に曲がった所だ。
相手にバレてはいけない。
僕とぼんさんの周りが、張り詰めた空気で満たされていく。
すると….
???「遅いじゃないか、ドズル」
ドズル「……へ?」
1番聞きたくない、なのに1番聞き慣れた声がした。
…..どう、して………?
半ば放心状態のまま、僕はリビングのドアを開ける。
ぼん「え、ちょっ….?!」
先程まで慎重だった僕がいきなり無防備にドアを開けたことに、ぼんさんは驚いていた。
けど、今はそんなことどうだっていい。
どうしてここにいるの….?
ドズル「お…とう、さま……?」
待たせました、次のアイデアが全く出てこないにとです。
ぼきゃぶらが足りてなさすぎて泣きたい…。
続きも頑張るので、良ければコメントください….。では!
コメント
2件
👍次が楽しみです!頑張ってください!