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ウラオモテ

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ウラオモテ

5 - 第5話 突然

♥

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2025年08月21日

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今回の講師である姉さんに群がる男子生徒。それを冷ややかな目で見ている女生徒の構図。


コレ、何回か恋愛ゲームで見たことあるなぁ……。そんなことを頭の隅で考えていた。


「天馬は知ってたの?」


不機嫌が全身からダダ漏れの望が、ニコニコ笑顔の姉さんを見ながら呟いた。


「知らなかった。先々週フランスに派遣されたから、そっちにいるもんだと思ってた。まさか、日本にいるなんて……」


「ふ~ん」


明らかに信用してない横目。


「本当だってば!」


「ふ~ん」


「そこの二人、こっちに来なさい。今から施設を案内しますよ。はぐれると、かなり広いから迷子になっちゃうよ?」


気づいたら、僕と望以外の生徒が姉さんの周りに集まり、移動を開始していた。


「先生を困らせるなよ。二人とも、少しは真面目にやれ! 遊びじゃねぇんだよ!!」


「ありがとう。一二三君」


「へへへ…」


いい子ぶっている一二三。イライラしかない。


僕達が三日間寝泊まりする部屋や大浴場。レストランでのバイキング等々。生活する為の最低限の説明を受けた後、各自部屋に荷物を置き、訓練場に集合した。


学校の体育館ほどの広さがあり、物が一切ない。壁の上部には僕達を見下ろす監視部屋があり、姉ちゃんはそこに合図をする。すると突然、僕達の前に立体映像、凶悪なモンスター二体が現れた。とてもリアルで急に見せられたら、本物だと勘違いして腰を抜かすだろう。


「はい。じゃあ、始めますよ~。最初に質問しようかなぁ。魔物を発見したら、まず最初にやるべきことは何か分かる?」


「ハイハイっ!!」


元気良く手を挙げる一二三。


「アイツらの急所、目を潰します。先制攻撃あるのみ!」


「う~ん……違います。でも元気があるのはとっても良いことよ」


項垂れる一二三。ざまぁ~みろ。


「相手の戦力を分析する。ですよね、先生」


六条院が言い放った。


「うん。正解。これが出来るかどうかで、私達の生存率が大きく変わる。相手が自分より強そうだったら、とにかく逃げるの」


正解した六条院にメンチを切る一二三。


「傷ついた仲間がいても。周りに女子供がいてもね。見捨てて逃げなさい。カッコつけたところで、全員死亡ですから」


「っ!?」


「え!!!?」


姉ちゃんの口調が冷たいものに変わった。明らかに先ほどまでのホワホワした緩い感じとは違う。


「相手の戦力を瞬時に見極める。それをこの三日間で皆さんに叩き込みます。ちなみにだけど、私は前任者よりもかなり厳しいから覚悟してね~」


ニッコリ笑った。それから三時間。姉さんの地獄のようなしごきが始まった。


初日の訓練が終わり、やっと夕食。


レストランでのバイキング。ほとんどの生徒が吐きそうになって水分しかとれないのに対して、一二三だけは大皿を山盛りにして何度もお代わりしていた。


それを見ているだけで吐きそうだった。

カットフルーツを何とか胃袋に押し込んだ。


「お疲れ様。天ちゃん」


着替えた良い香りがする姉さんが、僕の隣に座った。


「うん。姉ちゃ……、先生もお疲れ様です」


「う~~、もっと先生って呼んでぇ。ゾクゾクする~」


身をくねらせる姉。汚れた僕の口を優しくハンカチで拭いた。


「キモッ」


「何か言ったかな? 栗谷さん」


「キモイって言ったんですよ。はぁ~~。いい加減、弟離れしたらどうですか?」


「望っ!? ちょ、ちょ、落ち着いて!」


「夕月さんが、必要以上に甘やかすから、コイツも全然成長しないんですよ」


ガタッ。席を静かに立つ姉ちゃん。望も立ちあがり、対峙した。


ブーーーー!!


ブーーーーーーー!!


一触即発。その時、店内に鳴り響く警告音。


姉さんの隣に近づき、耳元で何かを早口で喋る黒服。ここニューワールドの社員だろう。


「お食事中にごめんなさい。至急、皆さんは各自、自分の部屋に戻ってください。部屋から絶対に出ないでね」


それだけ言うと、姉さんは黒服とレストランを出ていく。


「何かあったのか?」


「…………」


一二三が取り途中の和風パスタを頬張りながら、僕に駆け寄った。


まさか。

このタイミングで?

嘘だろ……。


バカな一二三以外。誰もが分かった。


「ん? 何、なに? みんな、どうした?」



魔界のゲートが開いたんだと。

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