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明那”王宮 湊様の自室”
「…お前らは逃げないのかよ、王宮にいたら死ぬかもしれないんだぞ」
[…私は逃げるつもりなどありません、最後まで、ここにいます]
「馬鹿かお前は…ほんと、なんも変わってないなぁ…」
二人がどんな関係なのかも知らない
だが、言い合えるなかだと言うことは確かだった
「ローレンは?」
【俺も残ります、あなたを最後まで守り抜くので】
「…晴は」
〖俺も、湊様に救って貰ったこの命はあなたのために使うって決めてたので!〗
「そっか…ありがとう」
そのときの湊様は悲しそうな顔をしていた
自分が死ぬからじゃない
他の人に死んでほしくないんだ
なんで…こんな人が…
「…あきな」
『ッは、はい!』
「お前は?」
優しく、俺に微笑みながら聞いてくれた
『俺は…』
【ッ!伏せろ!】
突然、バリンと、窓ガラスが割れる音がした
ローレンの声のおかげで、なんとか俺らは無傷ですんだ
それと同時に、部屋の扉が開いた
<いたぞ!国王はここだ!>
〖チッ…もうかよ!! 〗
数的にはこっちが不利…ローレンと晴がいるからといって、この人数を相手にするのは無理…
だったら俺が…二人の足を引っ張るかもしれないけど、剣術で!!
[あきな!]
『ッ!?』
[湊様をつれて逃げてください!はやく!!]
「はッ!?俺は!」
『湊様!こっち!』
俺は湊様の手を取り、勢いよく部屋を飛び出した
<逃げたぞ!追え…ッぐァッ!!!>
【いかせねぇよ!】
足止めはしてくれている
「まてあきな!俺は…!! 」
『いいから走ってください!』
「ッでも!…ッ」
俺はあの時、足が動かなかった
敵をまえにして、俺は一歩も動けなかった
それに気づいた加賀美さんが指示を出してくれた
あの二人も、俺の顔をみるなり、頼んだぞ、とうなずいた
こたえない訳にはいかない
湊”森”
俺は走る彼に手をひかれ、ひたすら走り続けていた
「…ッあきな!」
まわりから民衆がおってきてる気配はない
「どこにいくんだよ!逃げることなんて無理に…」
『無理じゃないです!』
『みんなが繋ごうとしてくれたんです!俺はそれにこたえたい!』
そう強く言う彼に俺はなにも言えなかった
湊”海辺”
「はぁッ…はぁ…」
どれだけ走っただろうか
俺らはいま、町外れにある海辺まできていた
「あきな…?ここにはなんも…」
あきなは周りを見渡しながら、ある一点に向かって走っていった
「…?それ…」
そこからあきなが引きずり出してきたのは、小さな船だった
「なに、それ…船?」
『はい、こちらにのってすぐにここをでてください』
明那”海辺”
「ッまって!あいつらは…!?」
『大丈夫です!俺が王宮に戻りますから!』
「…え、王宮に戻るって…あきなは逃げないの?」
『あ、はは…残念ながらこの船は1人乗りです、湊様が使ってください 』
「そんなことできるわけ…!!」
もう時間はない、はやく戻らないと、あの人たちが持たない
『…この先は俺の故郷があります』
「え?」
『昨日のうちに鳩を飛ばしておきました、村についたら、白髪で、赤い目をした人を探してください』
「俺、まだいくって決めた訳じゃ…それに!王宮に俺がいなかったらあいつらはどこまでおってくるか…」
『…あなたを、死んだことにします』
『だからその…上着を一枚、貸していただけますか、?』
「え…でも…」
<国王は見つかったか!?>
<いや、まだだ…くそっどこにいきやがった…>
遠くから、声が聞こえた
もう、時間はない
『のって!はやく!』
「いや、いやや!!」
『ですがッ!』
「一人は…いやや…」
彼は、泣いていた
『…みなと、さま』
「なぁ…一人にせんで…ずっとそばにいてよ…」
俺にすがりつくように、すすり泣いていた
「お前だけには…あきなだけには…生きててほしい…」
『…ッ俺は平気ですよ』
『俺は、王宮のおかげで変われたんです
あそこにいたときが何よりも幸福でしたから、もうこれ以上望むものはありません』
俺は優しく、湊様に微笑んだ
「…」
『湊様は強いんですよ?だからといって弱さを見せてはいけない訳じゃない
あなたはもっと人を頼ってください
そしてこれからはいまより強く、優しい人で生きてください 』
「…うん」
『では、はやく逃げましょう』
今度は湊様は抵抗せず、おとなしく船に乗ってくれた
『俺は戻ります、どうかご無事で…』
そういって俺が王宮に戻り始めたときだった
「あきな!!」
突然湊様が大きな声を出したから、何事かと思い振り返る
『どうし……』
湊様がこちらにきてると認識するまえに、彼は俺の唇を奪った
そしてゆっくり離していき…
「あきな」
俺を強く抱き締めた
『ちょっ!//湊様!?』
「大丈夫、すぐ戻るから」
『ですが…』
「…絶対助けに来るから、あきなも、あいつらも…だからまっててな」
『……はい!』
そして俺たちは最後の別れをした
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