コメント
3件
あ 、小柳だ〜 。 受けの小柳だ〜(((
あの日の涙は水溜りに消える
7月11日
3周年ライブも近くなり、色々と慌ただしい日だった。
任務で忙しかった。上司のせいだ。
俺は怪我をしてしまって、雲雀たちに怒られた。
「怪我は報告しろ!」
だって。俺は怪我しても別にいのに。
俺は少しイラついてしまって
「関係ないでしょ!ほっといて!」
と言って、ランドリーから逃げてしまった。
あの日の日記を読み返す。
バカだなぁ、、、。
あの日の最後の言葉が「ほっといて!」なんて。
あの日、俺を追いかけてきた3人は、車に轢かれた。
犯人は飲酒運転をしていたらしく、捕まった。
俺が後ろを振り向くと、そこには人の形をしていない、3人がいた。
俺は、3人の名前を呼ぶこと以外できなかった。
カフェも、事務所も、経営者がいなくなり亡くなった。
ランドリーは俺以外いない。もぬけの殻。
『秘密基地』なんて、秘密にしてた人もいなくなって。
俺って何でここにいるんだっけ、、?
何もわからなくて。
あの日は雨の日だったような。梅雨で気持ちが憂鬱だった。
夢だって信じてた。信じてる。
この夢はただの白昼夢かなんかで。目が覚めればみんながいるんよ。
お願いだって。ごめん。って。
言ってるじゃん!!
いつになったら許してくれる、、?
姿を表してくれるの、、?
雨が降っている都会。
みんなは傘を刺している中、俺は雨に打たれている。
(もう死んじゃいたい)
そんな些細な願いも叶わなかった。
「セラ、、さん?」
「ダズガ、先輩?」
耳慣れた声。VTAからの付き合いの、
「ロウくん、星導くん」
暗殺者である、小柳ロウと正体不明の星導晶。
「セラさん。どうしたんですか?」
傘を刺していたロウくんは傘をこちらに向けて、話しかけてきてくれた。
「、、、傘、忘れちゃってさ〜。スタジオから出たらこの雨だよ〜、困ったもんだね」
後輩に、迷惑をかけない、ように。元気に、元気に。
「ダズガ先輩。今日朝から雨だったんですよ?」
「、、、」
鋭いなぁ、、、。
「ダズガ先輩。俺の店が近いので行きましょう」
俺は言われるがまま、連れて行かれた。
「セラさん。何があったんですか?」
後輩にシャワーまで貰えて、服ももらって、労り尽せりすぎる。
「、、、、人に言いづらいな〜」
「先輩、俺たち二人とも人じゃないんですよね」
そうだった。星導くんもロウくんもそういや人じゃないや。
「、、、凪ちゃんたちが死んだのは知ってるでしょ?」
「、、、はい」
ロウくんは悲しげに返事をした。
「俺ね?あの日任務で怪我しちゃってさ。3人に怒られたんよ。で、なんかその日俺なんか腹たっちゃって、「ほっといて!」って言ってランドリーから逃げ出したの。で、3人は追いかけてきてくれて。俺、振り返ったらさ。3人とも死んでた」
「あいつらと最後に交わした言葉『ほっといて』何だよ?最悪だよね」
笑い話じゃないのに、笑おうとする俺がいる。
「ダズガ先輩。確か、渡会先輩が亡くなったのって、3周年ライブの二日前くらいですよね」
「うん、よく覚えてるね」
「セラさん。俺たち凪さんたちから遺言もらってるんですよ」
「、、、、は?」
何で。と言う言葉は口に出なかった。
「遺言というか、セラさんに伝えておいてって言ってた言葉があるんです」
「な、んで今、、」
「知りませんし、俺は意味がわかりませんでしたが、ダズガ先輩ならわかるんじゃないかなって思います」
「、、、教えて」
「「もちろん」」
『セラに伝えてほしいことあるんだけどいい?』
ーセラさんにですか?
『はい』
ー多分四季凪先輩たちから伝えた方が、、
『ううん!二人から伝えて欲しいんよ』
ーなんで、、
『『『秘密!/です』』
Aresはもういないよ。
「ただ、その一言だけを、伝えて欲しい。と」
「凪さんたちから聞きました」
Aresはもう、いない、、、。
「あ、ごめんね」
涙が溢れる。ボロボロと。
「、、、セラさん。あなたは、もう、一人じゃないんですよ」
「Aresが誰なのかも、ダズガ先輩の過去も、俺たちは何も知りません。でも、今のダズガ先輩なら知ってる。笑って、楽しそうで、生き生きとしてて、それが」
「「”セラフ・ダズルガーデン”でしょう?/じゃないですか」」
あぁ、後輩に慰められてるなんて、
「先輩として、情けないな、、、」
そう溢していた。
「ふふっ、セラさん。俺らの方が年齢的には上なんですよ」
「小柳くんが100歳以上で、俺は140億歳ですしね。まず人類じゃありませんし、、、」
そうだった。とふと思う。
確かに俺より彼らの方が人生経験も半端ないだろうし、、、。
「だから、甘えてください。俺一番嫌いなの、好きな人が、苦しそうにしてる姿なんです。だから、もう、苦しまないで。笑っててください。あの時のセラさんみたいに、、、」
笑っていてほしい。笑顔でいてほしい。幸せでいてほしい。
そんな俺らの願い。
大好きな先輩。VTAの頃からの先輩で、お世話になった。
昔のことは何1つ知らないけど、笑ってる先輩たちが好きだった。
俺ら二人だけじゃない。
セラフさんや、ヴォルタの四人にお世話になった人は全員思ってるだろう。
笑っててくれ。笑顔でいてくれ。幸せでいてくれ。
ただ、それだけでいいんだ。
あなたが苦しそうな姿は、一番見たくない。
お願いだ。
今にも死にそうな顔、しないでください。
俺らは、ただ、それだけを願ってるんです。
「、、ごめんね。心配かけちゃって」
俺は二人の頭を撫でた。
「うぅっ、うぅ」
「何、泣いてるんすかっ、小柳、くん」
「星導くんも泣いてるよ」
俺は、二人にたくさん心配をかけていたのだろう。
みんながいなくなって、変わった俺を。
「ごめんね。ありがとう」
俺は二人を抱きしめた。泣きながら。
3人で泣いた。
「ありがとね。二人のおかげで元気になれそうだよ」
俺は扉の前にたった。
「、、セラさん、やっぱもっといた方がいいんじゃないですか?雨降ってるし」
「そうですよ。迷惑してないので居ていいですよ?」
「ううん、これ以上後輩に迷惑かけられないからね。でも傘だけ借りてってもいいかな?」
「全然!どうぞどうぞ。いつか返してくれればいいので」
「ありがとう。やっぱり二人は優しいね」
雨が降っている。けれど帰った方がいいだろう。
「、、、ダズガ先輩。なんかあったら頼ってください」
「俺たち、VTAの頃からの仲じゃないっすか」
なんて頼もしい後輩なのだろう。
「ふふっ、じゃあなんかあったら頼らせてもらおうかな?」
「「喜んで!」」
3人の目は少しだけ、腫れていた。
笑ってていてください。笑顔でいてください。幸せでいてください。
俺らはただ、それだけを願う。
あの時みたいに、無邪気な笑顔を見せて。
苦しそうな顔が一番見たくない。だから、死にそうな顔をしないで。
何度でも繰り返す。
俺らは、あなたのことが、大好きだから。
あなたの大好きな後輩 小柳ロウ
笑っていてください。幸せでいてください。
あなたの笑顔はすごく眩しい。
こちらも嬉しくなる。だから、笑顔でいて。
あなたが幸せでいてくれたらいいんです。
俺らはあなたのことが大好きだから。
あなたの幸せをただ、ひたすらに願っています。
あなたの大好きな後輩 星導晶
君が泣いてるの初めて見た。
いつも笑顔で幸せそうな君が。
辛そうになってたのはすごく辛かった。
いつもみたいに幸せでいて欲しかった。
だから幸せでいてよ?
君が笑顔なだけで世界は温かくなるんだよ。
きみの大好きな半同期 ラナンキュラス・鏑木ろこ
笑っていてくれ。幸せでいてくれ。
それだけでなぜか俺らも幸せになれる。
お前の笑顔はすごく眩しいんだ。
お前の幸せは俺らの幸せにもなる。
だから、泣かないで。辛い顔をしないで。
お前の幸せを願うことしか俺らはできないけれど。
おまえの大好きな先輩 VΔLZ
君の笑顔はすごく眩しいんだよ。
僕も何度も救われた。無邪気に笑う君に。
君が辛かったら僕らも辛い。
君が幸せだったらいいんだよ。
だから辛い顔をしないでほしい。
僕は君のことが大好きなんだ。
きみの大好きな先輩 オリバー・エバンス
君の笑顔は人を救う力があるから。
私は君の笑顔が大好きなんだ。
幸せそうで、無邪気な笑顔は安心する。
だから泣きそうな顔をしないで。
辛い、って思ってほしくないの、君には。
幸せに生きてほしい。これは私からのお願い。
きみの大好きな先輩 健屋花那
君が泣いてるだけで俺は驚いた。
楽団でしかほぼ関わらないけど幸せそうな君のことが大好きだったよ。
だから幸せでいて欲しいんだ。
楽団みんな思ってるからね。
辛い表情よりも幸せな表情の方が似合ってるから。
幸せでいたら俺らは全員嬉しいから。
きみの大好きな楽団 楽団V!VO
セラフ・ダズルガーデンのことが大好きな、人たちからの手紙
「ははっ、みんな俺のこと大好きじゃん、、、」
また俺は涙をこぼした。
ロウくんや、星導くん以外にも、ラナキュラのみんな、長尾さんたちの先輩、ろこさんや健屋さん。オリバーさんだったり。
俺と仲良くしてくれている人からの手紙。
みんな俺の幸せを願っていてくれてた。
俺、幸せ者だ。
みんながいなくても、俺仲間いるんだ。
俺、あの時みたいに孤独じゃないんだって。
もう一度、そう思えた。